カメラの特徴

実際のカメラは、光感応サーフェスを持つ焦点面にシーンから反射された光の焦点を合わせるためにレンズを使います。

現実世界のカメラ単位。A: 焦点距離、B: 視野(FOV)

焦点距離

レンズと光感応サーフェスとの間の距離をレンズの焦点距離と呼びます。これはフィルムであってもビデオであっても変わりません。焦点距離は、対象を画像にどれだけ表示するかということを決定します。焦点距離が短いと、画像に入るシーンは増えます。焦点距離が長いと含まれるシーンは減りますが、遠くのオブジェクトもより詳しく表示できます。

焦点距離は常にミリメートルで表示します。写真の標準レンズは 50mm です。焦点距離が 50mm 未満のレンズを短焦点レンズまたは広角レンズと呼びます。焦点距離が 50mm を超えるレンズを長焦点レンズまたは望遠レンズと呼びます。

視野(FOV)

視野(FOV)は、シーンがどれだけ表示されるかを制御します。視野の単位は水平度数です。これはレンズの焦点距離と直接関係しています。たとえば、50mm レンズは水平 46 度です。レンズの焦点距離が長いほど視野は狭くなります。レンズの焦点距離が短いほど視野は広くなります。

視野とパースとの関係

焦点距離が短い(視野が広い)場合には、遠近の歪みが強調されてオブジェクトは深く見え、手前がぼやけます。

焦点距離が長い(視野が狭い)場合には、遠近の歪みは減少してオブジェクトは平らに見え、観察者からは平行に見えます。

左上: 焦点距離が長く、視野が狭い

右下: 焦点距離が短く、視野が広い

50mm レンズでの遠近が正常に感じられるのは、肉眼での見え方に近いことや、50mm レンズがスナップや報道写真、映画などで広く使われているためです。

カメラ オブジェクトと実世界のカメラとの相違点

実世界のカメラには焦点を合わせたりフィルムを巻き上げるといったコンピュータのレンダリングに不必要な制御がありますが、カメラ オブジェクトにはこのような機能はありません。

3ds Max には、トラック、ドーリー、パンなど、映画製作で使用するカメラの移動に相当する機能があります。