[スタイリング](Styling)ロールアウト(ヘアーとファー)

[ヘアーとファー](Hair And Fur)モディファイヤの[ガイド](Guides)サブオブジェクト レベルでは、ビューポートでインタラクティブにヘアをスタイリングできます。インタラクティブなスタイリングを行うためのコントロールは、[スタイリング](Styling)ロールアウトにあります。このロールアウトにある[ヘアをスタイル](Style Hair)ボタンをクリックしてスタイリングを開始することもできます。

ヘア ガイドを使用したスタイリング

スタイリング ツールは、[ヘアをスタイル](Style Hair)をクリックしてオンにするか、[選択](Selection)ロールアウトまたはモディファイヤ スタックのいずれかで[ガイド](Guides)サブオブジェクト レベルを選択しないと、使用可能になりません。

各ガイド ヘアには 15 のセグメントと 14 の頂点があります(この他に、選択不可能な頂点が根元にあります)。ツールをガイドに影響させるには、少なくとも 1 つの頂点を選択している必要があります。頂点を選択するには、[選択](Select)([スタイリング]領域)をクリックしてオンにし、次に 3ds Max 標準の選択ツールを使用してガイドの一部を選択します。 たとえば、矩形選択領域をドラッグして、近くのヘア ガイドの頂点を選択できます。既定値では、選択されているガイドはオレンジ色で表示され、選択されていないガイドは黄色で表示されます。

この方法で選択した内容は、[選択](Selections)領域の上にあるボタンで拘束(コンストレイント)されます。ボタンには、[先端によってヘアを選択](Select Hair By Ends)、[すべてのガイドを選択](Select Whole Guide)(既定値)、[ガイド頂点を選択](Select Guide Vertices)、[根元によるガイド選択](Select Guide By Root)があります。それぞれの名前が示すとおり、このコンストレイントは[ヘア ブラシ](Hair Brush)によるヘア ガイドの修正方法に影響します。それぞれの制限の相違点を最もよく理解するには、[変換](Translate)などのツールを使用して、さまざまな選択内容のコンストレイントを実際に試してみることです。[ヘア ブラシ](Hair Brush)は、これらのコンストレイントと IK を組み合わせて使用し、ガイドのジオメトリを変更します。

左: スタイリング前のヘア ガイド

中央: [すべてのガイドを選択](Select Whole Guide)をアクティブにして変換

右: [先端によってヘアを選択](Select Hair By Ends)をアクティブにして変換

選択を行ったら、通常は[ヘア ブラシ](Hair Brush)(これも[スタイリング](Styling)領域、[選択](Select)の左)をクリックし、このブラシと[スタイリング](Styling)領域の下部にある[変換](Translate)、[スタンド](Stand)、[根元を膨張](Puff Roots)、[束](Clump)、[回転](Rotate)、[スケール](Scale)ツールの 1 つを組み合わせて使用します。

スタイリング中は、選択したガイドだけが影響を受けます。さらに、その時々にブラシ領域内にあるガイドだけが影響を受けます。ブラシ サイズは、[スタイリング](Styling)領域のスライダを使用するか、Ctrl+Shift を押したままマウス ドラッグすることにより変更できます。

[スタイリング](Styling)ロールアウトの[ヘア カット](Hair Cut)ツール([ヘア ブラシ](Hair Brush)と[選択](Select)の間)は、ブラシの場所に基づいてスケールすることによりヘア ガイドをカットします。

インタフェース

注: このロールアウトのコントロールは、発生元オブジェクトがメッシュの場合のみ使用可能になります。発生元オブジェクトがスプラインである場合、スタイリング コントロールは効果がありません。このコントロールではなく、元になっているスプライン オブジェクトを編集することでヘアをスタイリングできます。
[ヘアをスタイル](Style Hair)/[スタイリング終了](Finish Styling)

スタイリングを開始するときに[ヘアをスタイル](Style Hair)をクリックします。スタイリング モードをオフにするには、[スタイリング終了](Finish Styling)をクリックします。このボタンをオンにすると、すぐにブラシが使用できるようになり、既定値ではアクティブなツールが[変換](Translate)になります。[ヘアをスタイル](Style Hair)をオンにすると、[選択](Selection)ロールアウトの[ガイド](Guides)サブオブジェクト レベルにアクセスしてすべてのガイドを選択します。

[選択](Selection)領域

先端によってヘアを選択

各ガイド ヘアの終点の頂点のみを選択できます。

すべてのガイドを選択

(既定値)ガイド ヘアで任意の頂点を選択すると、ガイド ヘアのすべての頂点が選択されます。最初に[ヘアをスタイル](Style Hair)をオンにすると、このモードがアクティブになり、すべてのガイド ヘアのすべての頂点が選択されます。

ガイド頂点を選択

ガイド ヘアの任意の頂点を選択できます。

根元によるガイド選択

各ガイド ヘアの根元にある頂点のみが選択でき、これによってガイド ヘアのすべての頂点が選択されます。

頂点表示ドロップダウン リスト

選択された頂点のビューポートでの表示方法を選択します。

  • [ボックス マーカー](Box Marker) (既定値)選択された頂点は小さな正方形で表示されます。
  • [プラス マーカー](Plus Marker) 選択された頂点は小さなプラス記号で表示されます。
  • [X マーカー](X Marker) 選択された頂点は小さな X で表示されます。
  • [ドット マーカー](Dot Marker) 選択された頂点はドットで表示されます。
選択ユーティリティ

[選択ユーティリティ](Selection Utilities)の各種ボタンは、選択を処理するためのものです。

選択を反転

頂点の選択を反転させます。

キーボード ショートカット: Ctrl + I

選択を循環

空間内で選択を循環します。

選択を広げる

選択領域を徐々に広げて、選択を拡大します。

選択を非表示

選択したガイド ヘアを非表示にします。

ヒント: ビューポートでのインタラクティブなスタイリングの動作が遅い場合には、使用していないガイドを非表示にしてみてください。
非表示を表示

すべての非表示のガイド ヘアを表示します。

[スタイリング](Styling)領域

ヘア ブラシ

(既定値)このスタイリング モードでは、マウスのドラッグが、ブラシ領域内で選択されている頂点にのみ影響します。

[ヘア ブラシ](Hair Brush)をオンにすると、ビューポートにブラシ ギズモが表示されます。ブラシは、アクティブな ビューポートでは円で表示されますが、他のビューポートを見れば分かるとおり、実際には 3 次元の円柱状の領域を持っています。

アクティブな ビューポートでは、ブラシは円で表示されます。

アクティブではないビューポートでは、ブラシとして円柱状の領域が表示されます。

ヘア カット

ガイド ヘアをトリムします。ヘアをカットするには、次の手順に従うことをお勧めします。

  1. [選択](Selection)モードで、任意の選択方法を選択します。
  2. マウスをドラッグして、トリムするガイド ヘアを選択します。
  3. [ヘア カット](Hair Cut)をオンにします。
  4. スライダを使用してブラシのサイズを変更します。
  5. ブラシの円を、カットするヘアの上に置き、クリックしてヘアをカットします。ブラシの円の内側に頂点のあるヘアが短くなり、終点がブラシの円に接するようになります。
注: ヘアをカットしても実際の頂点は削除されません。ガイド ヘアがスケールされただけです。ガイド ヘアを元の長さに戻すには、[スケール](Scale)か、[ゼロサイズを復活](Pop Zero-Sized)か[選択を復活](Pop Selected)のいずれかを使用します。

左: カットする前のヘア ガイド

右: カットした後のヘア ガイド

選択

選択モードを有効にします。このモードでは、3ds Max の選択ツールを使用し、[選択](Selection)領域で選択された制限に基づいて(すべてのガイド、先端など)、ガイド頂点を選択できます。

遠方フェード

[ヘア ブラシ](Hair Brush)でのみ使用できます。オンにすると、ブラシ効果がブラシの端に向かって徐々に小さくなり、効果が穏やかになります。オフにすると、ブラシは選択されているすべての頂点に対して均等に影響し、効果がはっきりします。既定値ではチェックマークが付いています。

裏側のヘアを無視

[ヘア ブラシ](Hair Brush)と[ヘア カット](Hair Cut)でのみ使用できます。オンにすると、ブラシは裏側のヘアに影響しません。既定値ではチェックマークは付いていません。

ブラシ サイズ スライダ

スライダをドラッグするとブラシのサイズが変化します。

キーボード ショートカット: Ctrl + Shift +ドラッグ

ブラシ サイズ スライダの下のスタイリング ボタンは、[ヘア ブラシ](Hair Brush)をオンにした場合にのみ使用可能になります。

変換

選択した頂点を、マウスをドラッグする方向に移動させます。

スタンド

選択したガイドを、サーフェスに対して垂直方向に押し出します。

左: [スタンド](Stand)でスタイリングする前のガイド ヘア

右: [スタンド](Stand)でスタイリングした後のガイド ヘア(右側)

根元を膨張

選択したガイド ヘアを、サーフェスに対して垂直方向に押し出します。このツールのバイアスは、終点よりもヘアの根元の方に近くなります。

左: [根元を膨張](puffing roots)でスタイリングする前のヘア ガイド

右: [根元を膨張](puffing roots)でスタイリングした後のヘア ガイド

選択したガイドを、お互いの方向に(マウスを右にドラッグ)、またはお互いから離れる方向に(マウスを左にドラッグ)移動させます。

左: [束](Clump)でスタイリングする前のヘア ガイド

右: [束](Clump)でスタイリングした後のヘア ガイド(右側)

回転

カーソルの位置を中心にガイド ヘアの頂点を回転したり、渦巻きにしたりします。

左: [回転](Rotate)でスタイリングする前のヘア ガイド

右: [回転](Rotate)でスタイリングした後のヘア ガイド(前髪)

スケール

選択したガイドが大きく(マウスを右にドラッグ)または小さく(マウスを左にドラッグ)なるようにスケールします。

左: 元の長さのヘア ガイド

右: 短くスケールした後のヘア ガイド

[ユーティリティ](Utilities)領域

減衰

元になるポリゴンのサーフェス領域に従って、選択したガイドをスケールします。これは、たとえば動物のモデルにファーを適用するような場合に便利です。動物のモデルでは通常、ヘアの短い領域にあるポリゴンの方が小さいからです。たとえば、動物の前足にあるポリゴンは、普通、胸にあるポリゴンよりも小さいので、胸のファーの方が長くなります。

選択を復活

選択したヘアがサーフェス法線に沿って飛び出します。

左: [選択を復活](Pop Selected)を使用する前のヘア ガイド

右: [選択を復活](Pop Selected)を使用した後のヘア ガイド

ゼロサイズを復活

[選択を復活](Pop Selected)と同じように機能しますが、長さがゼロのヘアにのみ作用します。

左: 頭頂部のヘア ガイドが長さゼロにスケールされました。

右: [ゼロサイズを復活](Pop Zero-Sized)を使用すると、長さがゼロになったヘア ガイドのみに影響します。

リコーム

ガイドの現在の方向をヒントにして、ガイドをサーフェスに対して平行にします。

手順としては、[ヘア ブラシ](Hair Brush)モードをオンにし、[すべてのガイドを選択](Select Whole Guide)を使用してガイドを選択します。それから、スキンの貫通やヘアのシェイプを気にせずに、ガイドを動かしてみます。この処理によって、ヘアの流れる方向を見てみます。[リコーム](Recomb)を頻繁にクリックすると、間もなく任意の希望する場所にヘアがスムーズに流れるようになります。この流れを作った後、他のスタイリングをすることもできます。このリコーム ツールを使用する場合は、[Comb Away]を使用する必要はありません。希望するヘアの流れの状態になったら、スケールによるスタイリングを開始し、ガイドをカットして、毛先の一部を動かしてヘアを「シェイピング」または「スタイリング」することができます。

左: 既定値の位置にあるヘア ガイド

右: [リコーム](Recomb)をクリックした後のヘア ガイド

ヘアをリセット

発生メッシュの接続を使用して、ヘアガイドの平均化を実行します。

この機能は、[リコーム](Recomb)を使用後に使うと特に便利です。

衝突を切り替え

オンにすると、スタイリングにヘアの衝突が考慮されます。オフにすると、スタイリングは衝突を無視します。既定値ではチェックマークは付いていません。

スタイリング中に衝突を使用するには、[ダイナミック](Dynamics)ロールアウトを使用して、少なくとも 1 つの衝突オブジェクトを事前に追加しておく必要があります。衝突を指定しない場合、このボタンは効果を持ちません。

ヒント: 衝突が有効になっており、インタラクティブなスタイリングの動作が遅い場合には、[衝突を切り替え](Toggle Collisions)をオフにしてみてください。
ヘアを切り替え

生成された(補間された)ヘアのビューポートでの表示/非表示を切り替えます。この設定は、ヘア ガイドの表示には影響しません。既定値ではオンになっています(ヘアは表示されます)。

ロック

選択した頂点の一番近くにあるサーフェスの方向とそこからの距離をロックします。ロックされた頂点は選択可能ですが、移動はできません。

これは、異なる種類のヘア シェイプを作成する場合に便利です。たとえば、三つ編みを作成する場合、ヘアを下向きに櫛でとかして複数のまっすぐなチューブを作り、チューブに対して頂点をロックします。次に、3ds Max でチューブをツイストさせると、ヘアもそれに従います。 ロックされた頂点は、サーフェスの動きには従いますが、ダイナミックではなくなります。しかし、同じガイド上の他の頂点がロックされていなければ、これらは通常どおり自由に動かすことができます。

ロック解除

すべてのロックされたガイド ヘアのロックを解除します。

元に戻す

直前のアクションを無効にします。

キーボード ショートカット: Ctrl+Z

[ヘア グループ](Hair Groups)領域

選択したヘア グループを分割

選択したガイドをグループに分割します。ヘアの分け目や逆毛などを作成するのに便利です。

選択したヘア グループを合成

選択したガイドを再び結合します。

[選択したヘア グループを分割](Split Selected Hair Groups)を使用しない場合、ヘアをレンダリングすると、スタイリングした分け目は生成されたヘアで補間されます。[選択したヘア グループを分割](Split Selected Hair Groups)をオンにすれば、分割されたグループと他のヘアの間は補間されません。この効果を取り除き、分け目をぼかすには、[選択したヘア グループを合成](Merge Selected Hair Groups)をクリックします。