このシェーダは、ポスト プロセスとして、高速で粗さのないモーション ブラーを適用します。
[HDR イメージ モーション ブラー](HDR Image Motion Blur)は、レンダリング段階で格納されたピクセル モーション ベクトルを使用し、これらをモーション ブラーの視覚的なシミュレーションに「スミア(塗り付ける)」することで、機能します。このため、ラスタライザの使用と同じように、ミラー イメージなどのフィーチャやフォアグラウンドの透明オブジェクトから透けて見えるオブジェクトにも、フォアグラウンド オブジェクトとともに「筋」が付けられます。さらに、モーション フレーム バッファが 1 つのセグメントのみを格納する場合、この「筋」は常に直線でカーブすることはありません。
この方法の大きな利点はレンダリング速度です。シーンやシェーダの複雑さは影響しません。ブラーは、メインのレンダリング パスの後に実行される mental ray の「出力シェーダ」として適用されます。出力シェーダの実行時間は、ブラーをかける必要があるピクセル数と、各ピクセルをどこまで「スミア」するかによって異なります。
シャッタが「開いている」時間量です。実質的には、イメージがレンダリングされた後、ピクセルが前後の両方向に筋としてスメアされることを意味します。各スメアの長さは、シャッタ時間にオブジェクトが移動した距離の半分です。
スメアのドロップオフ速度、つまり、透明になる速さです。この設定は、ブラーの「柔らかさ」を制御します。
フォールオフは、非常に明るいハイライトの「筋」を本物らしく作成するのに特に便利です。シャッタ長を長くし(映画の既定値の 0.5 以上)、フォールオフを大きくすることにより、非常に明るい部分をうまくスメアできる場合があります。
カメラ環境(つまりバックグラウンド)にカメラの動きによるブラーを適用するかどうかを決定します。オンにすると環境のピクセルにブラーが適用され、オフにすると適用されません。
ブラー計算を行うためのガンマ カラー スペースを定義します。mental ray 出力シェーダは、書き込まれたフレーム バッファに影響します。これらのバッファには(浮動小数点でない限り)既にガンマ補正が適用されているため、適切なガンマを使用してポスト効果を適用することが重要です。
ブラーを追加するオブジェクトが移動しなくてはならない最小のモーション ベクトル長(ピクセル単位)。0.0 に設定すると効果はなくなり、サブピクセルの移動であっても、移動するすべてのオブジェクトに、わずかな量のブラーが適用されます。これは技術的には正確ですが、イメージは過度にブラーがかかったように見えることがあります。
バックグラウンドまでの距離。アルゴリズムのシーンの奥行きレイアウトの計算に役立ちます。この値はシーンの奥行きとほぼ同じにする必要があります。カメラからこの距離よりも離れているオブジェクトは、アルゴリズムに「遠い」と判断されます。
オンにすると、カメラにより近いオブジェクトのブラーは、より遠いオブジェクトよりも不透明になります。これにより、カメラに非常に近いオブジェクトのブラーが不自然に不透明になることがあるため、このオプションは必要時、つまり、より遠くにあるオブジェクトのブラーが、より近いオブジェクトのブラーを上書きする場合にのみ使用してください。