サンプリング パターンを表示するには:
mental ray はイメージをレンダリングするのではなく、適用されたサンプリング値の範囲を示すダイアグラムを描きます。白い線はシーンのエッジを表し、mental ray レンダラーはサンプルの最大数を使用します。分数値のサンプル制限が使用されている場合(サンプリング ダウン)、明るいドットは高い値を表し、暗いドットは低い値を表します。
分析を補助するために、ビュー サンプルも各バケットの周囲に、あるいはレンダリングしたブロックから離して赤い線を描きます。
サンプルの最小数と最大数が等しい場合、ダイアグラムのすべてのバケットが白で表示されます。
[ラスタライザ / スキャンライン](Rasterizer / Scanline)モードでは、[最小](Minimum)と[最大](Maximum)の乗数ではなく、サンプリング値が使用されます。コントラストとノイズのコントロールは使用できません。
この領域に表示されるコントロールは、アクティブなモードが統一、クラシック、ラスタライザのいずれであるのかによって異なります。
[統一 / レイトレース (推奨)](Unified / Raytraced (Recommended))モード
品質によって、本質的には、レンダラがサンプリングを停止する「ノイズ レベル」が設定されます。高品質とは、ノイズが少ないということです。[間隔コントラスト](Spatial Contrast)しきい値は、許容できる最小のノイズ レベルを設定します。
品質 = 0.25(既定)
品質 = 0.1
品質 = 20.0
[クラシック / レイトレース](Classic / Raytraced)モード
レンダリング出力のアンチエイリアシングに使用する、最小および最大サンプル レートを設定します。
最小リストと最大リストの値は、最小値が最大値を超えないように「ロック」されます。
プレビュー用に低サンプリングを使用するには、[最小](Minimum)と[最大](Maximum)を既定の設定の 1/4 と 4 のままにするか、1/16 と 1/4 に下げます。最終レンダリング用に高サンプリングを使用するには、[最小](Minimum)と[最大](Maximum)を 4 と 16 に上げるか、それぞれをこれよりも高い値に上げます。
[ラスタライザ / スキャンライン](Rasterizer / Scanline)モード
[ラスタライザ / スキャンライン](Rasterizer / Scanline)モードでは、オブジェクトを微小なポリゴンに分割します。微小ポリゴンのそれぞれに 1 回ずつシェーディングが施され、シェーディングの結果からカラーを得ます。次に、微小分割されたポリゴンは時間を追って移動され、[表示](Visibility)サンプル数でサンプリングされます。これにより、計算に時間がかかる各サンプルのシェーディング処理を実行しなくても、モーション ブラーなどの効果を多数のサンプルを使用して解決できます(スムースなモーション ブラー)。これは、レンダラがピクセル毎のサンプル数を固定して([シェーダ](Shading)サンプル数)静止フレームをレンダリングし、[表示](Visibility)サンプル数でそのイメージを再使用して時間の経過に伴ってカラーを付けるかのようです。
既定値は選択したタイプに依存します。
サンプルをコントロールするしきい値として使用されるコントラスト値を設定します。各静止イメージに間隔コントラストが適用されます。
これらのコントロールは、[ラスタライザ / スキャンライン](Rasterizer / Scanline)モードでは無効です。
フレームの隣接するサンプルがこのカラーよりも多く異なる場合、mental ray レンダラーはピクセルあたりの最大サンプル数で指定される深度まで、スーパーサンプル(すなわちピクセルあたり複数のサンプル)を反復しません。[間隔コントラスト](Spatial Contrast)値を増やすと、サンプリング量が少なくなるため、シーンのレンダリングは速くなりますがイメージの品質は落ちます。
サンプル パターンが変化すると、アニメーションに入り込むレンダリングのアーティファクトが軽減されます。
シーンをレンダリングするため、mental ray レンダラーはイメージを長方形のセクション、つまりバケットに再分割しますバケット サイズが小さいほど、レンダリング時のイメージ更新が多く発生します。イメージの更新には少量の CPU サイクルが消費されます。多くの場合、この値を調整してもレンダリング時間にはほとんど、またはまったく影響しませんが、非常に大きいイメージをレンダリングする場合、[バケット幅](Bucket Width)をピクセル単位の最大寸法の約 1/10 に設定すると、より高速に結果を得ることができます。たとえば、4000 x 3000 のイメージをレンダリングする場合は、[バケット幅](Bucket Width)を 400 に設定します。
浮動小数点の 32 ビット出力を使用してイメージをレンダリングすると、自己照明オブジェクトや光源の反射などの明るい領域のエッジがギザギザに見えることがあります。これは、浮動小数点レンダリングでは、ピクセルの輝度が 1 よりも高い(いわば「白よりも白い」)場合があるからです。
左: 16 ビット レンダリングでは、明るいハイライトはミュートされます。
右: 32 ビット レンダリングでは、明るいハイライト(ランプのチェーンと鏡)は強く、ギザギザに見えます。
たとえば、あるピクセルを 4 回サンプリングした場合に、あるオブジェクトによってこのピクセルが 4 回のうち 1 回だけ隠されていたとします。16 ビット レンダリングでは、このピクセルのグレースケール値は 25 パーセントになります。32 ビット レンダリングでは、このオブジェクトが明るくなければ同じ結果になります。オブジェクトが明るい場合は、このピクセルは周囲よりも 20 倍明るくなり、周囲にブレンドされないため、レンダリングのハイライトはギザギザに「エイリアシングが発生」しているように見えます。3ds Max の[レンダリング フレーム ウィンドウ](Rendered Frame Window)ではこの効果は明白ですが、たとえば HDRI イメージを扱う合成プログラムでこのイメージを使用する場合や、Photoshop などの画像処理プログラムでこのイメージを開いてレベルを調整する場合にのみ顕著な影響があり、イメージの外観は補正されます。