[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ユーティリティ

[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ユーティリティは、重複したビットマップ マップを持つマテリアルをシーン全体で検索し、それらをインスタンス化するオプションを提供します。同じテクスチャ マップを使用するマテリアルがシーン内に複数ある場合は、インスタンスを作成すると、ビデオ カードの負荷が軽減され、ビューポートのパフォーマンスが向上します。

たとえば、MyMap.bmp というテクスチャ マップを参照するマテリアルが 3 つ含まれているシーンをレンダリングする場合は、使用されているマテリアルごとに 1 回、合計 3 回、3ds Max によってこのテクスチャ マップが検索されます。 [重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ユーティリティを使用すると、重複したマップのインスタンスを作成できます。これにより、レンダラーは最初の MyMap.bmp の参照を見つけたら、同じマップを使用する以降のマテリアルに対してはこの参照を使用します。

このユーティリティはシーン全体を検索します。オブジェクトやマテリアルを選択する必要はありません。

注: 重複したビットマップ マップをインスタンス化するには、それらの初期設定がすべて同一であることが必要です。たとえば、2 つのマテリアルで同じビットマップ イメージが拡散反射光マップとして使用されている場合、それぞれのマップで[タイリング](Tiling)の初期設定が異なっていると、マップをインスタンス化することはできません。

重複の判断基準としてアニメーションはサポートされていないので、ビットマップ マップのパラメータのアニメーションに相違点があっても、このユーティリティを使用すると失われます。たとえば、2 つのマテリアルで同じビットマップ イメージが拡散反射光マップとして使用されている場合に、それぞれのマップで[タイリング](Tiling)の初期設定が同じであっても、[タイリング](Tiling)のアニメーションで後続の値が異なっているとします。この場合、このユーティリティを使用すると、2 番目のマップのアニメーションは最初のマップと同じになります。

手順

重複したマップをインスタンス化するには:

  1. シーンを開きます。
  2. [マテリアル エディタ](Material Editor)の[ユーティリティ](Utilities)メニューを開き、[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Map)を選択します。

    [重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ダイアログ ボックスが開き、次のような内容が表示されます。

    このダイアログ ボックスには、シーン内でまったく同じ重複を持っているテクスチャ マップが一覧表示されます。同一のパスと設定を持っているすべてのコピーが検索されます。

  3. [すべてをインスタンス化](Instance All)ボタンをクリックします。

    同一のマップがすべてインスタンス化され、ダイアログ ボックスが閉じます。

特定のマップだけをインスタンス化するには:

    特定のマテリアルで見つかったテクスチャ マップだけをインスタンス化することもできます。

    注: 少なくとも 2 つのマップを[重複](Duplicates)リストから選択する必要があります。
  1. シーンを開きます。
  2. [マテリアル エディタ](Material Editor)の[ユーティリティ](Utilities)メニューを開き、[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Map)を選択します。

    [重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [重複したテクスチャ](Duplicated Textures)リストの矢印ボタンをクリックして重複したテクスチャのリストを開き、インスタンス化するテクスチャを選択します。
  4. 少なくとも 2 つのマップを[重複](Duplicate)リストから選択します。

    少なくとも 2 つのマップを選択しないと、ダイアログ ボックス上部のステータス フィールドに警告が表示されます。

  5. [インスタンス](Instance)をクリックします。

    3 つのマップすべてをインスタンス化したので、重複したテクスチャが 42 個あるとダイアログ ボックスに表示されます。

  6. 引き続きテクスチャのインスタンス化を行うか、[閉じる](Close)をクリックして終了します。

インタフェース

[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ユーティリティの主要なユーザ インタフェースは、[重複マップをインスタンス化](Instance Duplicate Maps)ダイアログ ボックスです。このダイアログ ボックスは[マテリアル エディタ](Material Editor)の[ユーティリティ](Utilities)メニューから開くことができます。このユーティリティはグローバルに動作するので、使用するときにオブジェクトやマテリアルを選択する必要はありません。

このダイアログ ボックスは 3 つの部分で構成されています。上部のステータス フィールド、重複したテクスチャ マップが入ったドロップダウン メニュー、およびマップ名とそれが属しているマテリアルのリストです。

[ステータス フィールド](status field)
ステータス フィールドは操作できません。重複したテクスチャやマップに関するプロンプトと警告が表示されます。ここに表示されるメッセージには次のようなものがあります。
  • 「シーン内で重複したテクスチャが見つかりませんでした。」- 重複を含んでいないシーンでこのユーティリティを実行すると表示されます。
  • 「整理するには重複を選択して [インスタンス](Instance) を押してください。」- 重複を含んでいないシーンでこのユーティリティを実行すると表示されます。
  • 「選択された重複には、アニメートされるパラメータが含まれています。アニメーションは、重複を判断する際の基準としてサポートされていません。このため、アニメーションにおける相違点は失われます。」- 一連の重複にアニメーションが存在している場合に表示されます。
  • 「続行するには、2 つ以上のマップを選択する必要があります。」- 重複を 1 つだけ選択した状態か、まったく選択していない状態で[インスタンス](Instance)ボタンをクリックすると表示されます。
[重複したテクスチャ](Duplicated Textures)リスト
このドロップダウン リストには、シーン内にある、すべての基準で同一なマップが一覧表示されます。その基準には、テクスチャ マップのパスと名前、パラメータの初期設定などが含まれます。[重複したテクスチャ](Duplicated Textures)に続く数値は、シーン内で見つかったセット数を示します。表示されたとき、このリストには最初のエントリが表示されます。このリストをアクティブにしてから、上矢印キーと下矢印キーを使ってスクロールできます。
[重複](Duplicates)リスト

[重複したテクスチャ](Duplicated Textures)リストでテクスチャを選択すると、3ds Max がその重複したマップの名前と親マテリアルの名前を[重複](Duplicates)リストに表示します。 [重複](Duplicates)に続く数値は、シーン内で見つかったコピーの数を示します。このリストではテクスチャを個別に選択できます。[インスタンス](Instance)ボタンをクリックすると、このリストで選択されている重複だけが、最終的なインスタンスに統合されます。最終的なインスタンスには、リストで最初に選択されている重複の名前が付けられます。

すべてをインスタンス化
[重複したテクスチャ](Duplicated Textures)リストや[重複](Duplicates)リストでの選択内容にかかわらず、シーン内のすべての重複に対して統合を実行します。
インスタンス
[重複](Duplicates)リストで選択されている重複に対してのみ統合を実行します。選択されている重複は、統合の実行後はこのリストに表示されなくなります。すべての重複が選択されていた場合は、対応するテクスチャも最初のリストから消えます。
閉じる
その時点で操作を終了します。