Bifröst 液体および泡のシミュレーションの初期状態を設定する

一部のシミュレーションでは、外観をよくする前に再計算が必要になる場合があります。たとえば、水が岩を伝って淵に落ちていく場合、岩の底まで水が届き、泡立って渦巻くパターンを作成するのに多くのフレームが必要になります。このような場合には初期状態を設定します。つまり、好きなだけフレームを使用してシミュレーションを実行した後、現在のフレームをそれ以降のシミュレーションの新しい開始ポイントとして設定するということです。このようにすれば、シミュレーションの設定を調整するたびに再実行する必要がなくなります。

初期状態を設定したら、シミュレーションの任意のアスペクトを変更してから、その新しい設定を使って開始点から継続できます。マスター ボクセル サイズ(Master Voxel Size)を変更すると、新しい解像度ですべての値がリサンプルされます。特に、低解像度でシミュレーションを再生して、必要なフロー全体のシェイプまですばやく移動し、初期状態を設定してから、最後にマスター ボクセル サイズ(Master Voxel Size)を小さくして、ここから解像度を高くしていくことができます。

初期状態を設定する

初期状態を設定するか、または既に設定されている場合に初期状態をそれより後のフレームに変更するには:

  1. 必要に応じて泡あり、または泡なしで Bifröst 液体シミュレーションをセットアップします。
  2. 開始点として使用するフレームに達するまで、シミュレーションを再生します。
  3. bifrostLiquid ノードを選択します。
  4. Bifrost > 初期状態の設定(Bifrost > Set Initial State)を選択します。

    流体(および泡がある場合はそれも含む)の現在の状態は、既定では現在のプロジェクトのキャッシュ ディレクトリのサブフォルダに .bif ファイルとして保存されます(ファイル名はシーン名とオブジェクト名に基づく)。さらに、初期状態のキャッシュ(Initial State Cache)アトリビュートは、bifrostLiquidProperties および bifrostFoamProperties ノードのキャッシング(Caching)グループ内の適切な値に自動設定されます。

  5. シミュレーションにエミッタ、コライダ、フィールド、ガイドなどアニメートされたオブジェクトが含まれていない場合は、これで終了になります。
    ただし、アニメートされたオブジェクトが含まれている場合は、アニメーションとシミュレーションが互いに一致しなくなります。最初のフレームでは、シミュレーションは初期状態として設定されたフレームに対応して変更されますが、オブジェクトのアニメーションは変更されません。これらを再同期する最適な方法は次のとおりです。
    1. bifrostLiquidContainer アトリビュートで、開始フレーム(Start Frame)を初期状態として使用するフレームに設定します。
    2. また、シーンのアニメーションまたは再生範囲の開始を、同じフレームに設定します。詳細については、「レンジ スライダ」を参照してください。
注: 液体専用シミュレーションの初期状態を設定した後に泡を追加すると、泡が完全に形成されるまでに数フレームかかることがあります。その後、新しい初期状態を設定すると、泡と液体の両方で新しいフレームが初期状態として使用されます。これにより、泡の位置および速度が常に液体と一致するようになります。

初期状態をクリアする

初期状態の使用を停止するには:

  1. bifrostLiquid ノードを選択します。
  2. Bifrost > 初期状態のクリア(Bifrost > Clear Initial State)を選択します。
  3. クリックして確定します。現在、液体と泡の両方に初期状態が設定されている場合は、それぞれに独立した確認ダイアログ ボックスが表示されます。たとえば、いいえ(No)をクリックして液体の初期状態を保持してから、はい(Yes)をクリックして泡の初期状態を削除することができます。
  4. 必要に応じて、bifrostLiquidContainer開始フレーム(Start Frame)とともに、シーンのアニメーションまたは再生範囲の開始も元の値に戻します。

次回再生するとき、シミュレーションは初めから再計算されます。