スペクトル補正係数による複屈折精度の改善
実際の成形品で測定した光学複屈折値がある場合、より高精度なシミュレーション結果を取得するために、使用材料のスペクトル補正係数を調整することができます。
成形品の複屈折(リタデーションまたは位相シフト)を測定し、成形条件をよく定義し把握している、2、3 個の一般的な成形品を選択します。
これらの成形品の 2、3 の特徴的な点で複屈折を測定します。
これらの成形品に対して、スペクトル補正係数 1.0 を使用して、3D 反り解析を実行します。
注:
3D 反り解析の設定時に[充填+保圧設定]ページで、
[材料データに光学特性がある場合は複屈折解析]
オプションを選択します。これにより、複屈折結果が確実に生成されます。
シミュレーションの複屈折結果と成形実験結果を比較します。
実験結果と比較して、シミュレーション複屈折結果が過大予測されている場合は、スペクトル補正係数を 1 未満の値(0.4~0.8 など)に下げる。
シミュレーション複屈折結果が過小予測されている場合は、スペクトル補正係数を 1 より大きい値(1.2~1.6 など)に上げる。
シミュレーション複屈折結果が実験複屈折結果に近い場合は、スペクトル補正係数を 1 に近い値(0.8、0.9、1.1、1.2 など)に設定する。
スペクトル補正係数を調整した後、3D 反り解析を再実行します。
各スペクトル補正係数値に対して、残差平均平方(RMS)を計算します。
ここで、
は複屈折測定値の合計数、
および
は、それぞれ
点における、リタデーション測定値と予測値です。
RMS に対するスペクトル補正係数のグラフをプロットします。
グラフの最小点が、特定の材料グレードのスペクトル補正係数の最適値です。
この材料データをパーソナル データベースに追加し、スペクトル補正係数の最適値を入力します。
今後の複屈折解析では、この新しい材料データを使用してください。
親トピック:
複屈折結果のスペクトル補正係数