結晶化解析

結晶性熱可塑性材料を使用した射出成形アプリケーションでは、材料の流動誘起結晶化と形態学的変化を考慮することで、キャビティ圧力の低下、成形品の機械的特性、および後続する収縮や反りの予測精度を向上できます。

結晶化解析では、過剰自由エネルギーおよび流動誘起配向を結晶化動力学に関連付けて、流動が材料結晶化に与える影響を考慮します。 1 逆に材料の結晶化も流動解析に影響を与えます。これらには、粘度、pvT、および固化のモデリング変更、エネルギー方程式に潜熱を含むこと、収縮への配向の影響などが含まれます。

次の表は、ガスアシスト成形の解析タイプ別に使用可能な解析テクノロジを示しています。

説明
結晶化解析でサポートされる成形プロセス
成形プロセス 解析順序 メッシュ タイプ
熱可塑性樹脂射出成形 充填+保圧 Midplane
熱可塑性樹脂射出圧縮成形 充填+保圧 Midplane

結晶化解析では、通常の流動解析結果に加えて、次の結果が生成されます。

1 流動誘起結晶化モデル(Flow-Induced Crystallization model)は米国特許出願(R. Zheng, P.K. Kennedy and R.I. Tanner)により保護されており、Autodesk 社はこのモデルの独占的ライセンスを有します。
2 この結果は、繊維充填材料を選択して、繊維配向解析を実行した場合には利用できません。関連する繊維配向解析結果が優先されます。

予測機械的特性 (配向を含む) への影響は、その後の収縮 (その結果の反り) 予測に影響を与えます。