ガスアシスト射出成形での 3D 冷却(FEM)解析

このプロセスは、金型キャビティへの溶融樹脂の部分的または全体的な射出から始まります。次に、圧縮された不活性ガス(通常は窒素)が、高温の樹脂のコアに射出されます。これにより、金型が満たされるまで樹脂が充填されます。

充填過程の後、成形品突出の前に、ガス駆動の保圧と冷却の過程が始まります。

このプロセスでは、射出成形機の力、材料、サイクル時間が少なくて済みます。また、成形品内の残留応力も少なくなるので、ヒケの発生も少なくなる可能性があります。最後に、成形品の全体的な品質と寸法安定性が大々的に改善されたことにより、成形品の反りも低減します。

ただし、金型とガスの気泡の温度が相互に依存し、作用し合うため、このガスアシスト射出成形プロセスは不安定になる可能性があります。このため、すべてのケースでシミュレーションが正確になるようにするためには、金型におけるガス流動解析と冷却解析の温度カップリングを強くする必要があります。

ガスアシスト射出成形での冷却(FEM)は、次のメッシュ タイプでサポートされています。 また、次の解析順序でサポートされています。

[冷却(FEM)]から始まる順序

[冷却(FEM)]から始まる 4 つの順序は、[冷却(FEM)ソルバー パラメータ]ダイアログ ボックス内の[各繰り返しで流動解析]オプションと連携して機能します。

[各繰り返しで流動解析]は、理論的には、ガス冷却の場合に最も正確な解析を提供しますが、時間がかかります(特にプロセスが不安定な場合)。

[熱伝導ソルバー]を使用する

ガスアシスト射出成形に[熱伝導ソルバー]を使用するオプションでは、解析がかなり高速になります。ただし、この解析は[各繰り返しで流動解析]オプションほどには正確でない場合があります。

熱伝導ソルバーは、サイクルの開始時点で成形品が溶融温度の溶融樹脂で満たされていると想定します。そのため、このアプローチでは次のいずれかの順序を設定します。

この順序は、一定の金型温度での予備的なガスアシスト[充填+保圧]解析から始まります。この解析では、成形品内のガス コアのおおよその形状と位置が捕捉されます。[冷却]解析の熱伝導ソルバーでは、金型表面温度を計算するためにこのガス コアが使用されます。これらの金型表面温度は、後続の流動解析で使用され、新しいガス コアが計算されます。そのガス コアを使用する最終的な流動解析が、最終的な解析を提供します。

1 番目と 2 番目のガスアシスト流動解析の結果が、ガス コアに関しては類似していることを確認してください。2 つの解析結果が、非常に異なる形状のコアとなる場合は、結果が不正確である可能性があります。その場合は、[各繰り返しで流動解析]の方法を使用することをお勧めします。