金型の特定領域が他の部分よりも高温または低温である場合、[理想的なキャビティ側金型温度]および[理想的なコア側金型温度]を使用して、この成形シナリオをシミュレーションすることができます。充填+保圧解析では、このプロパティを使用して、不均一な温度分布の金型をシミュレーションできます。
成形品だけではなく、成形品を成形する金型の正確なモデルの作成は、流動シュミュレーションの成功のために重要です。プラスチック成形金型は、金型プレートから切削されたキャビティだけでなく、円筒形状または 凹 形状を形作るコア(可動側プレート)からも構成されます。本質的に、金型でコアを使用すると冷却システムに関する問題が発生します。コア領域では冷却管、バブラー、バッフルなどの冷却装置を貫通することがより困難です。コアは金型ベース内の深い位置にあるため、冷却システムへのアクセスが悪いだけではなく、成形品の除熱がより難しくなります。
金型の片側と反対側との温度差に起因する不均一な冷却は、非対称な熱分布により残留応力を発生させます。このような不均一な冷却は、成形品全体に非対称な張力 - 圧縮応力分布を引き起こし、その結果、曲げモーメントが成形品に反りを発生させる傾向があります。
ユーザーがキャビティ側およびコア側の金型温度を設定して流動シミュレーションを行うことで、反りを予測できます。シミュレーション結果を使用して、成形プロセスを調整して温度差を最小化し、反りの主要な発生原因を最小化します。
一般的に、異なるキャビティ側およびコア側の金型温度で機能するように設計されている金型はごく僅かです。この機能を使用して、反りを最小化するために最適なキャビティ側およびコア側の金型温度を決定できます。キャビティ側およびコア側の金型温度が等しいすべての要素に対しては、異なる温度を指定する必要はありません。