メッシュ マッチング

[メッシュ マッチング]オプションへのアクセス: [メッシュ] [メッシュ] [3D メッシュ設定] [オプション]。次に、[メッシュ マッチング]アイコンをクリックします。[メッシュ マッチング]アイコンは、[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスの[メッシュ タイプ]領域で、どのラジオ ボタンをクリックしても表示されます。このアイコンは、単一部品のモデルとアセンブリの両方に表示されます。理由は、メッシュ マッチングがアセンブリの隣接する部品が出会う場所だけでなく、自己交差している単一部品で実行することもできるからです。

[メッシュ マッチング]タブに表示されるオプションは、次の 3 つの項目に応じて変わります。

注: VCAD とは仮想 CAD のことで、メモリ内の CAD モデルの表現です。[メッシュ] [メッシュ] [VCAD を使用]チェック ボックスをオンにすると、仮想 CAD メッシュ エンジンが使用されます。オフにすると、旧バージョンの 21 メッシュ作成ルーチンが使用されます。従来のメッシュ エンジンよりも仮想 CAD メッシュ エンジンの方が多くの利点があるため、従来のメッシュ エンジンは、特定のモデルで仮想 CAD メッシュ エンジンを使用して問題が生じた場合にのみ使用してください。

このページで説明する各コントロールには、VCAD メッシャで動作するか、従来のメッシャで動作するか、それとも両方で動作するかが示されています。

メッシュ マッチングの設定

[部品間に一致するメッシュを作成]: (VCAD メッシュ エンジンを使用する場合にアセンブリにのみ使用可能)。 このオプションは既定でオンになっています。一致するメッシュは、隣接した部品を結合する最も簡単で最も直接的な方法です。メッシュのマッチングは、ネイティブの SimMech プロセッサを使用して行う線形解析の表面接触でも必要です。しかし、不一致(非等角)メッシュを生成するほうが有利な場合もあります。次に例を示します。

注:
  • この場所に加えて、[部品間に一致するメッシュを作成]オプションは、[メッシュ] [メッシュ] [3D メッシュ設定]をクリックしたときに表示されるダイアログにも表示されます。どちらかの場所からオプションをオンまたはオフにすることができます。オプションは互いにリンクされ、同期状態が維持されます。
  • [部品間に一致するメッシュを作成]オプションを非アクティブにすると、バーチャル インプリンティングも無効になります。 ただし、[部品間に一致するメッシュを作成]オプションを再度アクティブにせずにバーチャル インプリンティングの再アクティベーションを行うことができます。
  • ネイティブの SimMech プロセッサを使用して行う線形解析の場合、[一般接触設定]ダイアログに表示される[スマート接着]オプションの 1 つをオンにすることにより、不一致のメッシュを有する部品を結合することができます。Autodesk Nastran ソルバーを使用する場合は、結合接触のためにスマート接着も一致したメッシュも必要ありません。さらに、Nastran ソルバーでは、線形表面接触のために一致したメッシュは必要ありません。最後に、Nastran ソルバーは、ギャップで隔てられている部品を結合することもできます([オフセット溶接]タイプの接触を使用)。

[表面接触ペアのメッシュを一致させない]: (VCAD メッシュ エンジンを使用する場合に、アセンブリの非線形解析にのみ使用可能)。2 つの接している表面が明示的な表面接触ペアとして定義されている場合、それらの表面間にメッシュが強制的に一致されないようにするには、このオプションを使用します。(接触面に沿ってメッシュが一致していない場合、非線形接触解析の安定性が改善され、解析がより速く実行されます)。このルールの例外は、点から点接触(次の注の最後の箇条書きを参照)です。

注:
  • メッシュを一致させないことを選択した場合でも、次のような条件が存在する場合は隣接表面上のメッシュが同じサイズとなる(それにより一致する)可能性があります。
    • 2 つの接触表面のエッジが一致していて、
    • 2 つの接触パーツの指定されたメッシュ サイズが同じであり、
    • 表面領域が同一である場合。

    このため、バーチャル インプリンティングを無効にすると、一致しないメッシュを作成しようとするときに有効な場合があります。しかし、バーチャル インプリンティングはグローバル設定であるため、それを無効にすると(メッシュを一致させたい位置で)結合接触のペアに望ましくない影響があることがあります。このような場合、結合パーツ間または表面間に、結合表面接触を使用することができます。

  • [表面接触ペアのメッシュを一致させない]オプションが機能するには、モデルのメッシュ作成を行うに、適用可能な接触ペアを定義します。適用可能な接触タイプをモデルのメッシュ作成を行った後に定義すると、接触面に沿って強制的にメッシュのマッチングが行われないように、モデルが再メッシュされます。
  • メッシュの位置が必ず一致する場合もあります。一致する表面の一致するエッジを持つ、接触している同じサイズの 2 つの立方体があるとします。4 つのコーナーが同じ位置にあるため、これらの節点は一致します。その他のメッシュは一致を強制されません。4 つのコーナーは一致しますが、モデルが解析されるときに、各コーナーに独立したノードが作成されます(各部品に 1 つ)。
  • [点から点]接触タイプを使用している場合は、[表面接触ペアのメッシュを一致させない]オプションを無効にしてください。[点から点]接触はメッシュが一致していることが必要になります(1 つの部品上の節点と隣接する部品の要素面の接触に基づくような他の接触タイプとは異なります)。

[メッシュ マッチング許容誤差]セクション:

CAD モデルは完璧ではありません。完璧な接触で部品を作成しても、表面の内部を表示すると、隣接する表面が実は一致していない場合もあります。また、組み立てる部品の相互作用により寸法が変わる可能性があっても、機械加工によるストレスのない条件で部品が作成される場合もあります。たとえば、作成した圧入アセンブリの部品に干渉があるとします。メッシュ マッチング許容誤差は、このような不一致を補正する目的で使用します。メッシュ マッチング許容誤差の範囲内にある任意の 2 つの節点は一致すると見なされます。

[表面許容誤差のベース]: (両方のメッシュ エンジンで使用可能、アセンブルに対してのみ)

  • [表面のメッシュ サイズの割合]: このオプションを選択した場合、[許容誤差]フィールドの値と(周辺領域にある)要素の長さの平均値の積で定義された半径の範囲内にある節点が検索されます。この半径の範囲内にある節点は一致していると見なされます。したがって、メッシュ サイズが変わると、モデルの領域ごとにマッチング許容誤差も変わります。
  • [絶対長さ寸法]: このオプションを選択した場合、一致する表面のメッシュ マッチングを図る、各節点の[許容誤差]フィールドで指定した半径の範囲内にある節点が検索されます。
  • [自動メッシュ作成サイズの割合]: このオプションは、[許容誤差]フィールドの値で乗算したメッシュ サイズの距離の範囲内にある場合、節点は一致していると見なされる点で[表面のメッシュ サイズの割合]と似ています。相違点は、対象の領域にある要素のサイズがメッシュ サイズの基準にならない点です。代わりに、100% のメッシュ サイズで作成された場合のメッシュのサイズが基準になります。したがって、メッシュ サイズが異なっていたり、リファインメントを使用しても、許容誤差の寸法は影響を受けません。ただし、100% のメッシュ サイズは、メッシュ作成用に選択された部品の影響を受けます。

[許容誤差]: メッシュを一致させる一致表面上の節点の検索範囲(距離)を指定します。この値の意味は、それが長さの単位または乗数を持つ寸法であったとしても、[表面許容誤差のベース]ドロップダウン ボックスで選択したオプションによって決定します。

[バーチャル インプリンティング]セクション

[バーチャル インプリンティングを使用]オプションの 1 つをオンにすると、ある表面のフィーチャ ラインが、隣接する部品の表面または隣接する表面上のどこにあるかが検出されます。2 つの表面が互いに通過する場合(干渉など)、交差は作成されません。

[部品間]:

(このオプションは、VCAD メッシュ エンジンでのみ使用可能)。

オンに設定した場合、異なる CAD 部品の面がメモリ内で分割され、追加の表面番号が作成されずに、分割された面が互いに交差します(つまり、モデルに新しいサブ表面が生成されずに、表面間で仮想インプリンティングが行われます)。仮想モデルは、表面メッシュ作成の基礎として使用されます。一致する仮想表面は一度しかメッシュ作成されないため、メッシュの質が高くなります。オフに設定した場合、メッシュ マッチングは、部品の両方の表面をメッシュ作成して、一方の部品のメッシュが他方の部品のメッシュと一致するよう調整することで行われます。図 1 を参照してください。

ヒント: スマート接着を十分に活用するため、[部品間]オプションをオフにします。(上記の[可能なときには接触ペアのメッシュをマッチさせない(]の説明を参照してください。)この選択により、メッシュの不一致が促進されます。ただし、線形解析モデルの他の部品で表面接触を使用する場合は、[バーチャル インプリンティングを使用]をオンにすると有効です。

(a) 複数の部品のアセンブリで構成されるソリッド モデルの例

(b)[バーチャル インプリンティングを使用]をオフにした場合。矢印の位置に仮想表面は作成されません。

(c)[バーチャル インプリンティングを使用]をオンにした場合。ポールの表面が分割され、矢印で示した位置でガセットが接触し、モデルの仮想コピーで新しい表面が作成されます(実際のモデルでは新しい表面は作成されません)。

図 1: ソリッド モデルでのバーチャル インプリンティングの使用

注: バーチャル インプリンティングは隣接する部品が接触している場合に行われるため、部品が 1 つのモデルで作業している場合、[バーチャル インプリンティングを使用]は表示されず、無効になります。

[部品内]

このオプションは、単一の部品内の異なる表面が互いに接している場所に仮想交差を作成します。この操作は、部品間のインプリンティングに類似しています。この機能は、プレート/シェルの FEA モデルの基礎として使用する CAD 表面 モデルで役立ちます。このようなモデルでは、各モデルが複数の異なる表面から構成される単一の部品を頻繁に使用しますが、隣接する表面との交差が発生する表面に沿ったフィーチャ ラインが存在しません。

(a) 1 つの部品で構成されるプレート モデルの例

[部品内でのインプリンティングを実行]をオフにした場合。矢印の位置に仮想フィーチャ ラインは作成されません。ガセットのメッシュはポールのメッシュと一致しない可能性があります。

[部品内でのインプリンティングを実行]をオンにした場合。ポールの表面が分割され、矢印で示した位置でガセットが接触し、モデルの仮想コピーで新しいフィーチャ ラインが作成されますメッシュは一致します。(実際のモデルでは、新しいフィーチャ ラインは作成されません)。

図 2: プレート/シェル モデルでのバーチャル インプリンティングの使用

[インプリント許容誤差]:

バーチャル インプリンティングの許容誤差は、メッシュ マッチング許容誤差とは別に指定します。[バーチャル インプリンティング]セクションの許容誤差は、交差を作成する距離の範囲内となる、表面と隣接するフィーチャ間の最大距離を指定するために使用されます。有効な交差が欠落している場合は、許容値を大きくします。近接はしているが実際には接触していないオブジェクトの間に不要な交差が作成されている場合は、許容値を小さくします。

注:
  • モデルの表面分割は、インプリンティングに類似していますが、別の機能です。表面分割では、実際のモデルで追加の表面とフィーチャ ラインが作成されます。表面分割は、表面領域が共通している部品間でのみ機能します。一方、インプリンティングは、部品間および単一の部品内で機能します。インプリンティングは、領域、ライン、および点の交差も作成できます。表面分割の詳細については、「表面分割」ページを参照してください。
  • [許容誤差]は部品間のインプリントと部品内のインプリントの両方に適用されます。