モデルの応力分類線(SCL)を定義するには、次に示す[応力線形化]ユーティリティのセクションのフィールドとオプションを使用します。さらに、グラフ化された応力テンソルが基準とするローカル座標系を指定するには、これらの設定を使用します。
図 1: 応力線形化ユーティリティ – 定義点および垂直方向のコントロール
応力分類線(SCL)とは
- 応力分類線は、一般的に材料の自由サーフェスから自由サーフェスまで伸びた直線です。つまり、応力分類線は通常、ソリッドの指定断面の肉厚を横切るように描画されます。ただし、ソリッド以外の要素(プレート、シェル、2D)もサポートされており、任意の方向に SCL を定義することができます(モデル内の要素と交差している限り)。SCL の端点は、FEA の節点と一致する必要はありません。
- SCL に沿った応力テンソルの結果がグラフに表示されます。テンソルは、選択した SCL の端点、三番目の点(基準点)、および N 軸または H 軸オプションによって定義されるローカル座標系に基づきます。
点および軸定義コントロール
- 最初の点:
- このフィールドに、SCL の最初の点を入力します(後述の「点の指定方法」を参照)。
- 最後の点:
- このフィールドには、SCL の最後の点を入力します。(後述の「点の指定方法」を参照)。
- 垂直方向を定義:
- SCL に沿った応力値が、ローカル座標系に基づく 6 つの応力テンソルとしてレポートされます。したがって、これらのテンソルの計算基準となる 3 つの垂直方向を定義する必要があります。これらの軸は、T、N、H という名前になります。T 軸の正方向は、SCL の最初の点から最後の点への方向([T 軸を逆転]オプションを使用した場合は、最後の点から最初の点への方向)によって定義されます。指定した 3 番目の点(下記の「基準点を定義」を参照)によって、N 軸または H 軸のいずれかの方向が、オンにしたラジオ ボタンに基づいて定義されます。
- [N 軸]オプションを選択した場合、基準点を通る T 軸に垂直な線で N 軸が定義されます。次に、T 軸と N 軸の両方に垂直な軸として H 軸が定義されます。
- [H 軸]オプションを選択した場合、基準点を通る T 軸に垂直な線で H 軸が定義されます。次に、T 軸と H 軸の両方に垂直な軸として N 軸が定義されます。
- 選択したオプションに関係なく、N 軸は T 軸と H 軸のクロス積です(右手の法則に従う)。
- [T 軸を逆転]オプションを使用して、T 軸の正の方向を逆にできます(「ツールバーの定義」ページを参照)。
- [基準点を定義]:
- N または H 軸の方向を示すために使用する基準点を指定します(上記の「垂直方向を定義」および下記の「点の指定方法」を参照)。
次の図は、[N 軸を定義]オプションを選択し、T 軸方向を逆転させていない場合のローカル軸の設定を示します。
図 2: SCL およびローカル座標軸の方向([垂直方向を定義]で[N 軸]オプションを使用)
点の指定方法
最初の点、最後の点、基準点を、次の 3 つの方法で指定することができます。
- [節点]フィールドに、節点番号を入力します。
- モデル キャンバスで点を視覚的に選択し、使用可能な 3 つの[更新]ボタン([最初の点]、[最後の点]、[基準点]領域)のいずれかをクリックします。
- [X]、[Y]、[Z]フィールドに、モデル上の任意の点の座標を入力します。SCL はモデル内の要素と交差する必要がありますが、SCL の端点および基準点は FEA 節点の位置である必要はありません。
ヒント: 節点を視覚的に選択した場合、節点番号および X、Y、Z 座標は自動的に入力されます。節点番号を記録しておくことにより、同じモデル メッシュを使用する場合にその後の応力線形化計算で、SCL 定義を簡単に複製することができます。