一般的には、AutoLISP プログラムを最新リリースで実行するために必要な変更はわずかです。
ただし、AutoLISP プログラムが最新リリースで適切に機能しなくなる場合もあります。これは、AutoLISP 関数、または AutoCAD ベースの製品のコマンドまたはシステム変数が変更または廃止されたことが原因です。
カスタム プログラムで、廃止されたコマンドとシステム変数を確認してください。コマンド プロンプトに直接入力できず、ユーザ インタフェースからもアクセスできない廃止されたコマンドやシステム変数がカスタム プログラムでは、引き続き使用できる場合があります。
廃止されたコマンドやシステム変数がカスタム プログラムで使用できるかどうか試す場合に、次の方法が役に立つことがあります。
AutoCAD 2017 ベースの製品から、システム変数 CDATE および DATE に格納される値は、現在の日時をミリ秒単位または 100 分の 1 秒単位で表さなくなりました。現在は、秒がこれら 2 つのシステム変数の値で表される時間の最小単位です。1 秒未満の単位で時間間隔を計測する必要がある場合は、システム変数 MILLISECS が返す値の使用を検討してください。このシステム変数には、ワークステーションを起動してからの経過時間がミリ秒単位で格納されています。
次の日付/時刻関連システム変数も、ミリ秒の除去の影響を受けています。
AutoCAD 2016 ベースの製品から、AutoLISP ファイルにデジタル署名できるようになりました。AutoLISP ファイルにデジタル署名することにより、ファイルが信頼できないという警告が表示されることなく、AutoCAD 図面環境に AutoLISP ファイルをロードすることができます。デジタル署名された VLX ファイルを AutoCAD 2015 ベース以前の製品にロードすることはできません。
AutoCAD 2016 ベースの製品から、osnap 関数では、クイック(qui)オブジェクト スナップ モードはサポートされなくなりました。AutoLISP プログラムの osnap 関数を使用しているステートメントから qui モードを削除してください。削除しない場合、osnap 関数は、作図領域の有効な点の座標値ではなく、nil を返します。