AutoCAD アプリケーション プログラミング インタフェース(API)への変更は新しいリリースごとに実行されますが、既存のカスタム プログラムが最新リリースで動作するように、再コンパイルや変更を行う必要はありません。
新しいリリースごとに、独自のカスタム アプリケーションとサードパーティ アプリケーションのすべてを再テストする必要があります。コマンドまたはシステム変数を使用するプログラムはすべて、コマンド文字列(コマンド名、オプション、値など)がいまだに有効であるかどうかを確認する必要があります。また、廃止されたコマンドやシステム変数が使用されていないことも確認します。
次に、AutoCAD 2018 より前の AutoCAD ベース製品用に開発されたカスタム プログラムの使用に影響を及ぼす可能性があるいくつかの付加的な変更の概要を説明します。
- ユーザ インタフェースのカスタマイズ: 透過性に色の値 192,192,192 を使用する BMP ファイルに格納されているカスタム イメージは、透明色を使用する PNG ファイルに更新する必要があります。イメージを更新しないと、色の値 192,192,192 が割り当てられているピクセルは、透明になる代わりに、その色で表示されます。
- スクリプトとアクション マクロ: 変更は必要ありませんが、廃止されたコマンドやシステム変数が使用されていないことを確認します。
- AutoLISP: osnap 関数を使用しているプログラムは、更新が必要な場合があります。また、廃止されたコマンドやシステム変数が使用されていないことを確認します。
- ActiveX/VBA: 図面にパスワードを割り当てるプログラムは修正する必要があります。また、SendCommand メソッドを使用するプログラムはすべて、SendCommand メソッドを AutoCAD 2015 ベースの製品で導入された PostCommand メソッドを使用するように変更する必要があるかどうかを確認しなければなりません。AutoCAD 2014 以前の AutoCAD ベースの製品用に開発されたプログラムも、確認して、適切に 64 ビットに対応するように更新する必要があります。IAcadFileDependency オブジェクトと IAcadFileDependencies オブジェクトを参照する文は、コメント行にするか削除する必要があります。
- .NET: 図面にパスワードを割り当てたり、レンダリング プリセットを使用するプログラム、または FileDependencyInfo オブジェクトと FileDependencyManager オブジェクトを参照する文は、修正または削除する必要があります。AutoCAD 2016 以前の AutoCAD ベースの製品用に開発されたプログラムは、必要な .NET フレームワークを参照するために再コンパイルする必要があります。
- ObjectARX: 図面にパスワードを割り当てたり、レンダリング プリセットを使用するプログラム、または AcFileDependencyInfo オブジェクトと AcFileDependencyManager オブジェクトを参照する文は、修正するまたは削除する必要があります。AutoCAD 2017 以前の AutoCAD ベースの製品用に開発されたプログラムは、最新の SDK のファイルを参照する必要があるため、再コンパイルが必要です。
- Javascript: 変更は必要ありません。
注: AutoCAD 2014 ベースの製品から、システム変数 SECURELOAD を 1 または 2 に設定している場合は、カスタム アプリケーションはセキュア モードでのみ機能するようになりました。セキュア モードで動作している場合、製品はコードを含むファイルを信頼する場所からロードおよび実行するように制限されます。信頼する場所は、システム変数 TRUSTEDPATHS で指定します。詳細は、「概要 - ウイルスに対するセキュリティと保護」を参照してください。