工具径補正は、ツールパスのラインと円弧をオフセットして、工具の実際の直径と、指定の直径との間の偏差を補正します。例えば、指定の直径が 0.500 であっても、工具の実際の直径は(磨耗しているために) 0.496、といったケースを補正します。工具径補正を適用すると、制御装置はこの値を考慮して、工具直径が FeatureCAM で指定された値に近い限り単一の NC プログラムを使用するようにします。
工具径補正の方向は、ダウンカット の値に基づきます。ダウンカット が有効の場合、工具径補正方向は左側、無効の場合は右側となります。
工具径補正を使用するには、FeatureCAM オプション ダイアログ ([ポスト処理] > [フライス加工] ページ) の 工具径補正 を有効に設定します。ただし、このオプションを選択するだけですべてのフィーチャーに対する工具径補正が有効になるわけではありません。工具径補正が適用された NC データは、フィーチャー レベルの 工具径補正 オプションを選択したフィーチャーに対してのみ出力されます。FeatureCAM オプション ダイアログ ([ポスト処理] > [フライス加工] ページ) の 工具径補正 が選択解除されている場合、工具径補正はフィーチャー レベルの 工具径補正 設定にかかわらず、パーツ全体で無効となります。
パーツライン プログラム を選択した場合、 パーツライン プログラム(パーツライン プログラミング)として知られる特殊な工具径補正が適用されます。
荒加工パスで マルチ荒加工工具 と パーツライン プログラム の両方を選択した場合、最初の荒加工工具がパーツの円弧より大きくなる可能性が高く、多くの場合不適切な NC データが生成されてしまいます。適切な NC データを作成するため、いずれかの設定を無効にしなければなりません。
荒加工に工具径補正を適用しなかった場合、工具径補正は一切出力されません。
荒加工パスの工具径補正は、側面に最も近いパスにのみに適用されます。内側のパスは、その必要がないため補正されません。