ポンプの製造元ではどこでも、製品と一緒に一意のポンプ曲線を提供しています。このデータを使用してシミュレーションの精度を向上させることができます。
図 1 に示すように、一般の性能曲線は、ポンプを貫く圧力上昇と流量との関係を表しています。冷媒流ソルバーは、冷却回路全体で指定したすべての圧力損失要素について、流動抵抗曲線を計算します。この流動抵抗はポンプ曲線に接続しており、ポンプ曲線との交点がポンプの運転点になります。これにより、ポンプの運転効率が定まります。ポンプの入口および出口への回路および配管作業を詳細まで正確にモデリングする場合は、ソルバーから得られる入口ノードでの解析によって、ポンプへの入口における正確な吸引ヘッドが予測されます。この圧力を使用して、正味の正の吸引ヘッド(NPSH)が設置で許されるかどうかを確認することができます。これは、ポンプの設置を設計するうえで非常に重要なパラメータになります。
図 1. 遠心ポンプの一般的な性能曲線(図は Menon、E. Shashi. (2005)、Piping calculations Manual、McGraw-Hill, Inc. から引用)
冷却回路内のポンプの設置は、回路内の正確な流れ条件の影響をたいへん受けやすく、特に慎重に選択する必要があります。回路のポンプを選択する際は、最初に、ポンプの設置点における慣習的な圧力および流量の境界条件を使用して、冷媒流のシミュレーションを実行します。回路内のポンプ設置点における望ましい流量と圧力が分かったら、次に、該当する流量で、かつポンプの最適な効率で、該当する圧力を提供するポンプを選択します。その次に、そのポンプのポンプ曲線データをソルバーに入力し、再度シミュレーションを実行します。そこから、ポンプが関与するその他すべての「what if」シナリオを評価することができます。ポンプの選択は回路設計への依存度が高く、ポンプを選択するための一般的な解決方法はありません。
既定の一般のポンプ曲線の代わりに独自のポンプ曲線のデータを使用する場合は、一致するヘッド対流量点を少なくとも 4 つ入力します。また、要素をネットワークの残りの部分に連結するために、流体の参照密度も必要になります。