マイナー損失

マイナー損失は、継手、バルブ、ベンド、エルボ、ティー、流入口、流出口、拡流部、縮流部を流れる流体を原因とする圧力損失です。

長い配管のある大規模なネットワークでは、流路コンポーネントを原因とする圧力損失は、摩擦損失と比べるとわずかな量です。ベンドが多数あるような金型内の冷却回路や、部分的なスロットル バルブのあるエルボなどのネットワークでは、こうしたマイナー損失が系内で最大の圧力損失を生じる原因となる場合があります。マイナー損失は、通常はコンポーネントの製造元によって実験的に決定され、コンポーネントのデータ シートで損失係数 K で表されます。より正確な結果を得るためには、一般のデータではなく、製造元の実際の実験データを使用してシミュレーションを行うことが重要です。

経験的関係は流れの分岐に使用され、広く公開されています。コンポーネントや流れの分岐を目的とした損失係数の広範な研究については、Idelchick6 および Miller7 を参照してください。

数学的には、マイナー損失は抵抗係数(K 係数)を通じて説明されます。コンポーネントの K 係数が容易に得られれば、コンポーネントの圧力損失を次のように表すことができます。

ダルシー ワイスバッハの式を見ると次のようになっています。

ここで、項 は損失係数 と相互に交換できることが分かります。この相関関係は、マイナー損失を既存の配管またはダクトの同等の長さとして表現できることを示しています。したがって、ダルシー ワイスバッハの式の離散化形式を、マイナー損失を含むように記述することができます。

この方程式は、配管の摩擦とマイナー損失を考慮した圧力損失方程式の離散化形式を表しています。

注: 上記の方程式に示すように、損失係数 K は、コンポーネントの形状と、コンポーネントを流れる流体のレイノルズ数に依存します。ただし、実際の流れのほとんどはレイノルズ数が大きいため、通常は K 係数はレイノルズ数に依存しないと仮定されます。