クラウドで CFD シミュレーションを実行する

クラウドで実行する Autodesk ® CFD のライセンスを設定する

クラウドで CFD のジョブを実行するには、Autodesk ® アカウントが必要です。http://accounts.autodesk.com/ でログインを確認することができます。さらに、クラウドでジョブを実行する資格があるアカウントでログインする必要があります。

Autodesk® アカウントにサイン インするには

  1. クラウドで実行する CFD シミュレーションの起動時にサイン インしていない場合は、Autodesk® アカウントへのサイン インを求めるプロンプトが表示されます。
      注: Autodesk ID を持っていない場合は、[Autodesk - サイン イン]ダイアログで[Autodesk ID が必要ですか?]をクリックしてください。
  2. [Autodesk - サイン イン]ダイアログ ボックスで、Autodesk ID、またはアカウントの登録時に使用した電子メール アドレスのいずれかを入力し、サイン インします。
  3. パスワードを入力します。
  4. [サイン イン]をクリックします。

正常にサイン インされると、[サイン イン]ボタンの "サイン イン" の文字がログイン名(または電子メール アドレス)に置き換えられます。

クラウドで Autodesk ® CFD シミュレーションを実行する

ローカルでの実行と、クラウドでの実行での根本的な違いは、シミュレーションを実行する場所です。デスクトップで実行する場合、すべてのシミュレーションはローカル コンピュータまたはローカル ネットワーク上のリモート コンピュータ上で実行され、従来のソフトウェア ライセンス システムのメータリングを使用します。クラウドで実行する場合、シミュレーションはクラウド上で実行され、Autodesk ® クラウド クレジットによって、ライセンス使用のメータリングを行います。クラウド上で実行するには、クラウドで実行する権限を持つアカウントで、十分なクラウド クレジットがある必要があります。

シミュレーションに対するクラウド クレジットのコストは、モデルの複雑さに基づいています。たとえば、定常か非定常か、または熱への輻射の追加によって、解析に必要なクラウド クレジットは異なります。コストはポップアップ メニューから通知されます。

シミュレーションをローカルとクラウドのどちらで実行するかを指定するには、[実行]ダイアログ ボックスの[ソルバー コンピュータ]メニューを使用します。

クラウドを使用する利点

ローカルで解析を行うジョブの方が、クラウドで同じジョブを行うよりも高速であるように思えます。アップロードとダウンロードの作業は、ローカル解析では存在しないため、無駄な時間に思えます。

ローカル マシンでは、1 つのライセンスで同時に行えるシミュレーションの解析は 1 つだけです。大規模な解析は、マシン パフォーマンス低下の原因となる可能性があります。

クラウド上での実行により、ローカル リソースの過度な使用が抑えられ、シミュレーションを並列で実行することができます。

スケーラブル ソルバーは、4 倍のコストで 16 倍のコンピューティング リソースを提供するクラウドで使用できます。

CFD クラウド ジョブを監視する

Simulation Job Manager は、クラウドで実行中の CFD ジョブのステータス情報をリアルタイムで提供します。Simulation Job Manager を開くには 2 つの方法があります。

  • Windows® の[スタート]メニューから、[すべてのプログラム] > [Autodesk] > [Autodesk Simulation Job Manager] > [Simulation Job Manager]をクリックします。
  • または、Windows® の通知領域にある[Simulation Job Manager]アイコンをクリックします。

Simulation Job Manager の詳細については、Simulation Job Manager のトピックを参照してください。

注: Simulation Job Manager は、シミュレーション ステータスの監視用ツールとしてデスクトップ バージョンで使用されるジョブ モニターに置き換わるものです。

実行時の制限事項

Autodesk® CFD のクラウド解析は、従来のソルバーで実行する場合は 3 日間、クラウド Premium で実行する場合は 12 時間の実行制限があります。最大反復回数に達する前に実行制限を過ぎた場合、結果が自動的にダウンロードされます。この時点で、最後の反復から再開することで解析を再送信することができます。最後に保存された反復が、再開する前に、[実行]ダイアログの[次から継続]行に表示されます。

注: 最後の反復から解析を再開する場合は、クラウドで新しいジョブを送信する場合と同じです。

クラウド Premium: クラウド上のスケーラブル ソルバー

クラウドでスケーラブル ソルバー シミュレーションを実行するには、[解析][ソルバー マネージャ][ソルバー コンピュータ]のいずれかのダイアログ ボックスで、ソルバー コンピュータとして[クラウド Premium]を選択します。

クラウド Premium オプションはサブスクリプションメンバーのお客様にのみご利用いただけます。

永久ライセンスをお持ちの場合、クラウド Premium オプションは表示されますが、それを選択すると、実際にその機能にアクセスするにはサブスクリプションメンバーになる必要があることを示すメッセージが表示されます。その場合は、解析タイプを[クラウド]に変更してクラウド上で従来のソルバーを使用するか、ソルバー コンピュータとして[スケーラブル ソルバー]を選択し、スケーラブル ソルバーをローカルに実行してください。

サブスクリプションのご購入に関する詳細は、こちらをクリックしてください。

クラウド シミュレーションを継続する

ソルバーが従来のソルバーからスケーラブル ソルバーに変更されている場合は、シミュレーションを停止および継続することはできません。

  • ソルバー コンピュータ = クラウドの場合、ソルバー コンピュータ = クラウド Premium を使用して継続することはできません。
  • ソルバー コンピュータ = クラウド Premiumの場合、ソルバー コンピュータ = クラウドを使用して継続することはできません。

シミュレーションがクラウドに移動された場合、またはクラウドから移動された場合、スケーラブル ソルバーのシミュレーションを停止して継続することはできません。

  • ソルバー コンピュータ = スケーラブル ソルバーの場合、ソルバー コンピュータ = クラウド Premium を使用して継続することはできません。
  • ソルバー コンピュータ = クラウド Premiumの場合、ソルバー コンピュータ = スケーラブル ソルバーを使用して継続することはできません。
注: ただし、ローカルの従来のソルバーからクラウドの従来のソルバーへは継続できるため、ソルバー コンピュータ = マイコンピュータはソルバー コンピュータ = クラウドを使用して継続することができます。

クラウドでの解析における問題のトラブルシューティング: アカウントのメリットを有効にする

ほとんどの場合、クラウドでの解析に関連する問題は、SJM キャッシュまたは権限の問題に起因しています。しかし、これらの問題を調査する前に、CFD クラウド サービスの資格に関連した契約において「Web サポート」と「更新プログラム」を得られるメリットが有効になっていることを確認してください。これらのオプションは、契約管理者がアクセス可能な[アクセス権の編集]ダイアログに記載されています。この 2 つのメリットを有効にすることで、多くの顧客アカウントでこのような問題を解決することができました。

クラウド シミュレーションに必要なコスト

クラウドでの解析に必要なコスト(クラウド クレジット)は、ソルバー サービスとジョブの複雑さの程度によって異なります。

ソルバー サービス

シンプルなジョブ

中程度のジョブ

複雑なジョブ

クラウド

10

30

100

クラウド Premium

40

120

400

注: クラウド サービスは、標準のソルバーと 1 ワーカーをジョブごとに使用します。クラウド Premium サービスはスケーラブル ソルバーと 16 ワーカーをジョブごとに使用します。

ジョブの複雑さは、次のような要因によって決まります。

  • ジョブのサイズ(メッシュ内の要素数)
  • 物理モデルの複雑度
  • 要求された反復計算の数
  • アダプティブ メッシュが有効になっているかどうか

ジョブのコストは、シミュレーションを開始する前に表示されます。そのため、シミュレーションを開始する前にコストを確認できます。

たとえば、10,000 個の要素の流れのみのモデルで反復計算を 100 回実行する場合は、シンプルであるとみなされます。対称的に、10,000,000 個の要素モデルで運動と熱伝達を 5,000 時間ステップで実行する場合は、複雑であるとみなされます。

クラウド シミュレーションを停止する

クラウド シミュレーションを停止する方法によって、結果が返されるかどうか、料金が請求されるかどうかが決まります。

  • Simulation Job Manager を使用してシミュレーションを停止する場合、計算をすぐに停止して、結果はマシンにロードされません。Simulation Job Manager でキャンセルされたジョブには、クラウド クレジットの比例配分料金がかかります。料金は、ソルバーが実行された時間の長さによって決まります。最低料金は 5 クラウド クレジットです。
  • [実行]ダイアログ ボックスの[停止]ボタンを使用してシミュレーションを停止する場合、次の反復の後の計算を完了して、結果はローカル マシンにロードされ、クラウド クレジットが課金されます。