需要率について

需要率を使用すると、指定した時間での予想に基づいて建物設備の幹線定格を調整できます。電気機器のすべてが完全定格の負荷で描画されるわけではありません。

システムの負荷に基づいてプロジェクト内に照明、電源、HVAC、またはその他のシステムに対する必要な要素を 1 つまたは複数指定できます。事前に設定された需要率に加え、独自の需要率を作成することもできます。

たとえば、需要率が 1.00 に指定された負荷分類[キッチン]では、それぞれ 60 VA の照明を 10 個設置した場合、負荷は 60 VA x 10 (照明) = 600 VA となります。したがって、この負荷カテゴリの負荷に対する照明は 600 VA になります。この値が正確なのは、すべての照明の電源を同時にオンにしている場合だけです。照明の半数だけが同時にオンになっている場合は、0.5 (50%)に設定された定数値で需要率を指定します。すると、概算負荷は、600 VA X 0.5 (需要率単位) = 300 VA になります。

建物コードは、需要率に使用する値を決定します。たとえば、パネル上のコンセントの総容量が 20,000 VA の場合、ローカル コードによっては、需要負荷が 15,000 VA になることがあります。

需要率は負荷分類に割り当てられ、負荷分類は機器のコネクタに割り当てられます。機器の概算負荷は、負荷と需要率の積で計算されます。「負荷計算」と「需要負荷の計算」を参照してください。

概算需要負荷はパネルのインスタンス プロパティ(プロパティ パレット)とパネル集計表に表示されます。パネル集計表には、負荷分類ごとの負荷を表示することもできます。「パネル集計表」を参照してください。

需要率を指定して、回路の概算需要負荷を計算できます。需要率は、次の項目によって決まります。

定数

負荷に適用する一定の需要率を指定することができます。

数量別

接続されているオブジェクトに複数の数量範囲を指定し、接続されているオブジェクトの数量に応じて、各範囲に異なる需要率を適用するか、すべてのオブジェクトに同じ需要率を適用することができます。

次の表の例では、数量全体のパーセンテージに基づく需要率を指定し、需要率が増分範囲別に計算されるように指定できます。

より大きい 以下 需要率
0 1 125%
2 3 100%
4 制限無指定 60%

これらの設定では、負荷が最大のオブジェクトに 125% の需要率が、負荷が 2 番目および 3 番目に大きいオブジェクトに 100% の需要率が、負荷の大きさが 4 番目以降のその他のオブジェクトに 60% の需要率が適用されます。

負荷別

オブジェクトに複数の負荷範囲を指定し、各範囲に異なる需要率を適用するか、パネルに接続されている総負荷に同じ需要率を適用できます。

次の表の例では、負荷全体のパーセンテージに基づく需要率を指定し、需要率が増分範囲別に計算されるように指定できます。

より大きい 以下 需要率
0 3000VA 100%
3000VA 10,000VA 50%
10,000VA 制限無指定 30%

これらの設定では、100% の需要率が 3000VA より少ない負荷、50% の需要率が 3000VA と 10,000VA との間の負荷、30% の需要率が 10,000VA より大きい負荷に適用されます。