Revit は、回路保護、電圧降下の計算、補正係数に指定されているサイズを基に、電力回路の配線サイズを計算します。
配線サイズは、分岐回路に対しては 3% 未満の電圧降下、電源から最も遠いコンセントにある給電回路に対しては 2% 未満の電圧降下を維持するように自動的にサイズ設定されます。つまり、回路負荷は、必要な過電流保護(回路定格)を決定します。指定されている場合、回路定格は、活線、中性線、接地線に必要な配線サイズを決定します。
Revit は回路の負荷を、回路内に接続され、周囲温度(補正係数)に合わせて調整されている個々の装置の負荷の合計として計算します。Revit では、回路定格は自動的に指定されません。回路の作成後、該当する電気工事規定に従い、回路の皮相電流および負荷のタイプに基づいて回路定格を指定します。回路インスタンスの[定格]パラメータには、必要な回路保護のサイズを指定します。回路定格は、配線のサイズ設定を決定するために使用されます。
Revit は、次の式を使用して、配線経路内の電圧降下を計算します。
VD=(L*R*I)/1000
説明:
[電気設定]ダイアログで、[配線タイプ]テーブルから配線タイプを選択して、プロジェクト内で使用できる配線タイプを指定します。プロジェクトに対して複数の配線タイプを指定できます([電気設定]ダイアログ)。プロジェクトに対して複数の配線タイプが指定されている場合、タイプは回路のプロパティ パレットで選択できます。配線タイプ テーブルで最初に指定したエントリが、既定として選択されます。これは、プロジェクト内の配線の大半で使用される配線タイプになります。
Revit に付属の配線タイプに加え、配線タイプを追加、削除したり、他のプロジェクトから配線タイプを取り込むことができます。
活線の配線サイズは、最初、回路の電流定格、配線タイプ、定格温度(摂氏 60 度、摂氏 75 度、摂氏 90 度)、補正係数によって決定され、給電回路に対しては 2% 以内の電圧降下、分岐回路に対しては 3% 以内の電圧降下を維持するように調整されます。これらの係数に基づいて、Revit は、基本配線サイズ テーブルに従って活線サイズを指定します。
接地線のサイズ設定テーブルには、回路の電流定格に従って接地線サイズが一覧表示されます。電線が該当する電気工事規定で許可されているとおりに複数のレースウェイまたはケーブル内に並行に走っている場合、それぞれの並行する設備接地線は、レースウェイまたはケーブル内の回路電線を保護する過電流装置のアンペア定格を基にしてサイズ設定されます。
中性線は回路内の活線のサイズに従ってサイズ設定されます。または、不平衡電流に従ってサイズ設定されます。
活線に従ってサイズ設定される場合、中性線の実際のサイズの計算にはニュートラル乗数が使用されます。この計算では、許容電流ではなく、電線の中性線のサイズ設定テーブルが使用されます。高調波負荷による電流増加を処理することを目的としています。高調波負荷は、さまざまな種類の電気機器にある電源を開閉することによって引き起こされます。これらの電源の開閉は、電流波形において高調波ひずみを発生させるため、電流は電気システムで予期されているよりも高い値で流れます。また、配線タイプでは、ユーザが最大サイズを設定できるようにしています。配線サイズはこのサイズを超えることはありませんが、大きな負荷を処理するために電線は並行配線されます。