ビデオ ポストは多くの便利な機能とクリエイティブな効果を提供していますが、動くはずの、または正しくレンダリングするように思えるキューを設定しても、期待どおりの効果がアニメーションで得られないということがよくあります。ここでは、キューが期待どおりに実行されないときに参照できる、トラブルシューティング上のヒントをいくつか紹介します。
ビデオ ポスト キューがうまく動かない原因は主に 2 つあります。1 つは、キュー内のイベントの順序およびネスティングが間違っていることです。2 つめは、範囲バーの位置やオーバーラップの間違いです。
問題が再び発生したときには、特に非常に複雑なキューをセットアップしようとしているのであれば、問題が起きている効果だけを実行するはずの新しいキューを作成してみるのが、問題診断のための近道です。単純化したキューが動作する場合は、そのキューと問題が起きているキューを見比べることで、何が問題なのかを確かめることができます。
次に紹介するのは、動作するように思えるのに、最終的には期待どおりの結果を生成しない、2 つのよくあるシナリオです。これらの例は簡略化した状態で紹介されていますが、もっと複雑なキューでは、いとも簡単に埋もれてしまうことがあります。
最初の例は、シーンを 15 フレームに渡ってレンダリングした後、黒にフェード アウトしてアニメーションを終えようとしたときの問題です。しかし、シーンはフレーム 16 で突然消えてしまいます。
このキューでは、正しいイベントがすべて、適切な順序で配置されています。問題は、範囲バーのタイミングと位置です。この問題の最もよくある原因は、不必要なところで[選択された境界](Abut Selection)を使用したことです。フェード イベントが正しく機能するためには、フェードを発生させたい時間に渡ってアニメーションがオーバーラップしている必要があります。シーンが実際にフェードするフレーム数を考慮に入れる必要があるわけです。
このキューを修正するには、何フレームに渡ってフェードを発生させるかを決めなければなりません。ここでは、10 フレームかけてシーンを黒にフェード アウトすることにしましょう。そのためには、パース イベントの範囲バーの右端を 10 フレームだけ右にドラッグして、フェード イベントをオーバーラップさせる必要があります。
2 番目の例は、最初の例よりさらに誤解しやすいものです。この問題の腹立たしい点は、シーンのレンダリングの際にはオブジェクトがグロー効果を見せているところにあります。ところが、生成されたアニメーションを再生すると、グロー効果が出ていないのです。
このキューの場合も、すべて正しいイベントが使用されています。しかし、問題は、キュー内でのイベントの順序にあります。この問題のよくある原因は、イベントが選択されている状態で、他のイベントを追加したことです。この場合は、パース イベントが選択された状態で、レンズ エフェクト グロー イベントと出力イベントを追加しました。
正しい結果を生成するキューを作成する方法は 2 つあります。1 つは、キューを作り直して、各イベントをネスティングなしで追加するという方法、もう 1 つは、現在の出力イベントを削除し、他のイベントが選択されていない状態でもう一度出力イベントを追加するという方法です。この後の図に、輝くオブジェクトを正しく表示できるキューをセットアップするための 2 つの方法を示します。