オブジェクトスナップトラッキング

場合によっては、既存の点またはオブジェクトを参照として使用して位置を定義する必要があります。たとえば、既存の点から右に 60 単位、上に 60 単位の位置から始まる線分を描画する必要があるものの、スナップできるオブジェクトが図面内に存在しない場合です。または、交差しない水平線と垂直線があり、それらの交点を見つける必要がある場合もあります。そこで登場するのが、オブジェクトスナップトラッキングです。オブジェクトスナップトラッキングをオブジェクトスナップと一緒に使用して、位置合わせパスに沿ってトラッキングし、正確な点を見つけることができます。

注: ビデオに音声および字幕はありません。

注: 手順、イメージ、ビデオは、お使いのバージョンの製品と若干異なる場合があります。

開始する前に

まず、オブジェクトスナップ、極トラッキング、およびオブジェクトスナップトラッキングがオンになっていない場合は、右下のステータスバーを使用してオンにします。

[F3]ショートカットキーを使用して[オブジェクトスナップ]のオン/オフを切り替えたり、[F11]ショートカットキーを使用して[オブジェクトスナップトラッキング]のオン/オフを切り替えたり、[F10]ショートカットキーを使用して[極トラッキング]のオン/オフを切り替えたりすることもできます。

この演習では、[中点]オブジェクトスナップオプションを使用します。そのため、[中点]オブジェクトスナップがオンになっていることを確認します。

オブジェクトスナップ点にカーソルを合わせてトラッキング点を設定する

試してみましょう。

長方形があり、その中心に円を描く必要があるとします。

次に示すような長方形を描きます。

CIRCLE[円]コマンドを起動します。
長方形の水平エッジの中点にカーソルを合わせます(クリックしないでください)。

注: トラッキング点を除去するには、カーソルを + の上に戻します。

カーソルを中点から離します。中点が表示され続けています。取得した点に小さなプラス記号(+)が表示されています。

長方形の垂直エッジの中点にカーソルを合わせて、もう一方の中点を選択します。

両方の中点を特定したので、カーソルをそれらの点の交点に合わせます。ダイナミック入力インジケータに注意してください。2 つの中点のそれぞれからの角度がどのように表示されるのかに注目してください。

クリックして円の中心点を指定します。次に、半径を入力して円を描画します。

一時トラッキング

次に、特定の点から右に 60 単位、上に 60 単位の位置を中心にして円を描きます。一時トラッキングを使用して、正確な位置を見つけることができます。

オブジェクトスナップトラッキングを使用しない場合は、最初に一時的な下書き線を作成し、次に円を作成してから、下書き線を削除します。または、参照点に円を作成してから移動します。しかし、一時なトラッキング点を使用すると、それらの余分な手順が不要になります。

次に示すようなオブジェクトを描きます。

CIRCLE[円]コマンドを起動します。
コマンドプロンプトに対して、TRACKING (または TRACK、または TK)と入力します。

端点でオブジェクトスナップをクリックします。

端点からカーソルを水平方向に移動します。
コマンドプロンプトに対して 60 と入力します。

次に、最初のトラッキング点からカーソルを垂直方向に移動します。
コマンドプロンプトに対して 60 と入力します。

[Enter]を押してトラッキングを終了し、円の中心点を指定します。

角度の増分

既定では、オブジェクトスナップトラッキングは直交にのみトラッキングします。しかし、オブジェクトスナップトラッキングの設定を変更して、すべての極角度設定を使用することができます。今回は、オブジェクトスナップトラッキングを使用して、この三角形の中心点に円を描いてみましょう。

直交トラッキングのみを使用して中心点を配置することはできません。30 度のトラッキング角度が必要になります。

[極トラッキング]ドロップダウンメニューをクリックし、[トラッキングの設定]を選択します。

[作図補助設定]ダイアログボックスの[極トラッキング]タブで、[角度の増分]を 30 度に設定します。
[オブジェクトスナップトラッキングの設定]領域で、[すべての極角度設定を使用してトラッキング]を選択します。
[OK]をクリックします。

次に示すような正三角形を描画します。

CIRCLE[円]コマンドを起動します。
三角形の 1 つのコーナーにカーソルを合わせると、オブジェクトスナップトラッキング点が取得されます。

他のコーナーにカーソルを合わせ、トラッキング線に沿って30度の角度で 2 つのトラッキング点の交点が見つかるまでカーソルを移動します。

クリックして円の中心点を指定し、半径を入力して円を描画します。

2 点間の中点

[Shift]を押しながら右クリックし、オブジェクトスナップのショートカットメニューを表示することにより、トラッキングにアクセスすることもできます。

もう 1 つ、演習をしましょう。今回は、次の 2 点の中点に円を描きます。

次に示すような 2 本の線分を描きます。

CIRCLE[円]コマンドを起動します。
[Shift]を押しながら右クリックして、オブジェクトスナップのショートカットメニューを表示します。
[2 点間中点]を選択します。

1 番目の端点を指定します。

2 番目の端点を指定して、円を描きます。

まとめ

オブジェクトスナップトラッキングは、スナップ点が存在しない正確な点を見つけるのに役立つ作図補助機能です。作図時間を節約し、正確に作図する場合に、このトピックのヒントの使用してください。