概要 - 回路ビルダ図面テンプレート

各回路はメイン図面テンプレートから開始します。これらのメイン回路テンプレート図面には、「ace_cb1」という名前が付けられます。分岐またはネストした回路図面テンプレートには「ace_cb2*.dwg」という名前が付けられます。分岐回路は、制御変圧回路や力率改善回路などのメイン回路にオプションとして挿入された回路です。

回路図面テンプレートでは、次の命名規則を使用します。

回路図面テンプレートの既定の場所は、回路図ライブラリ フォルダ(C:¥Users¥Public¥Documents¥Autodesk¥AcadE {バージョン}¥Libs¥{ライブラリ}¥)です。

単結テンプレート図面には接頭辞として「1-」が付いています。既定の場所は、回路図ライブラリ フォルダの配下の「1-」フォルダ(C:¥Users¥Public¥Documents¥Autodesk¥AcadE {バージョン}¥Libs¥{ライブラリ}¥1-)です。

注: このテンプレート図面の命名規則は推奨されていますが、回路ビルダが機能するために必須ではありません。

回路テンプレートには、回路の配線フレームワークと特殊マーカー ブロックが含まれます。これらのマーカー ブロックは標準の AutoCAD ブロックである ace_cb_marker_block のインスタンスにすぎず、3 つの属性が含まれています。これらのマーカー ブロックは、回路ビルダに、マーカー ブロックの挿入点で必要なアクションまたは決定を伝えます。次のようなアクションがあります。

注: 回路の挿入を選択した場合、[回路環境設定]ダイアログ ボックスがバイパスされ、回路ビルダ スプレッドシートで定義されている各回路要素の既定のオプションが使用されます。

マーカー ブロック属性

CODE

この属性値を使用して、回路テンプレート図面と回路コード シート内の領域にあるマーカー ブロック間をリンクします。この属性値は、選択したテンプレートの回路コード シートの CODE 列の値に一致します。

ORDER

この属性の値は、回路要素の表示と回路内の挿入の順番を制御します。マーカー ブロックは昇順で処理されます。複数のマーカー ブロックに順番として同じ値を割り当てると、それらのマーカー ブロックがグループとして処理されるように相互にリンクされます。たとえば、3 相母線の複数の配線間の間隔を調整するため、共通の CODE 値と共通の ORDER 値を持つ 3 つのマーカー ブロックがあります。ORDER 値には整数または小数値を設定できます。小数値に対応しているため、2 つの他のマーカー ブロックの順番を変更することなく、それらの間にマーカー ブロックを簡単に追加できます。

MISC1

この属性値には、その他の注釈値、アクション、フラグが格納されます。注釈値の形式は <属性名>=<属性値> です。アクションには、埋め込みの AutoLISP 式やプログラムを含めることができます。フラグは、子接点の親へのリンクと多極作成方向のオーバーライドを含むキー ワードです。

次のフラグ コードがあります。

  • _TAGFMT=<値>: このインスタンスの図面プロパティのコンポーネント タグ形式または線番形式設定をオーバーライドします。
  • _PRETAG=<値>: 親子のリンク設定のため、既定のエイリアス タグを事前に定義します。このオプションは、親コンポーネントの前に子コンポーネントを挿入する場合に使用できます。たとえば、子接点のマーカー ブロックに「_PRETAG=MR」があるとします。親コイルを挿入すると、そのマーカー ブロックも「_PRETAG=MR」と設定されます。回路が完成すると、親の実際のタグ値で子接点に注釈が付けられます。このアクションは、それぞれに割り当てられた「MR」エイリアスの一致に基づきます。
  • _WIRENO=<値>: 固定の線番を事前定義します。
  • WIRENUMBERS=0: 必要な配線タイプが存在しない場合、その配線タイプを作成して「線番なし」とマークします。必要な配線タイプが存在せず、このフラグが見つからないか、またはこの値が 1 に設定されている場合、その配線タイプを作成して「線番」とマークします。
  • _WIRETYPE=<値>: 配線タイプの画層名を事前定義します。
  • _WIRESKIP=<値>: 別の配線に接続しようとした場合にスキップする配線数。
  • _MAXTRAPCOUNT=<値>: 配線接続トラップ単位で指定した、配線接続を検索する最大検索距離。配線接続トラップ値が確定され、アクティブな図面の[図面プロパティ]の[図面形式]タブに表示されます。
  • _BASE: 基本配線、つまり、複数の母線間隔を調整するためにセットアップする場合に、移動しない配線を示します。これが定義されていない場合、テンプレートの挿入点と同一直線上にある配線が既定の基本配線になります。
  • _L =<値>: 「|」文字で区切られた各サブリストで、多極コンポーネントの極ごとの属性値、端子のセット、またはケーブル マーカーのセットを事前定義できます。
  • _D=<値>: 多極コンポーネントの作成方向のオーバーライドを定義します。1=右に作成、2=上に作成、4=左に作成、8=下に作成。オーバーライドしない場合、作成方向は水平挿入の場合は下、垂直挿入の場合は左から右になります。
  • X=<値または AutoLISP 式>: 「X」方向のマーカー ブロックを再配置します。たとえば、「_X=(* 0.5 DIST01)」の場合、X 方向のこのマーカー ブロックの配置を、CODE 属性値が「DIST01」のマーカー ブロックによって定義された母線間隔の 0.5 倍の値に調整します。この例は、単相モーターの挿入点のマーカー ブロックを、2 本の給電母線間の中央に配置する場合にも使用できます。
  • _Y=<値または AutoLISP 式>: 「Y」方向のマーカー ブロックを再配置します。
注: 回路図面のマーカー ブロックで定義されたフラグは、スプレッドシートのすべての設定をオーバーライドします。

マーカー ブロック機能

すべてのマーカー ブロックの名前は同じ(ace_cb_marker_block)ですが、さまざまな機能を指定できます。マーカーに割り当てられた固有の機能は、その CODE 属性値と、回路テンプレートの回路コード シートでのこのコード値のマッピング先に基づきます。マーカー ブロックの機能は次のように分類されます。

[セットアップ]

モーター選択などの回路プロパティを定義するブロック。

[配線タイプ]

ブロックの配線回路に割り当てる配線タイプ画層を定義するブロック。

線番

ブロックの配線に割り当てる線番を定義するブロック。

[ネストした回路]

マーカー ブロックの挿入点の制御回路などの分岐またはネストした回路の配置を定義するブロック。

[コンポーネント]

マーカー ブロックの挿入点のコンポーネント、コネクタ、端子、ケーブル マーカー、または多極コンポーネントの配置を定義するブロック。

[母線の間隔]

これらのブロック下の配線の横線間隔を制御するブロック。グループとして処理されるブロックには、共通の CODE 属性値と ORDER 属性値が設定されている必要があります。

[配線接続]

別の配線に接続する配線セグメントのストレッチを制御するブロック。

注: マーカー ブロックの名前は変更できません。回路ビルダのコマンドは、「ace_cb_marker_block」という名前のマーカー ブロックのみを処理します。

単結回路テンプレート

単結回路テンプレートでは、3 相モーターおよび給電回路テンプレートと同じマーカー ブロックの概念を使用します。ただし、いくつか相違点があります。複数の母線を表す単一の配線があります。ほとんどの単線回路テンプレートには、特別な「母線タップ」シンボルが含まれます。

母線タップ シンボルには、次の 2 つの機能があります。

二重回路の単線テンプレートには、母線タップ シンボルが 3 つあります。1 つは、回路が母線に接続する通常のポイント上にあります。また、回路の 2 つの「脚」の上にはそれぞれ異なるバージョンのシンボルがあり、それぞれ二重回路の開始点がマークされています。これらの母線タップ シンボルを使用すると、単一回路図か二重回路図かにかかわらず、単線回路に関する正確なレポートを作成できます。

次の母線タップ シンボルが用意されています。

注: WD タイプ属性値「1-1」は、母線タップ シンボルを示します。