この練習では、DEM(Digital Elevation Model)から取得したデータを表示します。
DEM ファイルでは、非常に用途の広いパレット カラー マップが利用されます。このタイプのカラー マップは、各色が値の一定範囲を表すカラー パレットを使用します。この値は、地表の標高、勾配、または地勢(勾配の方向)のいずれかを表します。各色で同じ範囲の値を表すことができる他、値の範囲を、分位による分布、または標準偏差による分布を決定する公式によって算出することもできます。
分位による分布を適用すると、各範囲(色)に同じ数の値が割り当てられ、それに応じて範囲の広がりが調節されます。対象となる地表で、全体のうち一部分に多くのデータ値が集中している場合、その部分を表す各範囲は狭くなり、その領域がより詳細に表示されます。
標準偏差による分布を適用すると、各範囲の広がりが、ファイル内のデータ値全体の標準偏差に統一されます。パレットの中心にある 6 つの範囲が、ファイル内の値の広がりに対応します。イメージの値が通常の分布に近い場合、3 番目と 4 番目の範囲を合わせると、全体の 68 % になります。中心にあるこれら 2 範囲を分ける線が、データ セットの算術平均値となります。
パレット カラー マップは複雑ですが、他のファイル(DEM や 16 ビット整数などの形式を含む)で再利用しやすいよう保存することもできます。
この練習では、フォルダ ¥Tutorial5 にある既存のパレットを読み込みます。
このパレット カラー マップには、この練習で説明しない別のコントロールが含まれています。
この練習を行う前に、AutoCAD Raster Design ツールセットのオプションが「練習 A1: AutoCAD Raster Design ツールセットのオプションを設定する」で説明したとおりに設定されていることを確認する必要があります。
DEM イメージを挿入する
DEM イメージが、既定のパレット カラー マップを使用して図面に挿入されます。
地表のこのビューは、高度をグレーの階調で示しています。
以降の手順では、このカラー マップに含まれている情報を検証し、同じデータ ファイルの他のビューを見てみます。
カラー マップを編集する
ダイアログ ボックスの右端にあるスクロール バーを使用すると、パレットに 256 色の色範囲が定義されていることがわかります。また、[範囲 広がり]列では、各色が約 2.4 フィートの隆起範囲を表していることが示されています。[範囲上限値]列では、イメージ内の隆起が 732 フィートから 126 フィートの範囲(128.3765 マイナス 2.3765)であることが示されています。
[データ解釈]領域([パレットのカラー マップ定義]ダイアログ ボックスの左側)の設定を確認すると、イメージに表示されているのは、地表の標高や勾配、地勢(勾配の方向)などではなく、値であることがわかります).また[値の分布]領域の設定では、パレットの色が示しているのは、手動で設定された範囲ではなく、算術的に計算された(パラメトリックな)均一の範囲であることがわかります。
進んだ練習: [データ解釈]の設定を[高さ(メートル)]に変更すると、[範囲テーブル]内の値が直ちにメートルに変換されます。[データ解釈]の設定を変更すると、どの設定でも、範囲の値が新たな解釈を反映して変化します。
以降の手順では、データ範囲数がこれよりも少ない新しいカラー マップを使用します。
[範囲テーブル]領域が自動的に新しいパレットに合わせて調節されるため、隆起範囲の広がりが 22 色すべてについて均等に拡大されます。
以降の手順では、カラー マップを変更して、分位による範囲の分布を使用します。
分位のカラー マップを作成する
[範囲テーブル]領域が隆起データに合わせて自動的に調節され、各範囲に同じ数のデータ ポイントが割り当てられます。結果として、各範囲に割り当てられる高度の広がりはさまざまなものになります。300~325 フィートと 415~440 フィートの隆起周辺は範囲が狭く、これらの範囲に比較的多くの読み取り値があることがわかります。一方、575~732 フィート周辺は範囲が広く、この高さの隆起が比較的少ないことがわかります。
このダイアログ ボックスで選択を変更することにより、異なるカラー マップの効果を簡単に比較できます。
陰影処理のカラー マップを作成する
[範囲テーブル]で、すべての範囲が、選択したグレーの色調に設定されていることに注目してください。
このカラー マップでは、地表の地形的起伏が誇張され、左上に光源があるようにシミュレートされるため、地形上に影が表示されます。
進んだ練習: [パレットのカラー マップ定義]ダイアログ ボックスに戻って