キャッシュされた再生(Cached Playback)のプリファレンス

ダイナミクス キャッシングのサポートをオフにするには、キャッシュされた再生(Cached Playback)プリファレンスのキャッシュのダイナミクス(Cache dynamics)オプションを無効にします。

キャッシュされた再生(Cached Playback)を使用すると、プレイブラストを作成しなくても、アニメーションに行われた変更をすぐに確認できます。 タイム スライダ(Time Slider)の横にある再生オプション(Playback Options)内のキャッシュされた再生(Cached Playback)アイコン をクリックして、キャッシュをアクティブにすることもできます。

キャッシュされた再生(Cached Playback)とその使用方法の詳細については、「キャッシュされた再生を使用して再生速度を上げる」を参照してください。

キャッシュされた再生(Cached Playback)
キャッシュされた再生(Cached Playback)をアクティブにします。キャッシュされた再生(Cached Playback)オプションがアクティブになるのは、このオプションをオンにした場合のみです。
% の RAM(% of RAM)
スライダを移動して、キャッシュ プロセスが停止するカットオフ ポイントを指定します。キャッシュされた再生(Cached Playback)専用のメモリ サイズ(Maya 全体で使用されるメモリ サイズではない)をパーセントで指定する場合は、この設定を使用します。
注: この設定が影響するのは、キャッシュされた再生(Cached Playback)のみです。ただし、この設定を大きくすると、同時に稼働しているコンピュータ上で実行されている他のプロセスが影響を受ける可能性があります。キャッシュされた再生(Cached Playback)を使用して複数の Maya セッションを実行している場合も、割り当てられているメモリが多すぎるときは、パフォーマンスが影響を受ける可能性があります。
メモリ制限に達したらキャッシングを停止(Stop caching at memory limit)
このオプションをアクティブにすると、指定したメモリ制限に達した場合に、キャッシュ プロセスは放棄されます(これが既定の設定です)。
キャッシュされた再生(Cached Playback)によってメモリ制限に関する警告が生成されている場合は、このオプションを無効にして指定したメモリ制限をオーバーライドし、キャッシングを継続することができます。(このオプションを無効にすると、システムの使用可能なすべてのメモリがキャッシングに使用される可能性があることにご注意ください。)
システムのメモリ状態を表示するには、評価ツールキット(Evaluation Toolkit)のキャッシング(Caching)セクションのメモリ管理(Memory Management)領域を参照してください。
優先モード(Preferred Mode)
キャッシュされた再生(Cached Playback)を使用してシステム リソースを利用する方法を選択します。3 つのモードがあります。
評価キャッシュ(Evaluation cache)
ビューポート/レンダラに依存しないユニバーサル キャッシュ モード。どちらのモードを使用したらよいか不明な場合に最適な選択肢です。このモードは他のモードよりも低速ですが、ビューポート 1.0 で使用できます。
ビューポート ハードウェア キャッシュ(Viewport Hardware cache)
グラフィックス カードのメモリを使用してパフォーマンスを改善します。
ビューポート ソフトウェア キャッシュ(Viewport Software cache)
システムのメモリを使用してパフォーマンスを改善します。
ハイブリッド キャッシュ(Hybrid Cache)
この設定を使用すると、GPU デフォメーションと混合するようにキャッシングの再生(Caching Playback)を拡張し、GPU 計算の負荷が大きい、大規模なリグを利用するシーンのキャッシングを向上させることができます。
注: このモードにすると、GPU のオーバーライド(GPU Override)設定も有効になります。ただし、このモードを無効にしても、GPU のオーバーライド(GPU Override)は無効になりません。

ハイブリッド キャッシュ(Hybrid Cache)は、変形後にジオメトリ全体をキャッシュする代わりに、GPU デフォメーション チェーンへの入力を保持して、復元します。通常、このオプションを有効にすると、デフォーマ チェーンへの入力(数個の行列、数個のアニメートされたパラメータなど)のサイズが変形されるジオメトリよりも大幅に小さい場合、保存されるデータは少なくなります。また、元の変形されていないスタティックなジオメトリはアニメーション全体で 1 回だけキャッシュされ、GPU 上に維持されるため、CPU と GPU メモリ間の転送量は少なくなります。

ジオメトリが GPU 上に維持されることにより、特に大きなジオメトリの場合はパフォーマンスが大幅に向上し、メモリ使用量が大幅に削減されます。

設定 動作(Behavior)
無効化(disabled) ハイブリッド キャッシュ(Hybrid Cache)は使用されず、ジオメトリは通常どおりキャッシュされます。既定ではこれに設定されています。
スムーズ メッシュ プレビュー(Smooth Mesh Preview) ハイブリッド キャッシュ(Hybrid Cache)は、スムーズ メッシュ プレビュー(Smooth Mesh Preview)を使用して、少なくとも 1 つのメッシュを含む GPU デフォメーション評価クラスタにのみ適用されます。
すべて(All) ハイブリッド キャッシュ(Hybrid Cache)は、すべての GPU デフォメーション評価クラスタに適用されます。
フレームのスキップを防ぐ(Prevent Frame Skipping)

リアルタイムで再生している場合は(「タイム スライダ プリファレンス(Time Slider Preferences)」の「再生(Playback)」セクションを参照)、このオプションをアクティブにして、再生キャッシュを構築しているときに Maya がフレームをスキップしないように設定します。

通常、リアルタイムの再生速度でアニメーションを再生すると、Maya はレートを維持するためにフレームをスキップします。ただし、キャッシュされた再生(Cached Playback)を使用する場合は、どのフレームも除外されないようにする必要があります。このオプションを使用することにより、キャッシュのフィルに優先順位を付け、フレームをスキップしなくてもキャッシュをスムーズに構築することができます。

注: キャッシュが完成して、タイム スライダ(Time Slider)がフィルされた後に、キャッシュされた再生で要求されたフレーム レートを維持できない場合は、フレームのスキップが再びアクティブになります。
警告メッセージを表示(Show warning messages)
このオプションをアクティブにすると、キャッシングを無効にする、またはキャッシングの問題を引き起こすイベントが発生ししたときに、スクリプト エディタ内にサポート メッセージが表示されます。キャッシュされた再生(Cached Playback)を無効にできる条件の詳細については、「キャッシュされた再生の制限事項」および「キャッシュされた再生でサポートされないノード」を参照してください。
再生範囲の外側のフレームを破棄(Discard frames outside playback range)

このオプションをアクティブにすると、現在の再生範囲の外側にあるフレームのすべてのキャッシュ済みデータがフラッシュされます。つまり、再生範囲のサイズを変更したために、一部のキャッシュされたフレームがアクティブなキャッシング領域に含まれなくなった場合、これらのキャッシュ済みデータは失われます。

スムーズ メッシュをキャッシュ(Cache Smooth Meshes)
キャッシュされた再生(Cached Playback)で、スムーズ メッシュ プレビューをどのように扱うかを選択します。アクティブにすると、スムーズ メッシュがキャッシュされます。キャッシュされた再生(Cached Playback)を有効にすると、スムーズ メッシュ プレビュー(Smooth mesh preview)でパフォーマンスの問題が発生する場合は、この設定を無効にします。 既定では、この設定はオフになっています。

既定では、メッシュはスムーズ メッシュ プレビュー(Smooth Mesh Preview)がオフの状態で自動的に表示されます。スムーズ メッシュ プレビュー(Smooth Mesh Preview)を有効にすると、オリジナル メッシュとスムーズ プレビューを同時に表示することや(ケージ + スムーズ メッシュ(Cage + Smooth Mesh)表示モード)、スムーズ プレビュー自体を表示できます(スムーズ メッシュ(Smooth Mesh)表示モード)。

キャッシュのダイナミクス(Cache dynamics)
ダイナミクス(nCloth と nParticle)のキャッシングを無効にできます。ダイナミクス キャッシュは、既定のキャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインと異なるステータス ラインとして表示されます。各ステータス ラインとその内容の説明については、「キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの状態」を参照してください。

ピンク色のダイナミクス ステータス ラインと既定の青いアニメーションステータス ライン。

既定では、この設定はオンになっています。
注: キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの外観を変更すると、アニメーションとダイナミクスのキャッシング ストライプが両方とも影響を受けます。
キャッシュ フィル(Cache Fill)
キャッシュを構築するときに選択します。
再生とバックグラウンド(Playback & Background)
シーンがアイドル状態のときに再生(Play)をクリックすると、キャッシュされた再生(Cached Playback)をトリガします。既定ではこれに設定されています。
再生(Playback)
アニメーションを再生するときのみ、キャッシュされた再生(Cached Playback) をトリガします。
バックグラウンド(Background)
再生(Play)をクリックしなくても、キャッシュされた再生(Cached Playback)が自動的にトリガされます。
注: このモードでは、再生時にキャッシングがトリガされません。このモードと再生とバックグラウンド(Playback & Background)モードの唯一の違いは、このモードを使用した場合、キャッシュの構築は必ずバックグラウンドで行われることです。再生中はキャッシュが構築されません。
バックグラウンドでのフィルの方向(Background Fill direction)
キャッシュがロードを開始するタイム スライダ(Time Slider)上の場所を設定します。
前方向と逆方向(Forward & Backward)
現在のフレームから双方向にキャッシュを構築します。既定ではこれに設定されています。
前方(Forward)
キャッシュをタイム スライダ(Time Slider)の現在のフレームから前方に構築します。
後方(Backward)
キャッシュをタイム スライダ(Time Slider)の現在の位置からアニメーションの先頭方向(右から左)に構築します。
アニメーション開始から前方へ(Forward from animation start)
キャッシュをタイム スライダ(Time Slider)のアニメーションの先頭から前方に構築します。

キャッシュされた再生のステータス(Cached Playback Status)

このセクションでは、キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの位置および外観をカスタマイズできます。
注:
  • 「cacheEvaluator」プラグインをアンロードすると、これらのコントロールは無効になります。
  • キャッシュ ステータス ラインのカラーは、カラー設定(Color Settings)のキャッシュされた再生(Cached Playback)セクションで変更できます。
キャッシュのステータスを表示(Show cache status)
タイム スライダ(Time Slider)にキャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインを表示します。
位置(Position)
キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインが表示されるタイム スライダ(Time Slider)上の場所を選択します。
  • タイムラインの上(Above Timeline)
  • タイムラインの下(Below Timeline)
高さ(Height)
キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの高さを設定します。

キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインのサイズが 1 およびサイズが 13 の場合

垂直間隔(Vertical spacing)
タイム スライダ(Time Slider )の境界とキャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの間隔を設定します。

キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの間隔が 10 の場合

無効化されたフレームを表示(Show invalidated frames)
更新する必要があるフレームをステータス ラインに表示する場合は、アクティブにします。

無効化されたフレームが表示されているキャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ライン

アニメーションを変更するたびに、キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインに表示される、影響を受けるフレームのシェードは青が濃くなります。このオプションがアクティブである場合は、変更が発生した場所およびキャッシュによって再描画されている領域を確認できます。
フレームには次の 3 つの状態があります。
  • キャッシュなし(ステータス ラインに空の領域として表示)
  • キャッシュ済み(ステータス ラインに薄い青のシェードで表示)
  • 部分的にキャッシュ済み(濃い青のシェードで表示)
  • 無効化されたフレームを表示(Show invalidated frames)チェックボックスは 3 番目の状態(部分的にキャッシュ済み)のフレームに作用します。

このような部分的に無効化されたフレームは、キャッシュされていないフレームよりも計算速度が速くなります。

キャッシュされた再生(Cached Playback)の無効化の詳細については、「キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの状態」を参照してください。

サブフレームを表示(Show subframes)
フレーム レンジ全体ではなく、キャッシュされたサブフレームを描画する場合にアクティブにします。タイム スライダ(Time Slider)に 0.5 や 0.25 などの小数のフレームレートが表示されている場合は、白いサブフレームが表示されます。白いサブフレームが表示されている場合は、小数のフレームに対するアクティビティがキャッシュされていることになります。

再生範囲が 0.5 と表示されているキャッシュされたサブフレーム

キャッシュされたサブフレームの表示に、既定(非サブフレーム)のキャッシングよりも多くのメモリが使用されるため、この設定はトラブルシューティングを行う場合のみ使用することをお勧めします。サブフレームをキャッシュしない場合は、フレーム全体がキャッシュされるようにキャッシュの設定を調整して、キャッシング メモリが不足しないようにします。
注: キャッシュされたサブフレームが多数あり、タイム スライダ(Time Slider)がズーム アウトされている場合、サブフレームが通常のキャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインと異なって見えることがあります。拡大すると、詳細が表示されます。
警告フレームを表示(Show warning frames)
このオプションをアクティブにすると、メモリ不足またはセーフ モードになったためにキャッシングが無効になった場合に、キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインが黄色で表示されるようになります。警告カラーをオフにして、キャッシュされていないフレームのみがタイム スライダ(Time Slider)に表示され、警告ステータスはアイコンおよびスクリプト エディタのメッセージにのみ表示されるようにする場合は、このオプションを無効にします。詳細については、「キャッシュされた再生(Cached Playback)ステータス ラインの状態」トピックの「セーフ モード」を参照してください。