標準サーフェス(Standard Surface)シェーダを使用すると、金属のような反射マテリアルとガラスのような屈折マテリアルを簡単に作成できます。次のセクションでは、目的の結果にすばやく到達するために調整できる、一連の主要なアトリビュートについて説明します。
シェーダを調整するときに、ハイパーシェード マテリアル ビューアまたは Arnold Render View で結果をプレビューすることができます。
このシーンでは、Arnold Skydome ライトが .hdr イメージにマッピングされていて、イメージベースの環境ライティングを提供しています。Skydome ライトの詳細については、「Ai Skydome ライト」を参照してください。
調整が必要な主要アトリビュートは、標準サーフェス > アトリビュート エディタ(Standard Surface > Attribute Editor)のベース(Base)、スペキュラ(Specular)、および透過(Transmission)セクションにあります。
モデルを選択し、右クリックして、お気に入りのマテリアルの割り当て > 標準サーフェス(Assign Favorite Material > Standard Surface)を選択します。これで、standardSurface2 シェーダがガラス モデルに割り当てられました。
標準サーフェス > アトリビュート エディタ(Standard Surface > Attribute Editor)でスペキュラ > 粗さ(Specular > Roughness)の値を 0 まで小さくします。
透明なガラスをモデリングする場合は、粗さの値を設定する必要はありません。この値を小さくすると、スペキュラ反射の光沢が増し、その結果、レンダー時間も短縮されます。
ガラスを透明にするには、透過 > ウェイト(Transmission > Weight)を調整します。この設定では、ライトがサーフェスを通過して散乱できるため、ガラスや水のモデリングに最適です。
ガラスの場合は、これに大きな値(0.95 など)を設定します。
ベース > ウェイト(Base > Weight)の値を小さくして、ベース > ウェイト(Base > Weight)と透過 > ウェイト(Transmission > Weight)の合計が 1 になるようにします。つまり、透過 > ウェイト(Transmission > Weight)は 0.95 に設定されているため、ベース > ウェイト(Base > Weight)を 0.05 に設定します。
標準サーフェス(Standard Surface)シェーダは既定でエネルギー保存則に従います。このシェーダのすべてのレイヤはバランスが取られており、サーフェスからの放射光の量が入射光の量を超えることはありません。レイヤのウェイトを 1 に設定することで、マテリアルがエネルギー保存則に確実に従うようになり、異なるライティングでの反応を確実に予測できるようになります。
直接光源からの鏡面反射光の影響度を上げるには、スペキュラ > ウェイト(Specular > Weight)の値を大きくします。ウェイトが大きいほど、鏡面反射光ハイライトが明るくなります。
次の図では、鏡面反射光のウェイトは 1 に設定されています。
ガラスにバリエーションを追加するには、透過 > カラー(Transmission > Color)などのアトリビュートを調整してガラスに色を付けます。
透明なガラスの代わりにすりガラスを作成するには、スペキュラ > 粗さ(Specular > Roughness)の値を大きくします。
粗さの値を 0 にすると、完全にシャープなミラー反射になり、値を大きくすると、拡散反射に近い反射が作成されます。この例では、値に 0.177 が使用されています。
このシーンでは、Arnold Skydome ライトが .hdr イメージにマッピングされていて、イメージベースの環境ライティングを提供しています。Skydome ライトの詳細については、「Ai Skydome ライト」を参照してください。
調整が必要な主要アトリビュートは、標準サーフェス > アトリビュート エディタ(Standard Surface > Attribute Editor)のベース(Base)、スペキュラ(Specular)、およびコート(Coat)セクションにあります。
モデルを選択し、右クリックして、お気に入りのマテリアルの割り当て > 標準サーフェス(Assign Favorite Material > Standard Surface)を選択します。これで、standardSurface2 シェーダがシェーダボール モデルに割り当てられました。
標準サーフェス > アトリビュート エディタ(Standard Surface > Attribute Editor)で、スペキュラ > 粗さ(Specular > Roughness)の値を 0 まで小さくして、クロム マテリアルを作成します。
粗さ(Roughness)値が低いほど、反射がはっきりします。値を 0 に設定すると、完全にシャープなミラー反射が生成されます。
直接光源からの鏡面反射光の影響度を上げるには、スペキュラ > ウェイト(Specular > Weight)の値を 0.8 に設定します。値が大きいほど、鏡面反射光ハイライトは明るくなります。
サーフェスをメタルに変換するには、ベース > メタル性(Base > Metalness)を 1 に設定します。
メタルに色を付けるには、ベース > カラー(Base > Color)を設定します。
カー ペイントをモデリングする場合は、スペキュラ > 粗さ(Specular > Roughness)を追加して、光沢仕上げではなくマット仕上げを作成することができます。
この例では、粗さ(Roughness)は 0.45 に設定されています。
後で、コート > ウェイト(Coat > Weight)を調整して、反射するクリアコート レイヤをメタルに追加できます。
これは、カー ペイントにクリアコート レイヤを追加する場合や、サーフェスにラミネート、保護、または油性の薄膜をサーフェスに追加する場合に便利です。
この例では、コートは 0.3 に設定されています。
この薄膜をぼかすには、コート > 粗さ(Coat > Roughness)を調整します。
この例では、粗さは 0.25 に設定されています。
既定では、環境ライティングに使用される .hdr イメージはバックグラウンドに含まれます。最終レンダーからこのイメージを除外するには、aiSkyDomeLightShape > アトリビュート エディタ(aiSkyDomeLightShape > Attribute Editor)を選択し、可視性 > カメラ(Visibility > Camera)を 0 に設定します。
既定では、環境ライティングによって生成される反射と屈折も、レンダーにベイク処理されます。レンダーをニュートラルなバックグラウンドに合成する場合は、これらの反射と屈折を除外する必要があります。そのためには、aiSkyDomeLightShape > アトリビュート エディタ(aiSkyDomeLightShape > Attribute Editor)を選択し、可視性 > 透過(Visibility > Transmission)を 0 に設定します。