カメラの露出(Exposure)設定によって、被写界深度(Depth Of Field: 焦点が鮮明な領域)、および対象物が鮮明に映るかモーションによってぼやけるかなどが定義されます。
実世界の写真では、F ストップ(F Stop)とシャッター スピード(または映画用カメラではシャッター角度)は、ともにフィルムの露光量を決定します。ただし、F ストップとシャッター スピードは、ある程度は(まったく異なる理由で)どこにピントが合うかも決定します。
光がカメラのレンズを通ってフィルムに露光する時間の長さは、シャッター スピードによって決まります。シャッター スピードが速くなるほど露出時間が短くなり、それだけフィルムへの露光量は少なくなります。
カメラのレンズからフィルムへと通過する光の量は、カメラのアパーチャ サイズによって決まります。アパーチャが大きいほど、フィルムへの露光量が大きくなります。アパーチャ サイズは F ストップ単位で計測されます。F ストップは焦点距離をアパーチャの直径で割った値です。したがって、アパーチャが小さいほど、F ストップの値は大きくなります。
扇形の領域の中心角度(シャッター角度)が大きくなるほど、フィルムの露光時間が長くなり、移動するオブジェクトがぼやけて見えるようになります。詳細については、シャッター角度(Shutter Angle)を参照してください。
モーション ブラーは躍動感を表現します。モーション ブラーはシャッター スピードによって決定されます。シャッター スピードが遅いほど(意図的に行うこともあります)、動きを止めることは困難になります。つまり、速いモーション(走行中の車など)は、遅いシャッター スピードではモーション ブラーを起こします。シャッター スピードが速くなると、走行中の車が「停止」するため、焦点が合います。
Maya でモーション ブラーを設定するには、「モーション ブラーを設定する」および「カメラ アトリビュート エディタ > スペシャル エフェクト > シャッター角度(Camera Attribute Editor > Special Effects > Shutter Angle)」を参照してください。
被写界深度(Depth Of Field)は、写真の中で焦点が合っている領域のことです。被写界深度は、カメラのアパーチャの設定によって決まります。
アパーチャの設定を広くすると(たとえば F ストップ値が f-2)、被写界深度は浅くなり、より多くのフォアグラウンドとバックグラウンドのピントが外れて、ぼやけます。カメラのアパーチャの設定を狭くすると(たとえば F ストップ値が f-22)、被写界深度は深くなり、より多くのフォアグラウンドとバックグラウンドにピントが合います。
カメラのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)で被写界深度 > F ストップ(Depth of Field > F Stop)を設定し、F ストップ値を調整します。「被写界深度を調整する」も参照してください。