入力ファイルにカラー スペースを割り当てるための規則を定義する

ファイル(File)テクスチャまたはイメージ プレーンなどのイメージ入力をシーンに追加するときに、カラー管理(Color Management)プリファレンス入力カラー スペース規則(Input Color Space Rules)が最初に割り当てられるカラー スペースを決定します。各ノードのアトリビュートで引き続きカラー スペースを手動で変更することができます(「テクスチャおよびその他のイメージの入力用のカラー スペースを指定する」を参照してください)。

規則により、ファイル拡張子、さまざまなタイプのイメージに使用するファイルやフォルダの命名規則、またはその両方に基づいて入力カラー スペースを自動的に割り当てることができます。たとえば、すべての拡散カラー テクスチャのファイル名に「color」が含まれている場合は、*color* を含むすべての拡張子を sRGB (またはファイルが実際に使用する任意のカラー スペース)に一致させる規則を作成できます。また、ファイルやフォルダの名前に「normal」が含まれる場合は、*normal* を含むすべての拡張子を Raw に一致させる 2 番目の規則を作成することができます。別の例として、すべての OpenEXR ファイルがシーンリニアで sRGB 原色の場合、任意のファイル名(*)の拡張子 EXR をシーンリニア Rec 709/sRGB (scene-linear Rec 709/sRGB)に一致させる規則を作成することができます。

A. 規則リスト
規則を選択します。右側のオプション (H、I、J)を使用して、選択した規則を編集することができます。

既定のプリファレンスを使用している場合は、既定(Default)ルールの他にいくつかのプリセット ルールがあります。txhdr、および exr ルールは、これらの拡張子を持つすべてのファイルの入力スペースを Raw に割り当てます。既定(Default)のルールとは異なり、これらは利便性のために追加された通常のルールです。他のルールと同じように編集、削除、上に移動、および下に移動することができます。

B. 上(Up)下(Down)
規則は上から下の順に適用されます。一致する最初の規則で指定された入力スペースがイメージのカラー スペース(Color Space)アトリビュートとして最初に設定されます。選択した規則を移動するには、上(Up)および下(Down)ボタンを使用します。
C. 既定(Default)規則

別の規則に一致しない場合、既定(Default)規則によって指定された入力スペースが使用されます。入力カラー スペースのみを指定できます。一致条件は指定できません。既定(Default)規則は常にリストの最後になり、移動できません。

Maya とともにインストールされた設定ファイルでは、既定(Default)規則によって、テクスチャが default の役割に割り当てられます。これは、設定ファイルの設定で sRGB に解決されるエイリアスです。

D. 追加(Add)
リストの一番上に新しい規則を追加します。
E. カラー スペース名のルールを追加(Add Color Space Name Rule)

ColorSpaceNamePathSearch という特別な規則を追加します。この規則は、OCIO v1 で入力スペースを割り当てるルールに似ています。各テクスチャ ファイルは、ファイル パス内の任意の場所で検出された最長のカラー スペース名に割り当てられます。検索では大文字と小文字は区別されません。

このオプションは、SynColor と呼ばれる旧式のカラー管理システムを使用する場合は使用できません。SynColor モードでは、代わりに OCIO 入力カラー スペース規則を使用(Use OCIO Input Color Space Rules)を有効にすることができますが、そうすると、既定(Default)規則を除く他のすべての規則も無効になります。

F. シーンへのルールの再適用(Reapply Rules to Scene)
規則を再適用してシーン内の既存のイメージ ノードのカラー スペース(Color Space)アトリビュートを変更します。入力カラー スペース規則を無視する(Ignore Color Space Input Rules)にチェックが入れられているイメージ ノードは影響を受けません。
G. 削除(Delete)
選択されている規則を削除します。既定(Default)の規則は削除できません。
H. イメージの拡張子(Image Extension)
選択されている規則で一致させるファイル拡張子を指定するか、任意の拡張子の場合には * を使用します。ファイル拡張子は大文字と小文字が区別されません。
I. イメージ ファイルのパス パターン(Image File Path Pattern)
イメージ ファイルのフル パス内で一致させる、選択した規則のパターンを指定します。文字列では大文字と小文字が区別され、パターン一致にはいわゆる「glob」構文が使用されます。
文字列 パターン
? 任意の 1 文字です。 ?pecularspecular および Specular に一致し、Xpecular とその他数多くにも一致します。
* ゼロ以上の文字です。 *diffuse はパスの最後の diffuse に一致します。

diffuse* はパスの最初の diffuse に一致します。

*diffuse* はパスの中の任意の場所にある diffuse に一致します。

ヒント: 任意のフォルダ内のイメージ ファイルが一致するように、すべてのパターンの先頭にアスタリスクを配置します。
[chars] 指定された任意の文字のいずれかです。 *[nN]ormal* はパスの中の任意の場所にある normal または Normal に一致します。
[char1-char2] 範囲内の任意の文字です。 *[0-9] は末尾が数字の任意のパスに一致します。
[!chars_or_range] 指定された文字以外の任意の文字です。 *[!0-9] は末尾が数字以外の任意のパスに一致します。
/ 次の文字をエスケープします。つまり、次の文字をパターン一致構文の一部として扱わず、文字通りに扱います。 */[*/]* はパスの中の任意の場所にある角カッコのペアに一致します。
J. 入力カラー スペース(Input Color Space)
選択した規則に一致するファイルに割り当てるカラー スペースを選択します。Maya と一緒にインストールされた設定で使用できるスペースの説明については、「入力カラー スペースのリスト」を参照してください。

OCIO v1 標準規則(SynColor のみ)

Maya の旧式カラー管理(SynColor)を使用する」の説明に従って旧式のカラー管理システムを使用している場合に、OCIO 環境設定を使用(Use OCIO Configuration)オプションをオンにすると、OCIO 入力カラー スペース規則を使用(Use OCIO Input Color Space Rules)オプションが使用可能になります。

初期入力カラー スペースをシーンに追加するときに、標準の OpenColorIO v1 規則を使用してファイル(File)テクスチャおよびその他のイメージ入力に初期入力カラー スペースを割り当てる場合は、このオプションをオンにします。OpenColorIO v1 規則は、カラー スペースの名前がフル パスとファイル名に表示されるかどうかを考慮します。
  • OCIO 入力カラー スペース規則を使用(Use OCIO Input Color Space Rules)をオンにすると、OCIO 標準規則(OCIO Standard Rule)既定(Default)のみが入力カラー スペース規則(Input Color Space Rules)の下に表示されます。他の規則を追加したり、規則の順序を変更することはできません。既定(Default)規則のカラー スペースのみを指定することができます。このルールは、OCIO 標準規則(OCIO Standard Rule)で特定のファイルのカラー スペースが指定されていない場合にのみ使用されます。
  • このオプションをオフにすると、入力カラー スペース規則(Input Color Space Rules)で入力イメージにカラー スペースを割り当てるユーザ独自のルールを定義することができます。ただし、使用できるカラー スペースは OCIO 設定ファイルで定義されたものに限定されます。