概要 - IFC ファイルを読み込む、書き出す

Industry Foundation Classes (IFC)ファイル形式は、建築業界で確立されている共通オブジェクトの国際的標準をベースにしており、異なるソフトウェア アプリケーション間での相互運用性を実現しています。IFC を使用することで、ファイルを転送した際の情報の損失を減らすことができます。

AutoCAD Architecture 2023 toolset は、バージョン 2x3 IFC ファイルの読み込みと書き出しについて IFC 認定されています。バージョン 2x2 および 2x の IFC ファイルも、データが 2x3 と互換性があり、IFC 2x3 コーディネーション ビューに定義されている実装内容と一致している場合に読み込みが可能です。詳細を参照するには、https://www.building-smart.or.jp/ にアクセスしてください。

AutoCAD Architecture および AutoCAD MEP toolset 2019 のツールセットから、IFC4 形式の読み込みと書き出しがサポートされるようになりました。このサポートにより、AutoCAD Architecture 図面または AutoCAD MEP toolset toolset 図面を IFC4_ADD1 スキーマ形式で書き出したり、IFC4_ADD1 およびその他の IFC4 スキーマに従っている IFC ファイルを読み込むことができます。

このサポートは、AutoCAD Architecture 2023 toolset または AutoCAD MEP 2023 toolset が、IFC4 固有のモデル ビュー定義(MVD)である Reference View (RV)仕様または Design Transfer View (DTV)仕様、またはこの両方のとおりに IFC ファイルを書き出したり読み込むことができると保証するものではありません。この 2 つの MVD は特定のエンジニアリング ワークフロー用に設計されているため、それぞれのスキーマに従った新しいジオメトリ タイプとデータ タイプのサポートが必要です。この新しいジオメトリとデータのサポートは、現在 AutoCAD Architecture 2023 toolsetAutoCAD MEP 2023 toolset では使用できません。

IFC4_ADD1 の読み込みと書き出しのサポートを可能な限り安定したものにするために、最大限努力してきました。しかし、データに影響を受けやすい特性があるため、一部のシナリオ、特に、RV または DTV スキーマをサポートする IFC ファイルの読み込み中に問題(クラッシュやオブジェクトが見つからない)が発生する場合があります。

IFC 認定により、プロジェクトの全期間にわたってプロジェクト情報を専門分野や技術用途の境界を越えて共有可能になります。IFC 形式を使用すれば、DWG ファイルを開くことのできない他の IFC 認定アプリケーションにも図面を書き出すことができます。たとえば、AutoCAD Architecture 2023 toolset で描かれた建物モデルは DWG ファイル形式で保存されます。この図面を、IFC 形式を使用して書き出すことができます。同様に、IFC ファイルを読み込んで DWG を作成することで、元は DWG 以外の形式で作成されていたファイルを使用して作業できます。

モデル ビューでは、3 次元(3D)オブジェクトに関する表現が忠実に維持されます。これは、IFC へ書き出した 3D オブジェクトに対して寸法が維持されるということを意味します。1 つの IFC モデルは様々なアプリケーションで共有されるため、中に入っているオブジェクトは寸法が正確でなければなりません。