概要 - スラブおよび屋根スラブを使用する

スラブ、屋根スラブは、エッジ状態を指定する必要のある、床、屋根面、その他の平らな面をモデリングするために使用する AutoCAD Architecture 2023 toolset オブジェクトです。スラブ、屋根スラブのオブジェクトは、任意の形状の 3D ボディで、平面状のポリゴン(外周)で囲まれており、複数のエッジがあります。オブジェクトは、外周、エッジ状態、スタイルによって定義されます。スラブと屋根スラブは多くの同じプロパティを共有しますが、これらは異なるスタイル カテゴリおよびツール タイプを表します。たとえば、スラブ ツールのプロパティを既存の屋根スラブ オブジェクトに適用することはできません。

屋根スラブ

屋根スラブは、屋根の 1 つの面を表します。 屋根スラブ オブジェクトも、各屋根スラブが分離された図形であり、他の図形とは直接のつながりを持たないと言う点で、屋根オブジェクトとは異なります。屋根サーフェス全体をモデル化するために複数の屋根スラブを使用すると、屋根を編集する際の柔軟性が高まりますが、組み合わされた屋根のトポロジ(3D ジオメトリ)は、自動的に計算されません 。このような理由から、複雑な屋根をデザインするときは、最初に屋根オブジェクトを使用することをお勧めします。次に、デザインがおおむね完了し、エッジなどの細部をカスタマイズするために高い柔軟性が必要な場合に、屋根を独立した屋根スラブに変換することができます。

屋根スラブは、動的には相互に調整することはありませんが、屋根ジオメトリを詳細にわたりコントロールすることができます。 たとえば、屋根スラブを個別にトリム、延長したり、他の屋根スラブとマイター接続することができます。屋根スラブに開口を切り取ったり、マス要素との和や差を求めたり、鼻隠しや軒天井の詳細な輪郭を任意の角度と方向でエッジに適用することもできます。スラブと同様に、屋根スラブはスタイルに基づいているため、デザインの変更をグローバルに適用できます。

スラブ、屋根スラブの作成方法

スラブ、屋根スラブのツールを使用して、スラブ、屋根スラブを独立して作成するか、壁やポリラインなどの既設オブジェクトからこれらを作成することができます。その他のオブジェクトから作成されたスラブ、屋根スラブは、元のオブジェクトに対するリンクを維持しません。

傾斜した屋根は、通常、屋根線と勾配角度を指定して設計します。 屋根スラブは、それぞれを同じ方法で配置できます。 屋根スラブを追加するには、2 つの点と角度を指定するだけです。

従来の設計方法で、棟、隅棟、谷の線分を表す 2D 平面図から作成された屋根がある場合は、希望の高さと勾配を指定して、その平面図で屋根スラブをトレースできます。これらの値と指定した点から、正確な 3D モデルが作成されます。

スラブ/屋根スラブのボディ

スラブ、屋根スラブのボディは、外周の平面に対して垂直な押し出しで、次のジオメトリによって定義されます。

スラブ/屋根スラブのエッジ

スラブまたは屋根スラブのエッジは、次のパラメータで定義されます。

鼻隠しと軒天井は、エッジ状態を定義するスタイルを持つスラブまたは屋根スラブ エッジに適用します。

エッジのコントロール

スラブまたは屋根スラブのエッジは個別にカスタマイズでき、デザインの必要に応じて、スタイルを適用したり、その他の調整を行うことができます。スラブまたは屋根スラブのエッジ スタイルは、鼻隠しや軒天井のコンポーネントのために作成した輪郭からそれらのデザインを定義します。スタイルで鼻隠しを使用するか、軒天井を使用するか、それら両方を使用するか、いずれも使用しないかを指定できます。 また、鼻隠しと軒天井をスラブまたは屋根スラブを基準にして配置する方法も指定できます。

スラブ、屋根スラブのスタイル

スラブおよび屋根スラブには、個々のスタイルが固有のスラブまたは屋根スラブのタイプの既定のプロパティを指定する、独自のスタイル カテゴリがあります。これらのプロパティには、寸法、鼻隠しおよび軒天井のエッジ スタイル、およびレイヤ、色、線種の図形プロパティがあります。スラブ、屋根スラブのスタイルでは、各エッジに対して異なるエッジ スタイルを使用できます。

スラブ、屋根スラブのマテリアル

スラブまたは屋根スラブには、マテリアルを割り当てることができます。たとえば、床スラブには、コンクリート エッジでタイルを表すマテリアルを割り当てることができます。 これらのマテリアルは、ワイヤフレーム ビューやレンダリング ビューに表示されます。 マテリアルには、ボディ、鼻隠し、軒天井など、スラブまたは屋根スラブの個々のコンポーネントに固有の設定があります。

さまざまなビューでのスラブの外観

AutoCAD Architecture 2023 toolset には、一般的なデザインに使用される定義済みのマテリアルが用意されています。定義済みのマテリアルには、スラブまたは屋根スラブの設定が含まれています。これらの設定は、そのまま使用することもできれば、特別なデザインに合わせて修正することもできます。また、マテリアルを新規に作成することもできます。 スラブ専用のマテリアルを作成する場合は、たとえば、「スラブ - セラミック タイル」や「スラブ エッジ - コンクリート」などのように、そのマテリアルにふさわしい名前を付けてください。 そのようにすると、マテリアル定義を体系的に分類することができます。

編集ツール

スラブまたは屋根スラブのスタイルとエッジのスタイルによるコントロールに加えて、AutoCAD Architecture 2023 toolset には一意の条件に合わせてスラブと屋根スラブを編集できるさまざまなツールがあります。たとえば、スラブに開口を追加して、煙突や通気管などの構造を作成できます。また、屋根スラブを使用してドーマーを作成することもできます。