このルールは、パイプの勾配を適切に設定し、地盤サーフェスに近接しすぎる位置にパイプが配置された場合に警告を通知します。
このルールは、自然流下式のパイプ ネットワークで最も有効です。最小土被りを超過しないよう維持しながら、さまざまな条件に基づいて目的の方向にパイプの勾配を設定します。また、構造物を横切るパイプの標高差ルールが、パイプの勾配と土被りルールに抵触する場合の条件も管理します。
パイプを描画する場合、最小勾配または最大勾配に達しない限り、最小土被り値と最大土被り値の範囲内に収まるようパイプを配置しようとします。その際、違反が発生しても最小勾配の要件を満たすために、最大土被りの距離が基準を超過してしまいます。
このルールによって、次の項目が保証されます。
- (指定した場合)構造物ルールで指定された位置に構造物を接続します。
- 接続される構造物と衝突しない限りにおいて、最小勾配を優先して、常に適切な方向でパイプの勾配を設定します。
- 接続される構造物と衝突しない限りにおいて、最小土被りを維持します。
注: [土被り]と[勾配パイプ]ルールは、上流から下流までのパイプに適用されます。前側パイプが後部パイプをカバーする場合もありますが、後ろ側パイプに適用されるルールによって、前側パイプがカバーされる場合があります。ルールが適用されるすべてのパイプの流れ方向が同じであることを確認することが重要です。
パラメータ
次のパラメータでパイプの土被りと勾配ルールの動作を規定します。
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[最大土被り]: パイプによって参照されるサーフェスに基づき、パイプの長さを覆う最大土被りを指定します。最大土被りを超過した場合は、ルール違反が発生します。このパラメータは、検証にのみ使用されます。このパラメータにより、図面内の一部が変更(移動やサイズ変更)されることは一切ありません。指定した値を超えた箇所に対して、ルール違反の指摘が行われるのみです。
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[最大勾配]: パイプの最大勾配をパーセントで指定します。パイプの勾配が最大値を超過した場合は、オブジェクトのルール違反が発生します。
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[最小土被り]: パイプによって参照されるサーフェスに基づき、パイプを覆う最小土被りを指定します。サーフェスが参照されていない場合、サーフェスの標高は 0 になります。レイアウトの際は、この最小土被りを超えないようにパイプが作成されます。このパラメータは、パイプの最初の標高を決定する場合にも使用されます。パイプを編集して最小土被りより浅い土被りを設定すると、オブジェクトのルール違反が発生します。
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[最小勾配]: パイプの最小勾配をパーセントで指定します。サーフェスが参照されていない場合、サーフェスの標高は 0 になります。レイアウト時には、この最小勾配ルールの値に従って、パイプが作成されます。パイプを編集して最小勾配より小さい値を設定したい場合は、最小勾配ルールを無視することが可能ですが、オブジェクトのルール違反が発生します。