コリドー内で単一の中央線形を使用する代わりに、コリドー内で複数の動的な基線を使用すると、コリドー コンポーネント間の動的な関係により、各コリドー コンポーネントを個別にコントロールすることも、まとめてコントロールすることもできます。
複数の動的な基線を使用してコリドーを作成する場合、次のようなメリットがあります。
- 各基線を個別にコントロールすることができます。
- 各基線で、その基線にだけ関連する専用のアセンブリを設計することができます。たとえば、中心線に適用されてコリドー全体を形成する複雑なアセンブリを設計する場合、車線、縁石、側溝、歩道、法面展開などの条件が必要になりますが、専用のアセンブリを使用すれば、各基線で簡単なアセンブリを設計するだけで済みます。たとえば、縁石と側溝だけを持つアセンブリをオフセット基線に沿って適用したり、法面展開アセンブリを歩道の基線に沿って適用することができます。
- 各基線について、異なるアセンブリ間隔を指定することができます。
- 横断面は、基線として使用するジオメトリに対して放射状の位置に保たれるため、その基線の水平ジオメトリが中心線とは異なる場合、基線ジオメトリに対して横断面が作成されます。
- 動的な基線コンポーネントの使用機能により、コンポーネントをまとめてコントロールすることができます。
- 中心線形または縦断を変更すると、対象の水平ジオメトリと垂直ジオメトリに関連するコリドー コンポーネントが更新されます。
- 抽出された動的な計画線のジオメトリは、コリドーの他のパーツ(コリドー コンポーネントの線形や縦断など)に対して相対的な位置に保たれます。
動的な基線の例
コリドー内で使用できる動的な基線には、次のような基線があります。
- オフセット線形と縦断: [オフセット線形を作成]コマンドにより、動的なオフセット線形とそれに関連する縦断を作成することができます。
これらのオフセットをコリドー内で追加の基線として使用すると、中心線形や縦断が更新された場合も、オフセットの相対的な位置が保たれます。この状態で、縁石アセンブリや側溝アセンブリなどをオフセット線形に割り当てることができます。動的なオフセット線形の基線、オフセットのジオメトリ、生成されたコリドー コンポーネントを使用することにより、中心線の水平ジオメトリと垂直ジオメトリに対する相対的な位置が保たれます。
- 接続されている線形と縦断: [接続されている線形を作成]コマンドにより、接続されている動的な線形と縦断を作成することができます。
道路の交差部で、接続されている線形と縦断を使用することができます。
- 抽出された計画線: コリドーから動的な計画線を抽出し、同じコリドー内で基線として使用することができます。 抽出した動的な計画線を使用することにより、ジオメトリが、コリドー全体に対して相対的な位置に保たれます。詳細については、「コリドーからコリドー計画線を抽出する方法について」と「コリドーに基線を追加するには」を参照してください。
注:
抽出された計画線を使用して、同じコリドー内でその基線の親基線を置き換えることはできません。これは、循環依存の発生を防ぐためです。たえば、歩道を表す動的な計画線を抽出し、その計画線をコリドー内で基線として使用して、法面展開線を作成する法面展開アセンブリをアタッチした場合、その法面展開線から抽出した動的な計画線を使用して、歩道または歩道の親の基線を置き換えることはできません。このような場合、[コリドー プロパティ]ダイアログ ボックスの[パラメータ]タブで基線を編集する際に、抽出した動的な計画線を選択しようとすると、メッセージが表示されます。
動的なオフセット基線、接続された動的な線形、抽出された計画線を組み合わせて、次のようなコリドーが作成されます。
次のアセンブリを基線に適用することにより、このコリドーが作成されます。
- 中心線の基線に車線アセンブリをアタッチすることにより、舗装領域が形成されています。
- 左右の中心線オフセットは、基線として追加されています。これらの基線に、縁石アセンブリ、側溝アセンブリ、歩道アセンブリがアッタチされています。
- 左右の歩道は、動的な計画線として抽出され、基線として追加されています。これらの基線に、法面展開アセンブリがアタッチされています。
- 道路が交差する位置では、左側の縁石、側溝、歩道、法面展開をコントロールする基線のリージョンが分割され、ギャップが発生しています。こうしたギャップでは、コリドー コンポーネントは作成されません。
- 接続されている線形と縦断は、道路の交差部に作成され、基線として追加されています。これらの基線に、交差点巻き込み部アセンブリがアタッチされています。
中心線を移動すると、オフセットや接続されている線形など、関連するコリドー コンポーネントが更新されます。
注: この例では、接続されている線形が中心線の移動後に短くなったときに、法面展開でギャップが作成されます。このギャップを閉じるには、接続されている線形の始点に法面展開領域を延長します。