単一のハーネス アセンブリに関する、ワイヤ配線一覧、パーツ一覧、コネクタ表などの標準的な形式のレポートを作成することができます。レポートを作成するには、レポートの対象となるハーネス アセンブリをアクティブにし、データを処理する設定ファイル(.cfg)を選択し、レポートを生成します。ユーザ独自の設定ファイルを作成することも、サンプル設定ファイルの名前を変更してカスタマイズすることもできます。レポートを生成すると、指定した場所に出力ファイルが保存され、また[レポートジェネレータ]ドキュメント ウィンドウに、1 つまたは複数のレポートが表示されるため、レポートの内容を確認することができます。設定ファイル(.cfg)は、レポートやワイヤ ライブラリ データのインポートおよびエクスポートに使用されます。これらの .cfg ファイルの形式や操作はそれぞれ異なります。
主要なレポート タイプのサンプル設定ファイルは、Autodesk Inventor をインストールした Tutorial Files¥Cable&Harness¥Report Generator フォルダ内に用意されています。オートデスクでは、データ入力の時間を節約し、入力エラーを減らすために、最初はこれらのサンプル ファイルを使用することをお勧めします。新しい設定ファイルを作成したり、既存の設定ファイルを修正するには、[レポートジェネレータ]のツールバーの[設定(CFG)ファイル編集]を使用します。
レポートとインポート/エクスポートの設定ファイルの違い
- レポート用設定ファイル: アクティブなハーネス アセンブリから指定のデータを抽出して、書式設定します。レポートを実行する前に、各レポート タイプの設定ファイルを選択する必要があります。
- インポート用設定ファイル: 入力プロパティ、そのデータ タイプ、対応する単位が記述されています。データ ファイルには、ケーブル&ハーネス ライブラリにインポートされる各ワイヤまたはケーブルを記述したライブラリ データが含まれます。各データは、設定ファイルの指定に従って、1 行に記述されます。
- エクスポート用設定ファイル: データ ファイルにエクスポートするプロパティを指定します。エクスポート処理によってデータ ファイルが作成され、そのデータ ファイルには参照先のライブラリに含まれている各ワイヤまたはケーブルの情報が含まれます。
ライブラリ データのインポートとエクスポートに使用される設定ファイルとデータ ファイルは、両方とも Windows の地域設定や言語設定で指定された区切り記号を使用して、値を区切ります。Tutorial Files¥Cable & Harness フォルダ内の Wire Library フォルダおよび Wire List Import フォルダには、カンマ区切りとセミコロン区切りの両方のファイルが含まれています。
サンプル設定ファイル
レポートを作成する最も簡単な方法は、アプリケーションとともにインストールされているサンプル設定ファイルを使用することです。サンプル ファイルがニーズに合わない場合には、サンプル ファイルをベースとして使用します。データの修正と整理を行って必要な情報を取り込み、一意の名前を使用してファイルを保存してください。
以下は、サンプル ファイルとその出力です。
- パーツ一覧レポート(PartsList.cfg): アセンブリ内で使用されている電気部品の一覧が出力されますが、各パーツ タイプの総数は含まれません。この形式は、繰り返し使用されるパーツ名の代替名を含めたり、列見出しや[情報]タブに表示されるテキストを出力するように設定されています。
- パーツとワイヤの部品表(Part_Splice_Wire_Cable_BOM.cfg): ハーネス アセンブリ内のワイヤまたはケーブル ワイヤがアタッチされている各パーツ タイプの数量が出力されます。また、このレポートには、ハーネスで使用されている各ライブラリ ワイヤとライブラリ ケーブル タイプの長さの合計値も含まれます。フィルタを設定することによって、部品表(特定のプロパティ BOM=FALSE 名とプロパティ値のペアで表される)からオブジェクトを除外したり、部品番号を使用して同種のオブジェクトの数を合計することができます。ハーネス アセンブリ内のワイヤとケーブルの長さの合計を算出するには、各ワイヤとケーブルの長さの値が必要になりますが、この列は出力されません。ワイヤとケーブルの長さの合計値は、[Quantity]列に含められます。
ハーネス アセンブリの全電子部品表(BOM)を作成するには、レポート ジェネレータまたは Autodesk Inventor の部品表を使用してください。Autodesk Inventor のパーツ一覧に記載されるのはハーネス アセンブリだけであり、ハーネス アセンブリの内容はまったく含まれません。ハーネス パーツに BOM に含めるには、これらのパーツをバーチャル コンポーネントとしてケーブル & ハーネス アセンブリに追加します。
注: レポート ジェネレータで作成した部品表レポートにはバーチャル パーツおよびリボン ケーブルは含まれていません。しかし、Autodesk Inventor の標準機能を使って作成した部品表およびパーツ一覧にはすべてのハーネス オブジェクトが含まれています。
- ワイヤ配線一覧(Wire Run List.cfg): 設計内の各ワイヤ(ケーブル ワイヤを含む)の始点と終点の一覧が出力されます。このレポートには、各ワイヤの接続、参照指定、および両端のピン名に加えて、指定した単位によるワイヤの長さも含まれます。この表では、複数のリンク タイプが使用され、またワイヤの長さには、ワイヤをフィートに変換する前に使用される丸め値も含まれます。この形式は、複数の列を並べ替えるように設定されています。
- コネクタ表(Connector.cfg): 選択したハーネス アセンブリ内の電気コンポーネントまたはスプライスごとに 1 つのファイルが作成されます。これには、電気コンポーネントまたはスプライスの参照指定値と、これらにアタッチされているワイヤが含まれます。出力ファイルには、ピン名、ワイヤ ID、およびワイヤの色の一覧が含まれます。フィルタは、部品番号プロパティを持つパーツだけを照会するように設定されています。この表は、参照指定プロパティを含めるように設定されていますが、印刷はされません。このスタイルは各 RefDes についてファイルを出力するように設定されており、既定の出力ファイル名として <RefDes>.txt が使用されます。同じピンに接続された複数のワイヤはそれぞれ新しい行に表示されますが、ピン名は繰り返されません。
- セグメント データ(Segment Table.cfg): ハーネス内の各セグメントの物理特性に関する情報を含む表が作成されます。
レポートの出力時に行われるチェック
アクティブなハーネス アセンブリ ファイルに関連付けられた各ハーネス オブジェクトのすべてのプロパティについて、データ タイプの整合性チェックが実行されます。ハーネス アセンブリ内のオブジェクトで使用されている各プロパティについて、そのプロパティ名に関連付けることができるデータ タイプは 1 つだけです。たとえば、特定のプロパティとデータ タイプを持つコネクタ パーツを、同じプロパティ名でデータ タイプの異なる既存のワイヤまたはセグメントを含むハーネス アセンブリに配置すると、データ タイプの不整合が発生します。
このような不整合は、ハーネスの作成には影響せず、特定の状況における出力レポートにのみ影響します。データ タイプがテキストであったり、単位がない場合や、プロパティ値に数値演算や単位が関連付けられていない場合は、レポートの出力データは影響を受けません。ただし、値が単位や変換などの数値演算を必要とする場合は、データの整合性を保証するために、特定のプロパティ名のデータ タイプはハーネス アセンブリ内のすべてのオカレンスで一貫している必要があります。
.cfg ファイルの格納場所
- ライブラリ データのインポートとエクスポートに使用される .cfg ファイルは、ライブラリと一緒に保存します。
- レポート ジェネレータ で使用される .cfg ファイルは、特定のハーネスまたは図面に固有ではないため、複数のユーザがアクセスできるようサーバ上に保存します。