iProperty - [物理]タブのリファレンス

パーツまたはアセンブリのアクティブなモデル状態の物理プロパティと慣性プロパティを計算します。物理プロパティで材料、解析の許容差、およびその他の値の違いがモデルにどのように影響するかを示します。

計測単位は[ドキュメントの設定]の[単位]タブでコントロールします。

アセンブリでのアクセス:
コンポーネントを選択して右クリックし、[iProperty]を選択します。[物理]タブをクリックします。
パーツでのアクセス:
[ファイル] [iProperty]の順にクリックして、[物理]タブをクリックします。

バーチャル パーツのプロパティにアクセスするには、アセンブリ ブラウザでバーチャル パーツを右クリックし、[プロパティ]を選択します。

更新

質量、表面積、および体積を計算するには、[更新]をクリックします。

パーツのフィーチャに対して追加、削除、または修正したり、アセンブリに対してパーツを追加または削除すると、物理プロパティにも影響します。また、ユーザ定義のオーバーライド値も物理プロパティに影響します。変更を行った場合は必ず、[更新]をクリックして再計算します。必要なコンポーネントがメモリにロードされていない場合は、ロードするかどうかを確認するメッセージが表示されます。

注: [更新]は、[要求される精度]で指定したレベルと値が一致しない場合にのみ使用できます。物理プロパティが最新である場合は、[更新]ボタンは使用できません。

クリップボード

クリックすると、物理プロパティのレポートがリッチ テキスト フォーマット(.rtf)でオペレーティング システムのクリップボードにコピーされます。レポートはユーザによって上書きされた値を記録します。レポートをテキスト エディタに貼り付けて印刷できます。

材料と密度のプロパティ

選択したコンポーネントについて、材料とその密度を選択します。物理プロパティの計算の精度が設定されます。

ソリッド
マルチボディ パーツ ファイルのみで使用可能です。このドロップダウン メニューで、パーツ全体のプロパティまたは選択したボディのプロパティのいずれを計算するか選択します。
材料
計算には、パーツから継承した材料プロパティが使用されます。適切な材料テーブルから、材料が一覧表示されます。材料一覧は、材料で指定されます。
密度
選択した材料の密度が一覧表示されます。既定の材料の密度は 1 kg/m^3 です。
要求される精度
物理プロパティの計算の精度を指定します。既定の設定は[低]ですが、精度を高く設定することもできます。値の計算にかかる時間は、設定されているレベルによって異なります。たとえば、値を[非常に高い]に設定した場合、計算には数分かかります。
注: 各値の後ろの括弧内に、計算時の相対精度が表示されます。
注:
  • 各値の後ろの括弧内に、各値の実際の相対精度が表示されます。[相対精度]は、結果を基準にした精度です([要求される精度]ではありません)。たとえば、質量の計算結果が 100 lb (誤差は±2.5 lb 未満)になった場合は、「100 lbs ([相対誤差] = 2.500000%)」と表示されます。
  • 質量または体積のオーバーライド値は完全に正確な数値として処理され、[相対誤差]の数値は付加されません。

[一般的なプロパティ]

選択したパーツまたはアセンブリの質量、表面積、体積を計算します。これらの値には、自動的に計算された値、ユーザ定義のオーバーライド値、およびオーバーライド値に基づいた計算値が反映されます。Autodesk InventorAutodesk Inventor をインストールするときに、既定の単位が使用されるように設定されます。テンプレートを使用して作成したファイルでは、テンプレートで指定されている単位が使用されます。

質量、体積、および表面積にはバーチャル コンポーネントのものも含まれますが、[ビード線を含む]および[数量のオーバーライドを含む]チェック ボックスが選択されている場合は、ビード線および部品表数量のオーバーライドのものも含まれます。

注: バーチャル コンポーネントに体積または質量が設定されている場合は、次の理由から、バーチャル コンポーネントを使用するアセンブリの慣性モーメント、表面積、および重心が正確でなくなることがあります。
  • バーチャル コンポーネントの位置は既定で親アセンブリの原点に設定されており、ユーザが定義することはできないため
  • 仮想コンポーネントには表面積および慣性モーメントは存在しないため
ビード線を含む
ビード線をマス プロパティの計算対象に含めるには、このチェック ボックスをオンにします。すべてのビード線のおおよその質量、面積、および体積が、同じプロパティの既存の合計に加算されます。ビード線を除外するには、このチェック ボックスをオフにします(既定ではオフに設定されています)。
数量のオーバーライドを含む
計算値が自分の考えとは異なるものであれば数量にスタティック値を使用するには、このチェック ボックスをオンにします。
注: 静的量が作成された場合は、重心および慣性モーメントの値が不正確なものになることがあります。
質量

質量の単位として、既定の単位か、(使用可能であれば)テンプレートで指定されている単位のいずれかが使用されます。ビード線が計算の対象に含まれている場合は、カスタム値によるオーバーライドが使用できません。

面積

選択したパーツまたはアセンブリの表面積。

体積

選択したパーツまたはアセンブリの体積。ビード線が計算の対象に含まれている場合は、カスタム値によるオーバーライドが使用できません。

重心

選択したコンポーネントの重心 (アセンブリ原点に相対的な x 座標、y 座標、z 座標) が一覧表示します。

該当するプロパティの横に、オーバーライド値が存在するかどうかを示すアイコンが表示されます。ビード線が計算の対象に含まれている場合は、記号が「ほぼ等しい(≒)」に置き換わります。

計算値
ユーザ定義のオーバーライド値
1 つまたは複数のユーザ定義のオーバーライド値を使用した計算値
近似値

[慣性プロパティ]

[慣性モーメント]、[グローバル]、または[重心]をクリックして、慣性プロパティを計算する方法を選択します。

選択したコンポーネントについて、対象のアクティブな編集座標系を基準にレポートされたマス プロパティが表示されます。マス プロパティは、現状のコンポーネントに基づいて計算されます。[慣性プロパティ]および[重心]には、バーチャル コンポーネント、ビード線、または部品表数量のオーバーライドのものは含まれません。

結果は、[アプリケーション オプション]ダイアログ ボックスの[一般]タブの[負の整数]または[正の整数]の選択に基づいて、レポートされます。

主慣性モーメント
慣性の主軸の回りの主慣性モーメントを計算します。
主軸への回転
対象のアクティブな編集座標系から、X、Y、および Z 軸が慣性の主軸となっている座標系への回転を計算します。
質量モーメント
慣性モーメント(Ixx、Iyy、および Izz)および慣性の積(Ixy、Ixz、および Iyz)。[慣性プロパティ]の詳細については、[アプリケーション オプション]のリファレンス: [一般]タブを参照してください。
注: アセンブリにバーチャル コンポーネントが含まれ、そのバーチャル コンポーネントに体積または質量が設定されている場合は、アセンブリの慣性プロパティが正確でなくなることがあります。