大規模アセンブリのパフォーマンスに影響する可能性のある一般的なプラクティス

大規模アセンブリのパフォーマンスに影響する可能性がある一般的なプラクティスについて学習します。

  • 実例: アダプティブの過度の使用

    影響: パーツのジオメトリをアセンブリの拘束と一緒に更新する必要があるため、アセンブリ レベルでパフォーマンスの問題を招く可能性があります。影響を受けるすべてのパーツが再計算されます。

    ベスト プラクティス: アダプティブを控えめに使用します。アダプティブの関係では、循環関係を避けるために、適応する側と適応される側が明確に定義されている必要があります。連鎖的なアダプティブの関係は避けます。たとえば、パーツ 1 がパーツ 2 を駆動し、パーツ 2 がパーツ 3 を駆動する、といった関係は避けます。代わりにスケルトン モデリングの使用を検討します。アダプティブ機能を使用した後で、アダプティブをオフにし、モデルの更新が発生したらオンにして、関係を解決できるようにします。その後、次の変更が発生するまでオフにします。

  • 問題: 完全に拘束されていないサブアセンブリ。サブアセンブリ内のコンポーネントは、サブアセンブリの基準平面、軸、または点に拘束されます。

    影響: フレキシブル サブアセンブリは、サブアセンブリ内のすべての自由度に影響を与えます。サブアセンブリの基準平面が移動する可能性があり、基準平面に拘束されているすべてのコンポーネントが移動します。最上位アセンブリでは、それらの自由度が複雑になります。

    ベスト プラクティス: フレキシブル サブアセンブリを固定します。サブアセンブリ内のコンポーネントが自由度を持ち、それらが自由であると想定している場合は、サブアセンブリの基準平面、軸、または点への拘束を作成することは避けます。

  • 問題: 最上位アセンブリが旧バージョンのままになっているが、その一部のコンポーネントが新しいバージョンで保存されている。最上位アセンブリを旧バージョンの Inventor で開いて作業を続けると、アセンブリが壊れる可能性があります。
  • 問題: システム メモリの不足(16 GB 未満のマシン)

    影響: ジオメトリの複雑さやアセンブリのレベルによっては、最低要件の 8 GB より多くのメモリが Inventor で必要になります。典型的な 10K コンポーネント アセンブリの場合、アセンブリを完全にロードするにはおよそ 3 GB が必要です。同時に実行されているプロセスが他にない場合、Windowsはスワップ メモリ(ハード ドライブのメモリ)を使用します。この場合、Inventor の動作が遅くなります。

    解決策: ハード ドライブへのメモリ スワップを回避するために、システム メモリを増やします。

  • 問題: 図面ビューで派生パーツを使用する。

    影響: 複雑さを軽減するために、他のユーザが、大規模なアセンブリでビューを作成する前に派生の使用に頼っている場合があります。派生コンポーネントを詳細ビューで使用していると、ビューを作成する場合に、関与しているコンポーネントだけでなくモデル全体が計算されます。この動作はパフォーマンスに悪影響を与えます。

    ベスト プラクティス: 派生モデルや簡略化されたモデルを詳細図面ビューと一緒に使用することは避けます。

  • 問題: 押し出しフィーチャでカットアウトなどの複雑なスケッチ パターンを使用する。

    影響: ねじ、パターン化されたカットアウトなどのフィーチャをモデリングすると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。特に、コンポーネントを編集する場合や、それらのコンポーネントのパターンをアセンブリ内で使用する場合などは顕著になります。たとえば、鉄条網コンポーネントをカットアウトを使用して作成した後、アセンブリ内でコンポーネントとしてパターン化した場合などは問題になります。

    ベスト プラクティス: 外観(テクスチャ)を使用してカットアウトを表現します。そのようにしても、カットをモデリングせずに隙間を通して見ることができます。CoG 調査などの目的では、iProperty のオーバーライドを適用して、正確なマス プロパティを提供することができます。

  • プラクティス: 接触ソルバを使用した後、実行中のままにする。

    影響: 接触ソルバによってパフォーマンスに影響することがあります。接触ソルバを使用していない場合は、オフにします。

    ベスト プラクティス: 接触解析を実行し終えたらオフにする習慣を付けてください。