ドキュメント スタイルを管理するには

Inventor 内部のスタイル管理作業のほとんどは、スタイルおよび規格エディタを使用して実行します。

スタイルを編集、作成する

スタイルの直接管理に関する最も一般的な作業は、スタイルの編集や新規スタイルの作成です。スタイルは常にドキュメント内で編集または作成されます。スタイルは、ドキュメントにコピーされていない場合であっても、スタイルおよび規格エディタで編集します。スタイルは、編集するために自動的にライブラリからドキュメントにコピーされます。スタイル ライブラリは直接編集できないため、編集したスタイルまたは新規作成したスタイルを、ドキュメントからスタイル ライブラリに保存する必要があります。

スタイル ライブラリにスタイルを保存するには、以下のいずれかの手順に従います。

  1. スタイルおよび規格エディタでスタイルを右クリックし、[スタイル ライブラリに保存]を選択します。
  2. [管理]タブから[スタイル ライブラリにスタイルを保存]を選択します。
注: スタイル ライブラリにスタイルを保存すると、そのサブスタイルだけが保存されます(スタイル ライブラリ内に存在しない場合のみ)。サブスタイルが既に存在する場合は、明示的に指定して保存し、ライブラリ定義を置き換える必要があります。サブスタイルを参照スタイルとともにライブラリに保存する場合は、[管理]タブ [スタイルと規格]パネル [保存]コマンドを使用します。

スタイルの名前を変更する

スタイルおよび規格エディタでスタイルの名前を変更するには、スタイル名を右クリックして[キャッシュされたスタイルを名前変更]を選択します。

スタイルおよび規格エディタでのスタイルの名前変更は、ドキュメントのスタイルのコピーのみに影響します。スタイルのライブラリ内のコピーは、この名前変更の影響を受けません。

キャッシュされたスタイル名を変更することにより、以下の 2 つの影響があります。

注: ローカルにキャッシュされたスタイルは、既にキャッシュされているスタイルと同じ名前に変更することはできません。たとえば、ドキュメントに「Shop Floor」と「Shop Floor-24」という名前の 2 つの照明スタイルが存在する場合、「Shop Floor」を「Shop Floor-24」に名前変更することはできません。ただし、ドキュメントに「Shop Floor」が存在し、現在のライブラリに「Shop Floor-30」という名前の照明スタイルが存在する場合、「Shop Floor-30」はドキュメントにまだ存在していなかったため、「Shop Floor」を「Shop Floor-30」に名前変更できます。

スタイルをインポート、エクスポートする

スタイルを共有するための手段は、スタイル ライブラリ以外にもあります。ドキュメント間のスタイルのコピーに使用されていた R9 以前のオーガナイザ コマンドは、新しいインポート/エクスポート機能に置き換わりました。このコマンドには、スタイルおよび規格エディタからアクセスします。スタイルは *.styxml ファイルにエクスポートされてから、他のドキュメントにインポートされます。

スタイル ライブラリを使用してスタイルを共有することと、インポート/エクスポートを使用することの相違点は、以下のとおりです。

スタイルをドキュメントへコピーする

スタイル ライブラリからドキュメントへスタイルをコピーするには、スタイルおよび規格エディタを使用します。スタイルを選択し、右クリックして、[ドキュメントにキャッシュ]を選択します。

注: 手動でコピーされたスタイルは、ドキュメント内のどのオブジェクトからも使用されていない場合でも、手動で消去されるまでドキュメント内に残ります。ドキュメントを別のユーザに送信する際、ドキュメントで使用する必要があると思われるすべてのスタイルをまとめて送信したいが、スタイル ライブラリ全体は共有したくない場合には、このメカニズムが便利です。

スタイルを更新する

スタイル ライブラリ内のスタイルが変更されたら、スタイルを更新して、そのスタイルを使用しているすべてのドキュメントにスタイル変更を適用します。スタイルの更新は、常に手動で行います。スタイルがドキュメント内でローカルに編集された場合は、スタイル更新の確認が追加で要求されることがあります。

ライブラリからスタイルを更新する手順は次のとおりです。

  1. リボンで、[管理]タブ [スタイルと規格]パネル [更新]の順にクリックします。
  2. スタイルおよび規格エディタで、スタイルを選択し、右クリックして、[スタイル更新]を選択します。

    注: この方法でスタイルを更新した場合、サブスタイルは更新されません。サブスタイルは個別に更新する必要があります。

スタイルを削除する

オブジェクトや別のスタイルで使用されていないスタイルは、いつでもドキュメントから手動で除去することができます。

未使用のスタイルを削除するには、[管理]タブ [スタイルと規格]パネル [スタイル消去]の順にクリックします。現在のドキュメントで使用されていないすべてのスタイルおよびサブスタイルが、1 回の操作で消去されます。

特定のスタイルのみを削除するには、スタイルおよび規格エディタで該当するスタイルを選択し、右クリックして、[スタイル消去]を選択します。

選択したスタイルとそのすべてのサブスタイルを削除するには、スタイルおよび規格エディタで任意のスタイルを選択し、右クリックして、[スタイルとサブスタイル消去]を選択します。

ヒント: ドキュメントからスタイルを消去できない場合は、スタイルが以下から参照されていないことを確認してください。
  • オブジェクト(図面リソース内のスケッチ ジオメトリまたはスケッチ文字)
  • 図面内にキャッシュされている規格。スタイルが「利用可能なスタイル」として参照されている場合があります。
  • 図面内にキャッシュされているオブジェクト既定値スタイル。オブジェクト既定値が、規格内の「利用可能なスタイル」ではないスタイルを使用するように設定されている可能性があります。
  • そのスタイルをサブスタイルとして一般的に使用しているその他のスタイルサブスタイルとして最も多く使用されるスタイルは、文字スタイル(ほとんどの図面スタイルで使用)、引出線スタイル(ほとんどの図面スタイルで使用)、画層(規格およびオブジェクトの既定で使用)です。

テンプレート内のスタイル

テンプレートは、新規ドキュメント用の既定値のスタイルを定義します。ドキュメントで必要な既定のスタイルは、[アクティブな規格]タブの[ドキュメントの設定]に一覧表示されます(アクセス: [ツール]タブ [オプション]パネル [ドキュメントの設定])。

各ドキュメント タイプに定義されている既定値のスタイルは次のとおりです。
  • 図面: 規格
  • パーツ/溶接: 照明、材料(溶接は Inventor でのみ使用できます。材料は[溶接プロパティ]で設定します。[溶接]ブラウザ ノードを右クリックして[プロパティ]を選択し、[物理情報]タブを選択します)
    注: 溶接の場合も、[アクティブな規格]タブに[規格]設定があります。これは図面で使用される規格スタイルと同じではありません。これは、溶接フィーチャの特徴を示す方法を定義する 6 つの国際規格(ANSI、ISO、DIN、BSI、JIS、DIN)のいずれかです。
  • アセンブリ/プレゼンテーション照明
  • シート メタル照明、材料(既定の材料はテンプレート内のアクティブなシート メタル スタイルで設定されます)

新規ドキュメントを作成する場合、新規ドキュメントのスタイルは、スタイル ライブラリから取り出されます。ただし、ライブラリにないテンプレート内のスタイルは、新規ドキュメントにも追加されます。

材料 iPart ファクトリの管理

iPart ファクトリは、iPart ファクトリ テーブル内で材料アセットと外観アセットを指定できます。パーツが初めて iPart に変換されるとき、パーツ ドキュメント内の外観アセットと材料アセットが、iPart ファクトリ ドキュメントにキャッシュされます。これにより、iPart ファクトリは、必要なの材料と外観を使用して iPart メンバを確実にパブリッシュできます。用意されたマテリアル ライブラリと外観ライブラリを使用している場合、インスタンス化後に iPart メンバに割り当てることができるため、すべての材料または外観を含める必要はありません。

iPart ファクトリに含まれている材料と外観は、手動で除去されるまでキャッシュされたままになります。

プロジェクト間でドキュメントを共有する

使用されるスタイルはすべてドキュメントにコピーされるので、異なるスタイル ライブラリを使用するプロジェクト、またはスタイル ライブラリをまったく使用しないプロジェクトにドキュメントが移動された場合、そのドキュメントはキャッシュされているスタイルを引き続き使用します。手動でキャッシュされたスタイルはすべて、新しいプロジェクト内のドキュメントで使用できます。そのドキュメントのスタイルが、新しいプロジェクトのスタイル ライブラリに存在する必要はありません。

新しいプロジェクトのスタイル ライブラリ内に名前が一致、または名前と値が一致するスタイルがある場合、これらのスタイルは元のプロジェクトにある場合と同じように扱われます。たとえば、新しいスタイル ライブラリ内のスタイルと名前と値が完全に一致するスタイルは、いずれもそのドキュメントで使用されなくなると自動的に除去されます。

ドキュメント内に名前が一致するスタイルがあっても、名前と値が一致するものが見つからない場合、そのスタイルは、新しいスタイル ライブラリのバージョンに一致するように更新されない限り、引き続き元の値を保持します。

スタイルと外部データ

フォント(文字スタイルが使用)とイメージ(オプションでカスタム外観が使用)は、ドキュメントまたはスタイル ライブラリ中には保存されません。この種類の外部データは Inventor で管理されないため、手動で管理する必要があります。