nHair を使うと、以下のシミュレーションが可能です。
- 長い髪の自然な動きと衝突
- 風やドライヤーでなびく髪
- 泳いでいるときの髪
- ポニーテール、三つ編み、アップなどのさまざまなヘアスタイル
- ヘアとキャラクタの衣服の衝突
- ダイナミック カーブを使用したロープ、チェーン、つり橋、海の生き物、カーブから描画されたロフト サーフェスなどの効果。詳細については、ヘアを使用して他のモデルと効果を作成するを参照してください。
Maya nHair をすぐに使用していただけるように、Maya にはチュートリアルが含まれています。「
Maya チュートリアル」には多数の総合的なチュートリアルを用意していますが、この中に nHair のスタート アップ チュートリアルも含まれています。
nHair と Nucleus
nHair では、nCloth および nParticle シミュレーションを生成するものと同じダイナミック シミュレーション フレームワークの Maya® Nucleus™ が使用されています。nHair システムは、nCloth オブジェクト、パッシブ衝突オブジェクト、nParticle オブジェクトなどの他の Nucleus オブジェクトとインタラクティブに作用します。衝突を発生させるには、関係するオブジェクトをすべて、同じ nucleus ソルバ(nucleus ノード)に割り当てる必要があります。nHair システムに属するダイナミック カーブには、自己衝突機能があります。nHair は Nucleus オブジェクトとして nConstraint をサポートし、Nucleus ソルバにより生成された内部フォースに応答します。
nHair 接続
ヘア システムは、毛根の集まりです。NURBS やポリゴン サーフェスでは同一サーフェス上に複数のヘア システムを設定でき、また 1 つのヘア システムは複数のサーフェスにスパンできます。
人間の髪の毛根は毛髪 1 本の元であるのに対し、Maya の各毛根はヘア カーブの元になります。毛根は、特定の束のヘアに関連付けられたアトリビュートとカーブ、そして NURBS やポリゴン サーフェスにヘアをアタッチする方法を制御します。各毛根に入力されるのは、NURBS カーブの開始位置(Start Position)、アタッチされるサーフェスおよび UV の位置です。
ヘアの作成時のヘア システムの出力は、NURBS カーブ(NURBS Curves)または Maya® Paint Effects™ ストローク、もしくは両方、のいずれかです。ヘア作成時の出力に NURBS カーブ(NURBS Curves)が指定された場合、各毛根はその毛根内のヘアの位置を示す 1 つの NURBS カーブを含んでいます。ペイント エフェクト(Paint Effects)が指定された場合、各毛根はペイント エフェクト(Paint Effects)ストロークで構成されるヘアの束を持ちます。
ヘア システムには、ヘア全体の外観と動作を変更するためのさまざまなアトリビュートがあります。また、ヘア システム アトリビュートをオーバーライドする毛根レベルのアトリビュートもあります。可視結果は、毛根とヘア システム アトリビュートの両方の影響を受けます。
nHair シミュレーションは、割り当てられた nucleus ノードによって解決されます。ヘアは、既定では、同じソルバに割り当てられている他の Nucleus オブジェクトとインタラクティブに作用します。このインタラクションには、オブジェクト間の衝突とコンストレイントが含まれます。nDynamics の基礎知識を参照してください。
nHair 出力
以下のような場合には、nHair のペイント エフェクト(Paint Effects)への出力を検討してください。
- Maya ソフトウェア(Maya Software) レンダラでレンダーする
- ペイント エフェクト(Paint Effects)のヘアをポリゴンに変換して任意のレンダラでレンダーする
以下のような場合には、nHair の NURBS カーブ(NURBS curves)への出力を検討してください。
- レンダリングを直接サポートする別のレンダラへの出力用にカーブを使用する
- 現在位置(Current Position)カーブをいくつか選択してコンストラクション ヒストリのあるカーブを使用してサーフェスをロフトする
- カーブに沿って円を押し出すことによってチューブを作成する
- 羽毛やつる草など標準的なペイント エフェクト(Paint Effects) ブラシのパスやコントロール カーブとしてカーブを使用する。この場合のカーブは、ヘアではなくペイント エフェクト(Paint Effects)を補間して影響を与える制御要素なので、ブラシはペイント エフェクト(Paint Effects)で作成される既定とは異なる動作をします。このシナリオは更新に時間がかかり、設定にもある程度の時間が必要です。代わりに、ペイント エフェクト(Paint Effects)ブラシをヘア システムに割り当ててもかまいません(この場合には、NURBS カーブ(NURBS Curves)出力は必要ありません)。
以下のような場合は、ヘアの NURBS カーブ(NURBS Curves)とペイント エフェクト(Paint Effects)両方への出力を検討してください。
- 両方のカーブを使用して(たとえば、濡れた髪から飛び散る水滴をシミュレートするパーティクル エミッタ)直接またはポリゴンに変換して統合されたペイント エフェクト(Paint Effects)を使用してレンダーする
nHair のレンダリング
Maya ソフトウェア(Maya Software) レンダラを使用すると、ペイント エフェクト(Paint Effects)のヘアをレンダーできます。また、ペイント エフェクト(Paint Effects)のヘアをポリゴンに変換して、別のサード パーティ製レンダラでレンダリングできます。ダイナミックな NURBS カーブ(NURBS curves)だけを Pixar® RenderMan® のような外部レンダラに出力することも可能です。