[部分ブレンド](Partial Blending)と重みの割り当て

一般的には、エンベロープを使用して Biped が動く際のスキンの動作を修正します。ただし、頂点のプロパティを手動で割り当て、エンベロープを無効にすることもできます。

たとえば、選択した頂点から不適切なリンクの影響を削除する場合などです。また、[重みを入力](type-in weights)を使用して、1 つの頂点に対するリンク間の重みの分配を変更することもできます。

[部分ブレンド](Partial Blending)を使用するエンベロープがない場合(既定値)

頂点 v がリンク l1、l2、l3 に割り当てられ、これらのリンクの重みがそれぞれ w1 = 0.2、w2 = 0.3、および w3 = 0.4 とします。

部分ブレンドを使用しない場合には、これらの頂点の重みの合計は w1 + w2 + w3 = 0.9 (1.0 未満)です。

部分ブレンドがオフの場合、合計が 1.0 になるように平均化されます。たとえば、次のような設定ができます。

w1' = w1 / w1+w2+w3 = 0.2/0.9 = .2222222...
w2' = w2 / w1+w2+w3 = 0.3/0.9 = .3333333...
w3' = w3 / w1+w2+w3 = 0.4/0.9 = .4444444...

頂点の重みの合計は、次のように計算されます。

w1'+w2'+w3' = 1.0

すべてのエンベロープが[部分ブレンド](Partial Blending)を使用する場合

1 未満の重みを持つ頂点の補完重みによって、常にルートの重みが補完されます。頂点がリンクのグループに割り当てられていて、すべてのリンクに部分ブレンドが適用されている場合には、必ず残りの重みが割り当てられてルート リンクとブレンドされます。

この機能は、部分変形を無変形にフォールオフする場合に役立ちます。下の例は静的な頭部の場合で、頭部が顔の表情をつくるように変形されますが、頭部自体の位置は変化しません。

たとえば、次のような設定ができます。頂点 v がリンク l1、l2、および l3 に割り当てられます。これらのリンクの重みは、それぞれ w1 = 0.2、w2 = 0.3、w3 = 0.4 です。

頂点の重みの合計は、w1 + w2 + w3 = 0.9 (1.0 未満)になります。したがって、追加の補完重み(wf)が必要です。補完重みは 1.0 - (w1+w2+w3) = 0.1、すなわち 10% と決まります。重み wf はルートから補完されます(頂点は部分的に無変形のままになります)。

結果として生じる変形は、w1*l1 + w2*l2 + w3*l3 + wf*root になります。この変形のルート部分は基本的にスケルトンのルートに従うだけの無変形部分です。

[部分ブレンド](Partial Blending)を使用するエンベロープと使用しないエンベロープがある場合

オーバーラップ領域中の頂点の重み補完は、部分重みおよび非部分重みのパーセントに基づきます。たとえば、非部分リンクの合計重みが部分重みと非部分重みを合わせた合計の 80% であった場合、補完の 80% は非部分変形を超えます。残りの 20% 補完はルートから来ます。

例: 頂点 v がリンク l1、l2、l3 に割り当てられ、これらのリンクの重みがそれぞれ w1 = 0.2、w2 = 0.3、w3 = 0.4 とします。

ここで、l1 および l2 が非部分重み、l3 が部分重みとします。非部分重みが w1 + w2 = 0.5、部分重みが w3 = 0.4 です。ここで、非部分重みが 0.5/(0.5+0.4) = .555555、すなわち 56% になりますが、この場合でも補完重みは(1.0 - .9)すなわち wf = 0.1 です。

wf の 56% が非部分ブレンド リンクを超えて補完されます。wf の残りの 44% は、部分ブレンドの場合と同様にルートで補完されます。これによって、部分リンクと非部分リンク間の滑らかなトランジションが作成されます。