エンベロープ

エンベロープは、スキンの変形を制御する Physique の主要ツールです。階層内の 1 つのリンク上で周囲の影響を受ける領域を定義するもので、隣接する複数のリンクにオーバラップするような設定が可能です。エンベロープのオーバラップ領域内にある頂点は、関節交差部でスムーズなブレンドが得られるように重み付けされます。各エンベロープは、内部境界と外部境界のペアで構成されます。それぞれの境界には 4 つの断面があります。

エンベロープ

変形可能なエンベロープとリジッドなエンベロープ

エンベロープには、変形可能とリジッドという 2 つのタイプがあります。

• 変形可能なエンベロープは、エンベロープに囲まれた頂点に影響を与え、階層を通って作成された変形スプラインに従わせます。変形可能なエンベロープに囲まれた頂点のみが、バルジ角度または腱の影響を受けます。
• リジッドなエンベロープ内の頂点は、ノード(ボーン)にリンクされ、そのリンクに対する固定された関係の下で動きます。ただし、リジッドなエンベロープ内の頂点も、他のエンベロープとのオーバーラップ領域内では変形(ブレンド)されます。[リンク サブオブジェクト](Link Sub-Object)には、リジッドなエンベロープで有効にできるツイスト パラメータがあります。これにより、リジッド エンベロープがリンクの長さ方向にツイストされます。

変形可能なエンベロープ(上)とリジッドなエンベロープ(下)

Biped の骨盤にメッシュをアタッチして、柔らかく柔軟なスキンを作成するときは、変形可能なエンベロープを使用します。その後、キャラクタの頭などの特定のリンクだけをリジッドなエンベロープに割り当て直すと、変形を最小限に抑えることができます。場合によっては、同じリンクに対して変形可能なエンベロープとリジッドなエンベロープの両方をオンにすることもできます。この拡張機能を使うと、2 種類の変形の効果を平均化し、スキンの動きをよりリアルに表現できます。通常は、この機能は前腕と脚に使用されます。

リンク間のブレンド

エンベロープ間のブレンドにより制御される変形

ブレンド コントロールは、エンベロープのオーバーラップ領域に含まれる頂点に対する各エンベロープの影響値を指定します。隣接するエンベロープの実際のシェイプによって、オーバーラップ領域内のブレンドに対する各エンベロープの影響度を制御できます。

ブレンド効果に影響を与えるエンベロープの数を制限すること、またブレンドを実行しないように指定することも可能です。ブレンドなしを指定した場合は、1 つのリンクで影響を受けるオーバーラップ領域内の頂点は 1 つだけです。

内部境界と外部境界

内部境界と外部境界

内部境界内および外部境界内の頂点の位置によって、アタッチされたリンクの影響値の割合が決まります。内部境界内にある頂点の重みは 1 になります。内部境界と外部境界の間にある頂点は、外部境界の位置で重みが 0 になるように重み付けされた値になります。

ビューポート内の頂点は、重みに応じて色分けされます。この色は、[ブレンド エンベロープの表示オプション](Blending Envelope Display Options)ダイアログ ボックスに指定したパラメータに基づいて決まります。