概要 - 旧リリースから移行する

[マイグレーション ユーティリティ]を使用すると、AutoCAD Electrical ツールセット の旧リリースから現在のリリースに設定とファイルを移行できます。AutoCAD Electrical ツールセット 内の多数のファイルをカスタマイズできます。[マイグレーション ユーティリティ]では、このようなカスタマイズした変更内容も現在のリリースに移行されます。ユーザは、移行するファイルと使用するマイグレーション オプションを選択します。マイグレーション ワークフローには、次の 3 種類があります。

注: データベース ファイルやパネル コンテンツの統合に使用する[統合ユーティリティ]は、独立したユーティリティではありません。現在、[統合ユーティリティ]は[マイグレーション ユーティリティ]に含まれています。

マイグレーションのためのファイル タイプ

[マイグレーション ユーティリティ]は、多数のファイル タイプをサポートしています。これらのファイル タイプを検出するために、さまざまな既定のフォルダが検索されます。次に示す既定のパスが、[マイグレーション ユーティリティ]によって検索されます。[マイグレーション ユーティリティ]が、別のフォルダを検索するように設定することも可能です。

注: ファイルは現在のフォルダ構造に移行されます。

マイグレーション オプションは 2 つあり、このオプションはファイル タイプによって異なります。

この表を使用して、[マイグレーション ユーティリティ]がサポートするファイル、既定の検索パス、各ファイル タイプに使用できるマイグレーション オプションを確認してください。

ファイル タイプ

既定のフォルダ

ファイル

マイグレーション オプション

環境設定ファイル

Data

wd.env

コピーまたは統合

シンボル メニュー

User Support

*.dat

コピーまたは統合

ライブラリ メニューのイメージ

User Support

*.dll と *.slb

コピー

その他のスライド イメージ

User Support

*.sld and *.png

コピー

スタイル イメージ

PLC と Install¥acade

*.bmp

コピー

カタログ データベース

Catalogs

default_cat.mdb

コピーまたは統合

機器シンボル参照データベース

Catalogs

footprint_lookup.mdb

コピーまたは統合

回路図参照データベース

Catalogs

schematic_lookup.mdb

コピー

PLC データベース

PLC

ace_plc.mdb

コピーまたは統合

選択リスト データベース

Catalogs

wd_picklist.mdb

コピー

DIN レール

Catalogs

wddinrl.xls

コピー

言語変換データベース

Catalogs

wd_lang1.mdb

コピー

ライブラリ シンボル

Library

すべてのフォルダ

コピー

ユーザ回路

User

*.dwg

コピー

図面テンプレート

レジストリ テンプレートのパス

*.dwt

コピー

表スタイル

Program support

tablestyle.dwg

コピーまたは統合

線種

User Support

Acade.lin

コピーまたは統合

最近使用したプロジェクトのリスト

User Support

lastproj.fil

コピー

装置、ロケーション コード

[ユーザ]

*.inst, *.loc

コピー

説明リスト

User Support

*.wdd

コピー

定格の既定

User Support

*.wdr

コピー

外部コンポーネント タグ リスト

User

*.wdx

コピー

PLC セットアップ用スプレッド シート

User

*.wdi

コピー

機器リスト セットアップ

User

*.wde

コピー

配線の色/ゲージ ラベル

User

*.wdw

コピー

端子番号フィルタ

Project

*.wdn

コピー

端子台テーブル セットアップ

User

*.tsl

コピー

コンジット セットアップ

Program Support

*.wwl

コピー

印刷用紙サイズ

Program Support

Generic paper size.txt

コピー

プロジェクト表題欄マッピング

Project

*.wdt

コピー

プロジェクト表題欄ライン ラベル マッピング

User

*.wdl

コピー

ファミリ タグ マッピング

User

wd_fam.dat

コピー

PLC マッピング

User Support

wdmbblks.bsf

コピー

RSLogix コード マッピング

Program Support

*.wdf

コピー

Unity Pro シンボル マッピング

User

*.map

コピー

ユーザ定義属性

User

*.uda

コピー

レポート設定

User

*.set

コピー

レポート グループ

User

*.rgf

コピー

カタログ統合のためのテーブル マッピング ファイル

入力マッピング ファイルの強制使用を選択し、カタログ保存先データベース内のデータの置き場所を参照するように設定できます。このマッピング ファイル(ACEDBMergeUtil.map)は、メイン実行プログラムと同じフォルダにあります。

注: ベンダー、カタログ番号、フィールド用のその他のマッピングがあります。これらのマッピングの詳細については、マッピング ファイルを参照してください。既定のファイルの場所は、C:¥Program Files¥Autodesk¥AutoCAD {バージョン}¥AcadE¥ です。

すべてのタイマ リレー(TD)テーブルを 1 つのテーブルに統合するには、マッピング ファイルを使用します。ソース データベースから取り出して、1 つのテーブルの下の保存先データベースに入れるテーブルをコントロールします。

[Table map]

; <SRC_TABLE>=<DEST_TABLE>

TD1N=TD

TD1NT=TD

TD1NF=TD

TD1FT=TD

ソース データベース(左側)のマッピング ファイルでは、ワイルドカードを使用してカタログ データベース テーブルをマッピングできます (例: TD*=TD)。ソース データベースがコンポーネント固有の場合にテーブル マッピングまたはワイルドカード マッピングを使用すると、テーブル名が保存先データベースの WDBLKNAM フィールドに格納されます。これにより、カタログ参照ウィンドウで使用される初期フィルタに、シンボル名が提供されます。

機器シンボル参照データベースの統合のためのテーブル マッピング ファイル

機器シンボル参照データベースのマッピング ファイル(ACEDBMergeUtil_footprint_lookup.map)が用意されています。このファイルは、カタログ統合のためのマッピング ファイル(ACEDBMergeUtil.map)と同じ規則に従います。このマッピング ファイルには定義済みの規則はありません。このファイルはフレームワークで、統合をカスタマイズする場合には修正する必要があります。

注: 既定のファイルの場所は、C:¥Program Files¥Autodesk¥AutoCAD {バージョン}¥AcadE¥ です。形式設定およびマッピング文字列の作成方法の詳細については、ファイルを参照してください。

PLC データベース

スプレッドシートから PLC/IO ユーティリティでは、モジュール カテゴリを使用してモジュールの挿入点を計算します。

2009 より前のバージョンでは、スプレッドシートから PLC/IO ユーティリティは、[説明]フィールドの値または PLC データベース表名に基づいてモジュールの分類を特定していました。たとえば、[説明]フィールドに文字列「*IN*」が含まれる場合は、入力モジュールと判断されていました。2009 以降では、PLC データベースに[分類]フィールドが含まれます。PLC データベース ファイルが移行されると、次の既定の設定を使用して、マイグレーション ユーティリティによって自動的に PLC データベース マイグレーション ユーティリティを実行します。

入力

DI*、AI*、*INP*、*IN *、*IN、*IN/*

出力

DO*、AO*、D0*、A0*、*OUT*

組み合わせ

*OTHER*、IO*、I0*

PLC データベース マイグレーション ユーティリティでは、PLC データベースの[説明]フィールドの値を、入力、出力、または組み合わせの既定値と比較します。値が一致しない場合は、データベース名が比較されます。[説明]フィールドまたは表名が一致した場合、そのモジュールに正しい[分類]値が入力されます。

PLC データベース マイグレーション ユーティリティは、これらの値に基づいて PLC データベース内のすべての表を更新します。

注: 文字内の空白は、検索文字列の一部として考慮されます。たとえば、「IN{空白}*」は「IN module」と一致しますが「INPUT」とは一致しません。

wd.env の統合

wd.env ファイルには、AutoCAD Electrical ツールセット を特定のファイルの配置場所を参照する設定が含まれています。この特定のファイルには、カタログ データベースや参照データベース、スライド ライブラリ、ユーザ回路などを含めることができます。移行された wd.env ファイルからのパスは、これらの従属ファイルが移行されるときに使用されます。

たとえば、次のようになります。

移行オプション

以前のバージョンの wd.env

現在のバージョンの wd.env

最後の wd.env

結合 - 上書き

WD_CAT=n:¥shared¥

WD_CAT={既定のパス}

WD_CAT=n:¥shared¥

[統合]

WD_CAT=n:¥shared¥

WD_CAT={既定のパス}

WD_CAT={既定のパス}

また、移行用のカタログ データベースを選択する場合、ソース カタログ データベースのデータは、選択した移行オプション、たとえば merge - overwrite に基づいてカタログ データベースに移行されます。移行されたカタログ データベースに対して推奨される移行先フォルダは、移行される wd.env 内のパスです。

wd.env ファイルのマイグレーション ステータスを変更した場合、これらの依存ファイルを更新し、各依存ファイルの場所が wd.env の設定と一致していることを確認するよう求めるプロンプトが表示されます。

ログ ファイル

[マイグレーション ユーティリティ]を実行するごとに、マイグレーション情報が acemigration.log ファイルに書き込まれます。このログ ファイルには、マイグレーションの日付、ユーザ名、移行されたファイルに関する情報が含まれます。このログ ファイルは、User フォルダに格納されます。既定の場所は、C:¥Users¥{ユーザ名}¥AppData¥Roaming¥Autodesk¥AutoCAD Electrical {バージョン}¥{リリース番号}¥{国コード}¥Support¥User¥ です。

バックアップ コピー

移行された各ファイルのバックアップ コピーが作成されます。バックアップ ファイルは元のファイルと同じフォルダに作成されますが、ファイル名は変更されずに拡張子「.bak」が付きます。

注: ライブラリ シンボルの図面ファイルとスライド イメージのバックアップ ファイルは作成されません。