圧縮環境での使用を目的として材料の特性を指定した後で、非線形の挙動や材料の破壊を調整すると便利な場合があります。たとえば、破損をまとめてオフにしたり、圧縮に対して引張塑性モデルと破断モデルを使用するよう Advanced Material Exchange に指示できます。非線形フラグと破断フラグは、*COMPRESSION キーワードでコントロールします。
*COMPRESSION, FAILURE=[ON/OFF], NONLINEAR=[ON/OFF]
ここでは、FAILURE=ON および NONLINEAR=ON が既定です。 FAILURE=ON の場合は、圧縮破断基準が使用されます。 FAILURE=OFF の場合は、圧縮環境での破壊が予測されません。 塑性モデルは、荷重が増加する間も挙動を続けます。NONLINEAR=ON の場合は、圧縮塑性モデルが使用されます。 NONLINEAR=OFF の場合は、Advanced Material Exchange で引張塑性モデルと破壊モデルが使用されます。*COMPRESSION キーワードの前に、有効な *MATERIAL キーワードを設定する必要があります。
*COMPRESSION キーワードの作用を理解するため、次の例を見てみましょう。 1 番目の例では、既定の圧縮挙動が使用されます。
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1
*COMPRESSION, FAILURE=ON, NONLINEAR=ON
圧縮荷重下でのモデルの応力-ひずみプロットを作成すれば、非常に一般的な応答が得られます。荷重を増やしていく間、塑性が蓄積し続け、ある時点で構造が破損し、応力降下が確認されます。大きな応力降下の後、破損した材料の物理的干渉により、モデルは再加重が可能になります。
2 番目の例では、非線形性がオフになっています。その結果、引張塑性モデルと破壊モデルが使用されます。
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1
*COMPRESSION, FAILURE=ON, NONLINEAR=OFF
これで、応力-ひずみ曲線が、引張破損でよく見られる応答を示すようになります。塑性はもう一度蓄積し続けますが、構造物の最終的な破損が発生すると、複合材料の剛性は非常に小さい数(既定では 1E-06)にまで減少します。このことは、大きな応力降下で明らかになります。