既定では、解析すべてに対して破断が非アクティブになります。HIN ファイルを使用して弾塑性材料の破断をアクティブにすると、解析が進むにつれて損傷が進展するようにできます。破断をアクティブにした場合に破断が予測されると、複合材料の剛性は瞬時に、複合材料の元の弾性剛性の数分の 1 にまで減少します。解析の残りの部分では、複合材料の剛性は減少したレベルで固定されたままになります。
引張環境では、剛性劣化の量は劣化パラメータを使用してコントロールします。このパラメータは、進行性破損のシミュレーションに大きな影響を与える可能性があります。既定では、劣化パラメータは 1E-06 (0.000001)に設定されています。劣化パラメータを調整する場合は、HIN ファイルで *DAMAGEEVOLUTION キーワードを使用します。
*DAMAGEEVOLUTION, TYPE=RUPTURE
Cdeg
ここで、TYPE=RUPTURE は、瞬間的な剛性劣化方法を指します。 現時点で使用できるのはこのオプションのみです。Cdeg は、剛性劣化パラメータを表します。 この値は、0 < Cdeg < 1\ の範囲に収める必要があります。*DAMAGEEVOLUTION キーワードの前に、有効な *MATERIAL キーワードを設定する必要があります。
次の例を考えてみます。ここでは、破損後剛性として元の複合材料の剛性の 1.5% を使用するとします。
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1
*DAMAGEEVOLUTION, TYPE=RUPTURE
0.015
圧縮環境では、劣化の量は B1、B2、B3 の 3 つの係数に依存します。 これらの係数の値は、材料特性指定時に決定されます。剛性の劣化をコントロールする係数を 1 つまたは複数調整するには、HIN ファイルで *COMPRESSIONSTRESSDROP キーワードを使用します。
*COMPRESSIONSTRESSDROP
B1, B2, B3
このキーワードの前に、有効な *MATERIAL または *ENVIRONMENT キーワードを設定する必要があります。
次の例を考えてみます。ここでは、B1 を 0.5 に、B3 を 0.01 に、それぞれ調整するとします。
*MATERIAL, NAME=CA-PLASTIC-1
*COMPRESSIONSTRESSDROP
0.5, , 0.01