材料マッピング機能では、ある材料の特性を新しい材料定義にマッピングすることができます。これにより、モデルの特定の領域について材料の挙動をコントロールすることができます。材料をマッピングすることで、破損のオンまたはオフを切り替える、材料の特性を修正する、モデルの対象領域の破断基準を修正するなどの操作が可能になります。
材料マッピング機能をアクティブにするには、HIN ファイルで次の構文を使用します。
*MAP, FROM=[ID], TO=[ID]
FROM, TO
ここで、ID は Ansys 解析に使用されます。FROM は、修正後の材料特性が含まれている入力ファイル(および HIN ファイル)内の材料の名前を表します。 TO は、元の材料特性が含まれている入力ファイル内の材料の名前を表します。 つまり、新しい材料(From)を、.sif ファイルに保存されている元の材料定義(To)にマッピングする、と考えることができます。
使用例を見てみましょう。この例では、歯車モデルの中で破壊が予想されない領域について、破損をオフにします。ここでは実験テストの結果で、破損は歯車の歯でのみ発生し基部では発生しないことが分かったと仮定します。破損は歯車の歯でのみ発生すると想定しているので、モデルの他の部分については破損をオフにすることができます。こうすることで、解析の実行時間を減らせる可能性が生まれます。
ただし、歯車全体で同じ樹脂材料が使用されている場合でも、2 種類の材料(1 つは歯、1 つは基部)が使用されているものとして構造入力ファイルを設定する必要があります。
各材料では、Helius PFA ソルバーで使用できるようにするために、TB, USER を定義する必要があります。
MAT,10751
TB,STATE,10751,,20
TB,USER,10751,,0
MAT,20000
TB,STATE,20000,,20
TB,USER,20000,,0
2 つの材料を入力ファイルで定義し、それらの材料をモデル内の該当する領域に割り当てたので、材料マッピングを定義することができます。
*MAP, FROM=ID, TO=ID
20000, 10751
この時点で、Advanced Material Exchange は、新しい材料に対して元の材料の基部の特性を使用することを認識しています。後は、HIN ファイルを使用して、新しい材料の破損をオフにするだけです。
*MATERIAL, ORIGINAL ID=20000
*DAMAGEINITIATION, TYPE=MCT
0,0,0