プロジェクトの計画とファイル管理の概要

大規模アセンブリのモデリングに関連する、プロジェクトの計画、フォルダ構造、およびプロジェクトのファイルとライブラリについて学習します。

フォルダ構造

すべてのドキュメントが同じフォルダに収められている平坦なフォルダ構造は、ソフトウェアで最も簡単に扱いやすく、「狭くて深い」構造とも表現されます。しかし、扱うパーツの数が数百から数千にも及ぶ場合には、こうしたフォルダ構造は実用的ではありません。それと同時に、フォルダ構造の「幅」、つまり、サブフォルダの数や、サブフォルダ内のサブフォルダの数を、最小限に抑える必要があります。

効率の良いアセンブリ階層にするための計画

さまざまなプロジェクトで多くの設計者が共有するコンポーネントは、共有のネットワーク フォルダを作成してそこに保存します。個々のコンポーネントについて、概要プロパティとプロジェクト プロパティを割り当てます。一意のテンプレートを作成し、これを使用して特定のプロジェクトやサブアセンブリのコンポーネントを作成します。テンプレートの共通のプロパティを事前に定義しておくと、このテンプレートから作成したすべてのコンポーネントに定義したプロパティが継承されます。Autodesk Inventor の内部と外部の両方のコンポーネント ファイルの属性を検索して、必要なファイルを探します。再利用の可能性が高い属性の検索には、名前を付けて保存します。

詳細については、「ファイル内のオブジェクトを検索するには」を参照してください。

プロジェクトのファイルとライブラリ

プロジェクト ファイルでは、Inventor データを編成し、作業データ、テンプレート、スタイル、ライブラリの場所を決定します。パフォーマンスを改善するためのヒントを次に示します。
  • インクルード ファイル パス オプションを設定する際は、CAD 管理者によってネットワーク上に保持されている読み取り専用の単一のプロジェクト ファイルを指すように設定します。
  • ネットワークに作業スペースを配置しないでください。作業スペースはローカル マシンに配置するように意図されています。ファイルに対する作業はすべてローカルで行い、終了したらネットワークに戻してください。
  • 作業グループまたはライブラリの場所を定義するときには、作業スペースのサブフォルダを指定したり、別の作業グループまたはライブラリのサブフォルダを指定するのは避けてください。次に例を示します。
    • 作業スペース - C:¥Damper
    • 作業グループ - C:¥Damper¥Section1

    作業グループまたはライブラリの場所として、別の定義済みの場所のサブフォルダを指定すると、そのパスが赤でハイライト表示されます。この場合でも、プロジェクト ファイルの保存は可能です。これは、最も効率的なファイル構造が生成されないことを示す警告です。

  • マッピングされたネットワーク ドライブは、マシンが持つファイルを開く機能や保存する機能を低下させます。これは、Windows がそれらの操作のたびに参照の解決を試みるためです。
  • 常に相対パスを有効に保ちます。ここでの相対とは、

    プロジェクト ファイルを基準とする相対位置という意味です。

  • 作業グループ検索パスはあまり定義しない方が効果的です。検索パスを少なくするほど、ファイルの検索が改善されます。アセンブリ構造はフラットにしてください。たとえば、フォルダにアセンブリ ファイルを格納している場合は、その .iam のすべての .idw ファイルを同じフォルダに格納します。サブフォルダに、.iam 内のすべてのコンポーネントを格納してください。Inventor では、[サブフォルダのパス]に基づいて、必要なコンポーネントが検索されます。そうすることで、ファイル検索の効率性が向上します。
  • プロジェクトを持ち運ぶ必要がある場合は、すべてのストレージの場所をプロジェクト フォルダのサブフォルダとして定義します。プロジェクト フォルダにはプロジェクト ファイル(*.ipj)のみを保存します。

詳細については、「プロジェクトの概要」を参照してください。

カスタムのコンテンツ センター ライブラリの使用

Inventor のコンテンツ センター データベースは 750,000 個以上のパーツを備えており、18 種類の国際規格をカバーしています。設計要件を考慮しながら、必要なライブラリのみをロードすることで、コンテンツ センターをロードしてそこから配置するまでの速度が向上します。

ライブラリ コンテンツのごく一部しか使用しない場合は、必要なファミリをカスタムのライブラリにコピーしてプロジェクト設定の中でのみロードすることを検討してください。

詳細は、「コンテンツ センター」を参照してください。