前のレッスンで確認した文字列に加えて、その他のタイプのデータを MAXScript に入力できます。
MAXScript は単に数字を数として認識するだけではなく、数学演算も実行できます。
文字列のように数字そのものを入力するだけで、MAXScript はこれをエコーバックして数字として評価し、その値を表示します。
これで数学演算がもっと面白くなります。
MAXScript にはたくさんの関数が組み込まれているので、MAXScript を計算機として使うことができます。
たとえば、特定の次元を 倍にする場合は、36.5 * 2
と入力します。
MAXScript はこの計算結果を返します。外部の計算プログラムをロードする必要もなく、急な計算が手軽に処理できます。
MAXScript は、いくつかの数学定数も認識します。pi
と入力します。
MAXScript は pi
の値を認識しているので、これを返します。
この値をさらに複雑な演算で使用できます。たとえば、半径 2.5 インチの球の体積を求める場合は、半径の 3 乗に pi
をかけて、これに 4.0 をかけて、さらに 3.0 で割ります。4.0/3.0 * pi * 2.5^3
と入力します。
文字列を使って簡単な数学演算を実行することもできます。たとえば、a="MAXScript"
と b=" is fun!"
を定義した場合、a+b
と入力すると "MAXScript is fun!"
が返されます。
文字列演算の詳細は、「String Values」を参照してください。
MAXScript では、ほとんどの三角関数 (sin、cosh、atan) および超越関数 (exp、log、sqrt) を含む数多くの数学演算を実行することができます。このトピックでは、乱数や増分といった最も役に立つ 2 つの演算について説明します。MAXScript でサポートされている演算の完全なリストについては、「Number 値」を参照してください。
MAXScript で非常に役に立つ数学演算の 1 つは、乱数関数です。ユーザが指定した 2 つの引数間で包括的に選択された擬似乱数を返します。
例:
random 1 100
1 から 100 の間のランダムな整数を返します。
戻り値のタイプ (実数または整数) は、関数の最初の引数のタイプと同じになります。
random 1.0 100
この場合は、1.0 から 100.0 の間のランダムな実数を返します。
このチュートリアルでは詳しく説明しませんが、random
コマンドは、スクリプトを実行するたびに同じ「乱数」を生成します。これは、ソフトウェアを再起動してスクリプトを実行するときに、スクリプトを繰り返し実行しない場合に起こります。ソフトウェアを起動するたびに、random
関数で作成される値を変更したい場合は、seed
コマンドを使用します。
seed <number>
ここでは、<number>
は、整数または実数です。seed
値を変更するたびに、MAXScript は新しい「乱数」を生成します。
MAXScript が提供するもう 1 つの便利な数学演算は、増分です。これは、次の例で示すような長い書式で、値を所定の位置に修正する場合に使える代入の略語形式です。
x = x + 1
4 つの数値演算子 (+、-、*、/) には、対応する代入演算子があり、これらは代入先に演算を適用して、代入先を結果で更新します。代入演算子の構文は次のとおりです。
<destination> += <expr> -- add <expr> to destination
<destination> -= <expr> -- subtract <expr> from destination
<destination> *= <expr> -- multiply destination by <expr>
<destination> /= <expr> -- divide destination by <expr>
代入の略語形式を使うと、上の例を次のように記述することができます。
x += 1
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