ネームスペースは、1 つの名前の下に集められたオブジェクトのグループです。また、ネームスペースは一意のパスでもあります。したがって、ネームスペース内の各オブジェクトは、そのオブジェクトが属するネームスペースとそれぞれのオブジェクト名で識別されます。たとえば、ネームスペース「Galaxy」には、「Galaxy:Moon」、「Galaxy:Rocket」、「Galaxy:Alien」といったオブジェクトが属します。
ネームスペースを使用すると、同じ名前を持つ 2 つのオブジェクトに別々のネームスペースがあれば、その 2 つのオブジェクトを 1 つのシーン内に置くことができます。たとえば、「Mars:Alien」と「Moon:Alien」という2つのオブジェクトはネームスペースが異なるため、同じシーンで使用できます。
オブジェクトを、同じ名前の別のオブジェクトを含むシーン内にマージする場合は、マージする方のオブジェクトにネームスペースを設定することで名前の衝突を解決できます。
アセットは、シーン内にどのように存在するかに関係なく、任意のネームスペースに存在することができます。コントロール リグ階層からのノードに、1 つまたは複数のネームスペースを割り当てる、あるいは親オブジェクトに 1 つのネームスペースを割り当て、子オブジェクトに別のネームスペースを割り当てることができます。
オブジェクトやオブジェクトのブランチにネームスペースを設定しておくと、シーンの管理や最適化をスムーズに行えます。これは、非常に大きなシーン ファイルに特に有効です。
ネームスペースは、シーン ファイルの作成過程で追加、変更、削除できます。また、シーン内のネームスペースにさらに別のネームスペースを追加することもできます。「ネームスペース内のネームスペース」を参照してください。
オブジェクトにネームスペースを設定するには:
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックスが開き、カレント シーンに含まれるネームスペースが表示されます。
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックス
選択したオブジェクトに設定するネームスペース
シーン内に他に有効なネームスペースがある場合は、Add after other namespace オプションをオンまたはオフにします。
1 つのシーンに同じ名前(たとえば、「Cube」)のオブジェクトが 2 つ存在し、片方にだけネームスペースが付いている場合(たとえば、「Big:Cube」)、同じ名前のもう片方のオブジェクト(この場合は「Cube」)にも同じネームスペース(この場合は「Big」)を設定しようとすると、次のような警告メッセージが表示されます。
Name clash warning ダイアログ ボックス
OK ボタンをクリックして操作を続行すると、オブジェクトに一意の名前を持たせるために、オブジェクト名の末尾に番号が付加されます(たとえば、「Big:Cube1」)。
ブランチにネームスペースを設定するには:
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックスが開き、カレント シーンに含まれるネームスペースが表示されます。
ブランチに設定するネームスペース
シーン内に他に有効なネームスペースがある場合は、Add after other namespace オプションをオンまたはオフにします。
指定したネームスペースがオブジェクトのブランチに適用されます。
オブジェクトのネームスペースを変更するには:
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックスが開き、カレント シーンに含まれるネームスペースが表示されます。
カレント シーンに含まれるネームスペース
選択したオブジェクトのネームスペースがハイライト表示されます。
オブジェクトのネームスペースが、指定したネームスペースに変更されます。
オブジェクトのブランチのネームスペースを変更するには:
オブジェクトのブランチのネームスペースが、指定したネームスペースに変更されます。
オブジェクトのネームスペースを削除するには:
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックスが開き、カレント シーンに含まれるネームスペースが表示されます。
選択したオブジェクトのネームスペースがハイライト表示されます。
選択したオブジェクトのネームスペースが削除されます。
オブジェクトのブランチのネームスペースを削除するには:
Add/Remove Namespace ダイアログ ボックスが開き、カレント シーンに含まれるネームスペースが表示されます。
選択したブランチのネームスペースがハイライト表示されます。
選択したブランチのネームスペースが削除されます。
ネームスペースは、ファイル システムのディレクトリと同じように機能します。ネームスペースは、オブジェクトまたはブランチの一意の ID です。ネームスペースに割り当てられたアセットは、ディレクトリ フォルダ内のファイルと同じように機能します。ディレクトリを別のディレクトリ内部に格納するように、ネームスペースを別のネームスペース内部に格納することができます。
また、ネームスペースは一意のパスでもあります。この場合、パス全体で 1 つのネームスペースと考えます。つまり、「Moon:Alien」は 1 つのパスであり、「Galaxy:Moon:Alien」はまた別のパスになります。「Galaxy:Moon:Alien」は「Galaxy」の中にある「Moon:Alien」を参照するものではないので、「Moon」以下を変更することができます。「Moon:Alien」と「Galaxy:Moon:Alien」は協同関係にある 2 つの個別の要素ですので、名前を変更する必要はありません。
たとえば、エイリアン キャラクタの脊椎は「Alien:Spine」と示され、「Moon」ネームスペース内に配置することができます。このときこの脊椎は Moon:Alien:Spine になるはずです。次に、Moon ネームスペースおよびそれに関連するアセットを「Galaxy」ネームスペース内に格納し、Galaxy:Moon:Alien:Spine を作成するなどができます。
1 つのディレクトリ内に同じ名前の 2 つのサブディレクトリを入れることができないのと同様に、1 つのネームスペース内に同じ名前の 2 つのオブジェクトを入れることはできません。たとえば、ネームスペース「Galaxy」内に、2 つの「Galaxy:Moon」オブジェクトは存在できません。次のトピック(「階層のネームスペースを作成する」)の手順を参照してください。