オンライン リソースや自分の図面から、シンボルや詳細を現在の図面に挿入します。
いくつかの基本定義
AutoCAD では、図面に挿入するシンボルや詳細は「ブロック」と呼ばれます。ブロックは、ジオメトリ オブジェクトおよび文字オブジェクトの集合、およびその他のデータが、単一の「名前の付いたオブジェクト」に結合されたものです。次に、尺度の異なるさまざまなブロックの例を示します。
図面内のブロックの挿入には、3 つの要素があります。
たとえば、次の図には、小部屋、椅子、テーブル、植物の 4 つのブロック定義のみが含まれています。小部屋への 3 つのブロック参照、椅子への 12 のブロック参照、テーブルへの 2 つのブロック参照、および植物への 2 つのブロック参照があります。
この例のように、椅子のジオメトリを 12 回複写せずに、ブロック参照として 12 回挿入する利点は何でしょう?
- 椅子のブロック参照では、椅子のジオメトリが 1 つのオブジェクトに関連付けられています。これにより、1 つの単位として簡単に移動、複写、回転できるようになります。
- 「ブロック属性」と呼ばれる部品番号、ベンダー、およびその他の情報は、ブロック定義または各ブロック挿入とともに保存することができます。このデータは、集計表またはレポートに書き出すことができます。
- 図面内のブロック定義を変更すると、図面内の関連するすべてのブロック参照が直ちに更新されます。
- 繰り返し要素が多い図面では、それらの情報をブロック参照として保存することで、保存されるデータの量が大幅に減少します。
注: 一般的に使用される用語「ブロック」は、文脈に応じて、ブロック定義、ブロック参照、またはその両方を指すことがあります。
ブロックのソース
通常、次のいずれかのソースから現在の図面にブロックを挿入します。
- 任意の図面ファイル。たとえば、標準の詳細ビューの図面を作成します。次に、ブロック挿入ツールを使用して、この図面をブロックとして現在の図面に挿入することができます。この例の[詳細ビュー]フォルダは一般に「ブロック ライブラリ」フォルダと呼ばれます。
- 図面ファイルに含まれる 1 つまたは複数のブロック定義。たとえば、複数の樹木のブロック定義のみが含まれた図面を作成することができます。その後、その図面から、任意のブロックを現在の図面に挿入することができます。関連するブロックのファミリを含む図面ファイルは、通常、「ブロック ライブラリ」図面と呼ばれます。
- 現在の図面で作成した 1 つまたは複数のブロック定義。たとえば、複数の「ネストした」ブロックを含む次の小部屋の配置のように、図面内に繰り返し現れるオブジェクトのセットからブロックを作成することができます。小部屋の配置で使用するすべてのブロックは、複数の配置のために「単一」のブロックに結合することができます。
ブロックを挿入した後は、簡単に移動、複写、回転、尺度変更することができます。
ブロックを挿入する
ブロックを挿入するには、[ブロック]パレットを使用します。
- をクリックします。
[ブロック]パレットが表示され、アクティブになります。既定では、アプリケーションの右側にドッキングされています。
[表示オプション]ツールバー
現在の図面内のブロックが表示されます。
最近挿入または作成されたブロックが表示されます。最近使用したブロックのリストは、図面およびセッションを越えて保持されます。
選択したブロック ライブラリのブロックが表示されます。
- ブロック ライブラリの表示オプションを選択します。
- 次のいずれかの操作を行います。
- ファイルのドロップダウン リストをクリックして、最近使用した 10 個のブロック ライブラリ(フォルダまたは図面ファイル)を表示します。
- クリックしてフォルダまたはファイルを選択します。
注: AutoCAD プラットフォーム間でブロック ライブラリを共有するには、Autodesk Account にサイン インし、クラウド ドライブからフォルダまたは図面を選択します。
- 複数の図面を含むフォルダを選択した場合、図面をダブルクリックすることにより、ブロックを表示して図面に挿入することができます。
注: [ライブラリに戻る]をクリックしてライブラリに戻り、フォルダ内のブロックと図面を表示します。
- [ブロック]パレットで、ダブルクリックしてブロックを配置するか、ドラッグして配置します。ブロックをダブルクリックして配置する場合、オブジェクト スナップを使用して高精度に配置することができます。
図面ファイルを参照してブロックとして挿入したり、[ブロック]パレットに図面上のブロックを表示することもできます。
- 表示オプションを選択して、現在の図面のブロックを表示します。
- 表示されたアイコンをクリックします。
- 挿入する図面ファイルを参照します。
ヒント: [ブロック]パレットの下部にある既定のオプションは、通常ほとんどの場合、変更する必要はありませんが、どのオプションを使用すれば良いかを確認するために、それらを試すことも可能です。
ブロックとして使用する図面を作成する
通常、個々の図面ファイルをブロックとして使用するように作成し、類似の図面ファイルと一緒にフォルダに保存します。この方法は、1 つの図面に格納されているブロック定義にアクセスする代わりの方法です。
ブロックとして使用する図面ファイルを作成するときは、必ず原点 (0,0) にオブジェクトを配置します。原点が、ブロックの既定の基点になります。後で、ブロックを挿入するときに、基点にカーソルがアタッチされます。
次の例では、図面ファイルが、標準の詳細ビューを提供するために現在の図面に挿入されます。
カスタム タイトル ブロックや図面枠も、後で挿入したり図面テンプレート ファイルに含めることができる図面ファイルとして作成します。
ヒント: 図面を保存するときは、フォルダに移動して右クリックし、いくつかのフォルダを作成してブロック図面を整理します。
図面内のブロック定義とデータを管理する (必要に応じて)
特殊な状況の場合、現在の図面で直接ブロックを作成、削除、修正することができます。
- 未使用のブロック定義を図面から削除するには、PURGE[名前削除]コマンドを使用します。未使用のブロック定義を名前削除することにより、図面のサイズを小さくすることができます。名前削除できるのは、図面内のどのブロック参照にも使用されていないブロック定義のみです。
- 現在の図面に直接新しいブロック定義を作成するには、BLOCK[ブロック登録]コマンドを使用します。その図面に固有のブロックが必要な場合や、関連するブロック定義のファミリを含むブロック ライブラリ図面を作成する場合は、ブロック定義を作成すると便利です。
- ブロック参照を構成オブジェクトに分解するには、EXPLODE[分解]コマンドを使用します。ブロック参照を分解すると、BLOCK[ブロック登録]コマンドを使用してブロック定義の新しいバージョンを定義したり、WBLOCK[ブロック書き出し]コマンドを使用して結果のオブジェクトを新しい図面ファイルに保存したりすることが簡単にできるようになります。
ヒント: ブロック定義には、部品番号、ベンダー名、価格などの情報を格納できる「ブロック属性」と呼ばれるオブジェクトを含めることもできます。ブロック属性データを、表や外部ファイルに書き出すことができます。「ダイナミック ブロック」と呼ばれる一部のブロックは、関連するデータ、位置、選択されたオプションなどに応じて外観を動的に変更することができます。
ヒントと推奨事項のまとめ
ブロック定義の保存および整理には、一般的に使用されるいくつかの方法があります。
- 使用するブロックごとに図面ファイルを作成します。それらの図面ファイルは、関連する図面ファイルのファミリを含むフォルダに保存します。
- 「ブロック ライブラリ」図面と呼ばれる図面ファイルを作成します。それらの図面のそれぞれに、関連するブロック定義のファミリを含めます。ブロック ライブラリ図面を現在の図面に挿入すると、その図面で定義されているすべてのブロックが現在の図面で使用できるようになります。
- 新規図面を開始したときに直ちに使用できるよう、図面テンプレート ファイルに、タイトル ブロックや頻繁に使用するシンボルのブロック定義を含めます。
ヒント: オンライン アクセスを使用して、商用ベンダーやサプライヤーの Web サイトから、AutoCAD 図面ファイルをダウンロードすることができます。この方法によって多くの時間を節約できますが、それらの図面が正しく作成されていること、および尺度が正しいことを常に確認する必要があります。