トレース

トレースは、既存の図面を変更する恐れなしに、図面の変更を共同で行うための安全な空間を提供します。トレースは、たとえば図面上に配置された共同作業が可能な仮想のトレーシング ペーパーのようなもので、共同作業者が図面にフィードバックを追加することができます。

トレースを作成し、共同作業者に図面を送信すると、共同作業者はそのトレースを表示したり、トレースにコントリビューションを追加したりできるようになります。作成されたトレースに誰でもコントリビューションを追加できますが、コントリビューションを削除できるのは共同作業者のトレースからのみです。トレースは、AutoCAD デスクトップ(Windows および Mac)、または AutoCAD Web アプリや AutoCAD モバイル アプリで使用できます。

トレースを作成する

  1. 次のいずれかを行います。
    • コマンド プロンプトに対して、TRACE と入力し、N と入力して、トレース名を入力します。
    • [ウィンドウ]メニュー > [トレース]を選択します。パレットの[トレースを作成]をクリックします。

    トレースが作成され、トレース モードになります。

  2. 作成および編集コマンドを使用して、マークアップ、文字、追加のジオメトリを追加します。
  3. [トレース]ツールバーの[トレースを閉じる]ボタンをクリックします。

既存のトレースを表示してコントリビューションを追加する

トレースを含む図面を開くと、警告が表示されます。

  1. 警告の[トレース パレットを表示]をクリックするか、[ウィンドウ]メニュー > [トレース]を選択します。
  2. 既存のトレースを表示またはコントリビューションを追加するには、パレットでトレースの 1 つを選択します。
  3. トレースがアクティブな間は、[トレース]バイザーを使用することができます。

  4. アクティブなトレースにコントリビューションを追加するには:
    1. 必要に応じて、トレースを編集モードに切り替えます。

      - 編集モードがアクティブです。クリックすると表示モードに切り替わります

      - 表示モードがアクティブです。クリックすると編集モードに切り替わります

    2. 作成および編集コマンドを使用して、マークアップ、文字、その他のジオメトリを追加します。
  5. トレースの名前を変更するには、パレットでトレースを選択して右クリックし、[名前変更]を選択します。
  6. トレースを削除するには、パレットでトレースを選択して右クリックし、[削除]を選択します。
  7. コントリビューションを削除するには、パレットでトレースを選択して右クリックし、[自分のコントリビューションを削除]を選択します。
  8. パレットのトレースにカーソルを合わせると、コントリビューションの作成者などの詳細が表示されます。

トレース コントリビューション

複数のメンバーがトレースにコントリビューションを追加できるようになったので、アクティブなトレースに対するコントリビューションの作成者のリストを表示するには、[トレース]バイザーのアバターをクリックします。

他のメンバーのコントリビューションがある場合は、次のことができます。

トレース オブジェクトの詳細

トレース オブジェクトにカーソルを合わせると、トレースに追加したメンバーが表示されます。

新しいコマンド

TRACE[トレース] - コマンド プロンプトからトレースを開いて管理します。

TRACEBACK[トレース背面] - ホスト図面を最大彩度で表示し、トレース ジオメトリを暗く表示します。

TRACEEDIT[トレース編集モード] - アクティブなトレースを編集モードに変更し、トレースにコントリビューションを追加できるようにします。

TRACEVIEW[トレース表示モード] - アクティブなトレースを表示モードに変更して、親図面を編集できるようにします。

TRACEFRONT[トレース前面] - アクティブなトレースを最大彩度で表示し、ホスト図面のジオメトリを暗く表示します。

TRACEPALETTECLOSE[トレース パレットを閉じる] - [トレース]パレットを閉じます。

TRACEPALETTEOPEN[トレース パレットを開く] - 現在の図面のトレースを表示および管理できる[トレース]パレットを開きます。

新しいシステム変数

TRACECURRENT - TRACEMODE=1 または 2 の場合、アクティブなトレースの名前が表示されます。

TRACEDISPLAYMODE - トレースがアクティブな間に、トレーシング ペーパー効果が表示されるか(前面)、表示されないか(背面)を示します。

TRACEFADECTL - TRACEMODE がアクティブなときのフェード量をコントロールします。この設定は、編集対象ではないオブジェクト(ホスト図面ジオメトリまたはトレース ジオメトリ)にのみ影響します。

TRACEMODE - トレースがアクティブかどうか、および現在のモード(編集または表示)を示します。

TRACEOSNAP -トレースの表示中にオブジェクト スナップをトレース ジオメトリに適用するかどうかをコントロールします。

TRACEPALETTESTATE - [トレース]パレットが開いているか閉じているかを示します。

TRACEPAPERCTL - トレーシング ペーパー効果の不透明度をコントロールします。数値が小さいほど、トレーシング ペーパーの透明度が高くなります。