イメージをラバーシート化する

イメージを変換して、距離や形状の歪みを修正することができます。

イメージに歪みがあるために、図面内でイメージを位置合わせできないことがあります。たとえば、スキャンや位置合わせによる配置設定は、視差、地形のでこぼこ、またはレンズの歪みが原因となっている歪み含まれている航空写真に対しては機能しません。このような場合には、ラバーシート化を行い、イメージ内のほとんどの歪みを永久に補正することができます。

ラバーシート化は、図面内のイメージの基点および目的点から構成される、一連の位置合わせされた制御点を使用します。これらの点は、図面内で直接選択する、または基点と位置合わせさせる目的点のグリッドを作成することによって指定することができます。これらの制御点を指定すると、点の位置ができる限り揃うようにイメージが変換されます。

注: AutoCAD Land Desktop を使用している場合、AutoCAD Raster Design ツールセットが目的点の入力を求めるプロンプトを表示したら、COGO 点を、.p.g、または .n の入力で代用することができます。詳細は、COGO の点にスナップするを参照してください。

イメージの補正に使用できる変換方法は 2 つあります。

このエラーは、次の距離計測方式により計算されます。

イメージの RMS(平方二乗平均)エラーの合計は、次の計測方式で計算されます。

[多項式]の[次数]を調整すると、位置合わせする点の精度を上げることができます。ただし、エラーを小さくすると、制御点に一致するようにイメージが変換されるため、イメージの収縮の度合いが大きくなることがあります。したがって、許容できる結果が得られる最小限の多項式次数を使用する必要があります。多項式の次数を大きくすると制御点のエラーは小さくなりますが、制御点から離れた位置での収縮が大きくなります。

次の表に、制御点の数に対して使用できる多項式の最大次数の例を示します。たとえば、12 個の制御点を選択すると、選択できる多項式の最大次数は 3 になります。制御点の最小数が特定の多項式の次数に使用された場合、制御点でレポートされるエラーはゼロになります。
制御点の数 多項式の最大次数
3-5 1
6-9 2
10-14 3
15-20 4
21-27 5

AutoCAD Raster Design ツールセットで使用できる制御点の数に制限はありません。

実際に変更を適用する前に、[プレビュー]ツールを使用して変換されたイメージを確認することができます。目的点の凸閉包は赤で表示され、基点の凸閉包は青で表示されます。

ラバーシートの 4 つの点を使用すると(たとえば、イメージの 4 つのコーナー)、通常それらの点でエラーになります。アプリケーションによっては、ラバーシート化されたイメージをタイルするなどでこのエラーは受け入れられない場合があります。ゼロ エラーは 3 つの点より 4つの点の使用が原因になるので、多項式を変更してこのエラーを防ぎます。この変更はシステム レジストリーで行います。詳細は、AutoCAD Raster Design ツールセット サポート Web サイト(https://www.autodesk.co.jp/rasterdesign-support )から「ラバーシートの 4 つの点」で検索して参照してください。

注: ラバーシートは、イメージをごくわずかに変形させたい場合に効果を発揮します。できる限り希望に近いイメージを得るためには、最初から全体的に正確な点を指定してイメージを挿入し、位置合わせと尺度変更を行ってから、ラバーシート化を実行してください。イメージ全体に制御点を適切に広げることも有効です。制御点がない場合、基準点を指定できます。
ヒント: コマンド ラインを使用してラバーシート化する場合は、-irsheet と入力します。