繊維非線形弾性の影響を捉えます。
通常、大きな軸ひずみを受けている場合、繊維の係数は非線形弾性を示します。軸方向の繊維ひずみが引張である場合、繊維は硬化する傾向があります。軸方向の繊維ひずみが圧縮である場合、繊維は軟化する傾向があります。これら両方の動作は、*NONLINEAR FIBER キーワードによって捉えることができます。目的の材料が適切に識別されるように、このキーワードの前に *MATERIAL キーワードを配置する必要があります。
*NONLINEAR FIBER, ETAC=Compressive Knockdown Factor
GAMMA_1T, GAMMA_1C
ETAC と GAMMA_1C は相互に排他的なオプションです。
引張荷重に関しては、次の方程式を使用して、繊維(よって複合材料)の非線形弾性硬化を近似化します。
ここで、
は元の繊維の係数
は非線形繊維パラメータ(GAMMA_1T)
は軸方向の繊維ひずみ(軸方向の複合材料ひずみに等しいと仮定)
圧縮荷重に関しては、ETAC を指定した場合、単純な関係を使用して係数の軟化を近似化します。
ここで、
は元の複合材料の係数
は複合材料の係数のノックダウン ファクター(ETAC)
GAMMA_1C を指定した圧縮荷重に関しては、次の方程式を使用して、繊維(よって複合材料)の非線形弾性軟化を近似化します。
ここで、
は元の繊維の係数
は圧縮の非線形繊維パラメータ(GAMMA_1C)
は軸方向の繊維ひずみ(軸方向の複合材料ひずみに等しいと仮定)
繊維の係数は、繊維破損が発生するまで非線形であると見なされます。繊維破損が発生すると、複合材料の剛性は一定を維持します。これは、その影響が無視できる程度であり、継続的に特性を更新することは、計算リソースを非効率的に使用することになるためです。
例として、次に示す *NONLINEAR FIBER キーワードの定義を検討します。これらを設定すると、材料 9002 には、21.0 の非線形繊維パラメータ、および 0.75 の複合材料の係数のノックダウン ファクターが割り当てられます。下のプロットは、*NONLINEAR FIBER キーワードをアクティブ(非線形弾性)および非アクティブ(線形弾性)にした場合の、この材料の応力-ひずみ応答を示しています。
*MATERIAL, NAME=9002
*NONLINEAR FIBER, ETAC=0.75
21.0
繊維非線形機能の詳細については、『理論マニュアル』を参照してください。